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天魔党と鬼子の接触場面

530: 創る名無しに見る名無し 2011/05/05(木) 09:26:20.96 ID:8vMssnOw
前から何度もキャラが増えすぎ・多すぎてよくわからんって意見が出てるし
設定だけ決めてっても使われずに埋もれていきそう…

個人的にはただ設定だけを書き連ねるよりも
絵なりSSなり作品で膨らませていくほうがいいなあ

533: 創る名無しに見る名無し 2011/05/05(木) 10:33:42.81 ID:1WUfDk/E
まあ『忍』製作中の方も書かれていたけど、天魔党と鬼子の接触場面は欲しい所かな。
それまでは個々の心の鬼に対して発生〉遭遇〉退治(又は和解?)〉憑かれた人との後日談等で、
短編が沢山並べられてる印象があるんだけど、第二部からは天魔党と接触があって敵対し、
両方の立場からストーリーが展開していき、最後は主が見つかったり大老を共闘で倒したり…。
逃げ出した一部の天魔党員が、城を滅ぼした奴と内通しており、武者等を仲間に(?)第三部へ。
こんな流れが頭の中で浮かぶんですけど、どうなんだろう?ぶっちゃけ長編は好まれ無いのかな?

537: 創る名無しに見る名無し 2011/05/05(木) 11:08:29.14 NNmFNVoA
壮大な構想っていうのもワクワクはするけど、
前にも言われていたけどまずは第一部?に精一杯面白い要素を仕込まないと人は付いてこないと思う。
四天王が居て、それらをまとめる主が居て
それらを全部倒す、というだけでかなり長い話になるわけだから
最初っから全部入れるつもりで長編を作ると、とっつきが悪くなってしまうかも?
まずは鬼子と蟲武者との戦いを描き切る形で考えていったほうが良いのでは。

540: 創る名無しに見る名無し 2011/05/05(木) 19:36:48.16 ID:4u+ReLlY
というか、長編ともなれば需要キャラばかりでなくどうしてもザコとかかませ犬キャラが必要になってきますし。
一つまみのキャラを輝かせるためにはそれだけ多くの「その他大勢」が必要になってくるもんです。
誰だって好き好んで「その他大勢」のキャラを作るために骨折りたくないだろうし
反面ある意味「やられキャラ」的なキャラクターの多い「心の鬼」を、天魔党関連で有効利用出来てないのも
個人的には「なんかなー」って思いますけどね。

結局見栄えのいいキャラクターしか関心引けないんだったら、自分の傷口に塩刷り込むような真似してまで
心の鬼企画に参加した俺達って何なの?とかチラっとだけ思いますし(苦笑)

543: 創る名無しに見る名無し 2011/05/05(木) 21:26:39.32 ID:B+V11Lap
自分は心の鬼と天魔党とは基本的に別物だと思ってます

心の鬼は人の心に巣くって悪さをするけど、天魔党は人の心に巣くう心の鬼ではないわけですし
天魔党の手先になる心の鬼はいるだろうけど、個人行動してる心の鬼が大半だと思ってます
なので、天魔党関連で積極的に心の鬼を拾わなければならないってものでもないと思ってます

自分も心の鬼企画に参加して誰にも拾われてないけど、そのうち自分で漫画でも描けばいいやって思ってるw

長芋さんもおにこっこさんも心の鬼を出しててそれぞれ別の役割与えてるけど、
それらを読んでも、天魔党関係なくても生かせるって思いませんか?

作品1

545: 詠麻呂 ◆HxC0abXB7c 2011/05/05(木) 23:38:53.25 ID:xC3m9ZhA
ちょっと詠まずに書いてみた。

「“心の鬼”がいないだと? そりゃどーゆーこった。ヤイカガシ?」
アサリの貝殻をボリボリと齧りながら、ヒワイドリは黒髪の清廉な青年に問う。
「・・・うむ。私が鬼子同様、鬼の存在を感知できるのは知っているな? ヒワよ。
先ほどまで結界の外の町まで出ていた。普段なら雑多な空気の中に、個々の人々から内に棲まう
鬼の猥雑な気を感じるのだが・・・。それを感じなかった」
そう言い、ヤイカガシは肩に落ちた雨の滴を払った。先ほどから屋根を叩く音は雨だったのか。
「ふぁ・・・。鬼子。あんた最近町に出たの?」
囲炉裏の側で丸くなっていた猫が伸びをしながら訊ねる。
「い、いえ。田中さんと『げぇむせんたぁ』に行ってからは町には。その時の町はいつも通りでしたよ?」
米を研いでいた鬼子が手を拭きながらこちらを向く。
「ふん、またぞろ鬼子のような“鬼を狩るモノ”でも出たのか? でもアイツ等、鬼子と一緒でどっか一本
抜けてるからなぁ。こっちまで火の粉が飛んでこなきゃいいんだけどな」
「(ピキ)ヒワイドリ? よく聞こえなかったんだけど、今なんか言った?」
さきほど研いだ包丁は切れ味がよさそうだ。
「ま、まぁなんにせよ、鬼子の仕事が減るのはいいことだと思うぜ? 俺達は極力、人界との接点は持たない
ほうがいいんだ。お互いにな。」
鬼子が投げた包丁を2本の指で受け止め、ヒワイドリは言う。
「それが、おかしいのだ」
「おかしい? なにが?」
ヤイカガシは眉根を絞る。
「“心の鬼”がいなくなったのなら、その人物はしばし心の安息を得、表情も考えも前向きなものとなるのが定石。
だが私が霊査したところ、その人物の心の問題はまったく解決されておらん。根が残っているようなものだ。
しばらく放置すれば“心の鬼”はすぐまたその者の心を覆うだろう。そんな状態だった」
「それは・・・たしかに妙ね」
ヒワイドリから包丁を受け取りながら鬼子もうなずく。
「萌え散らすならまだしも・・・。それでは“狩った”というより“刈った”というほうが正しいわね」
「・・・・・・。・・・天魔、党?」
成り行きを聞いていた猫がボソリとつぶやく。
「? なに? 般にゃー、なにか心当たりでもあるの?」
「え? あ、いや、なんでもないわ。なんでも・・・」
そう言い、般にゃーは首を振る。
「 ? 」

「ところで、ヒワよ。なんでまた味噌汁の残りの貝殻など喰っているのだ?」
「ん? いい卵を産むには“かるしうむ”を取ったほうがいいらしいからな」
「・・・・・・。お前はオスだろうが」
「ヤイカガシ、ちなみにお前が霊査したのって・・・」
「ミニスカートが眩しい女子高生だが。なにか?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」

急遽沸き起こった『 “心の鬼”消失事件』。何者が人々の心の鬼を刈ったのであろうか? なんの為に?
雨はその音を強め、雷音が遠くに響いていた・・・。   

546: 読麻呂 ◆HxC0abXB7c 2011/05/06(金) 00:24:45.01 ID:7Oe1RLRx
後悔なんて、あるわけない。& わたしってホント、バカ。

548: 創る名無しに見る名無し 2011/05/06(金) 02:01:43.76 ID:hDzh2gWR
すごく続きが気になるな
今後の展開に期待w
てか、居候のわんこがいないのはなにかの複線か?

549: 創る名無しに見る名無し 2011/05/06(金) 07:28:34.85 ID:P2K7qmGD
これはそそられる展開!
仮面ライダー000のグリードみたく、メダルの代わりに心の鬼を取り込んで
力を増したりするんだろうか>天魔党

550: 創る名無しに見る名無し 2011/05/06(金) 07:45:49.05 ID:R0GDhhXh
こういう時、タイムボカンシリーズは偉大だったなぁ、と思うんだ…。
一応SSスレで四天王が決まり次第wikiへのSSまとめを再開しよう、という話は出ています。
まだ書き手の少なさと広報面が問題ですが、ストーリーの受け入れ体制は創りつつあるかと…。
キャラが多過ぎなのに対しては、一話(一つの流れ)に登場するキャラ数を絞り、
無理に全員は出さない事で助長を防ぐ事が出来ないだろうかと…。基本雑魚になる鬼が必要ですが。
例えば…こんなの?

メイン:毎回の様に登場するキャラ
鬼子・小日本

サブ:この中から一度に一?三人登場、ストーリーが大きく動く時は何人も。
ヒワイドリ・ヤイカガシ・チチメンチョウ・チチドリ・モモサワガエル・ハンニャー・ワンコ

サブ2:その世界観ごとに登場するかが事なる。時にはメイン並みに登場するが、一切出ない事も。
田中さん・追灘ちゃん・別天津神・般若・ジャスミン・風太郎・桃太郎・鬼子青…他作者オリジナルキャラ?

敵メイン:ストーリーに絡み、幹部等は一度で倒れず何度も出てくる。時には戦闘後サブ・サブ2へ。
天魔党
敵2:心の鬼の特性上、一話の中で深く掘り下げられつつも基本一話で散らされて消える。
その他心の鬼と憑かれた人々

こんな感じで引き出し作っておいて、サブ・サブ2にクローズアップする話もあったり、
メインの鬼子達が心の鬼を散らすまでを淡々と描いた流れもありにすれば分かりやすくなりませんかね?
自分のキャラがサブ2に入れられたら悲しい、という創作者さんもいらっしゃるかもしれませんが、
今の所色々な作品に良く登場する感じかで独断にて書きました。大変失礼をしています…。

569: 創る名無しに見る名無し 2011/05/07(土) 22:12:47.83 ID:r6DHiExw
 >>550
いっそサブ2から誰か一人は使って、パラレルワールド的に天魔党と遭遇するまでを皆で書くとか?
創作支援の一つとしてはアリでも、多分誰もやらないかな。メインとして使われない限り、
自分のキャラ・作品が不要品扱いで悲しい、って人は少なからず出てくるだろうし…。

作品2

583: 詠麻呂 ◆HxC0abXB7c 2011/05/08(日) 19:27:42.78 AsnUOKYy
545の続きを書いてみたんだけど、ここに落としてよいのだろうか?
3レス分くらいですが。
SSスレの方が良いだろうか? 続く予定はいまのところ無いです。21時頃投下しようかと思ってます。

584: 恵方巻き巻き ◆kIe7/eJrNc 2011/05/08(日) 20:00:48.15 ID:nm3wxxKe
おおっ、期待してます♪ 楽しみ!

585: 詠麻呂 ◆HxC0abXB7c 2011/05/08(日) 21:31:23.52 AsnUOKYy
取りあえずこちらに落とします

~ 日本鬼子 天魔ノ章 序文 2~

「ちぇ、降ってきたじゃないか」
空を見上げる。滴が少年の鼻頭を濡らす。この色は本降りになる雲だ。
少年は連れの少女の名を呼ぶ。
少女の「もう少し」、「あっちの方まで」に、付き合った結果がコレだ。おかげでどうやら結界の外に出てしまったらしい。
人間が気軽に立ち入れる山ではないが、自分達の姿を見られる可能性はゼロではない。
出来ればそのような事態は避けたい。・・・自分達はヒトとは多少違うのだから。
少年は頭の上の耳をパタパタさせ、少女の気配を探る。本気になれば、匂いで辿ることも出来るだろうが・・・、
出来ればやりたくない。自分はスケベ鳥や生臭サカナとは違うのだ。
「こにぽーん。どこだー? はやく帰んねーと鬼子が心配するぞー」
何度目かの呼びかけで、そう遠くない木立の向こうに、やっとお目当ての少女の姿を見つけた。
「わんこ~。見て見て。アケビがあんなにいっぱい~♪」
薄桃の着物を纏い、こちらに向かってブンブンと手を振る少女。その姿に少年は安堵し、そして、
苦虫を噛み潰した表情で一度大きく息を吐くと、右手で頭をワシャワシャと掻く。
少年の本来の名前は『わんこ』では、ない。彼は“狗神(いぬがみ)”の子だ。
名には言霊(ことだま)が宿るという。
鬼子が“心の鬼”を萌え散らす際、わざわざ鬼に“名”を付け、呼ばわるのは、その名前で“縛る”為だ。
本来あやふやな存在である心の鬼。それゆえ名を付けることにより、その存在を確定させているのだそうだ。
だが狗神の“真名”というのは、それだけには収まらないものである、らしい。
狗神が誕生したの際、与えられる“真名”。
だがその危険性(?)がゆえ、その名に肉体と精神(こころ)が十分耐えられると、一族の長老たちが判断するまで真名は秘される。
それゆえ彼本人(本狗?)も今だ自身の名を知らないのだ。
(だからって・・・、それまで『わんこ』で呼ばれるのは、勘弁して欲しいよなぁ)
と言うか、最近その名で呼ばれると、不本意なのについ振り返ってしまう自身が嫌になってしまうのだ。
そんな思いもあり、少年はついぶっきらぼうな対応をしてしまう。
「ほら、いい加減帰るぞ・・・、って、あーっ、こにぽん、お前また転んだなっ。鬼子がまた、
『いくら洗濯しても追いつかないっ』、つって怒るぞー。ツノ出すぞぉ!」
「鬼子姉さま、いつもツノ出てるよ?」
「阿呆っ。そのついでで怒られるのは俺なんだぞっ」
「で、でもでも、これだけの“山の幸”を持って帰れば、鬼子姉さまもきっとニコニコだよ?って、こにはこには
言い訳してみたりっ」
そう言い見せる両手で抱えた籠には、たしかに季節の果実や山菜が山と盛られていたが。
「あのなぁ。まだ完全にキャラが確定してないからって、安易によそ様の作品をパクってんじゃねーよっ」
「ぶーぶーっ」
そんなやりとりをしていると、木の葉を叩く水音がパタ、パタタ・・・と激しくなってきた。
「あーもぅっ。馬鹿なことやってっからとうとう・・・。とりあえず雨宿り出来る場所・・・。っ!?」
突然。わんこの全身が総毛立つ。自身に流れる狗神の血が、なによりも早く危険を知らせるのだ。
慌てて周囲を見回す。
「 ? わんこ?」
まだ異変に気付かぬこにぽんが、不思議そうな顔で問う。
「シッ。静かにしろっ」
こにぽんを指で制し、当たり前のように彼女を背に庇い、わんこは辺りに気をやる。
やがてわんこの視線が森の奥の一点を指す。
(な、なんだよ、これ? 嘘だろ? こんなデカい“鬼気”、初めてだぞ!?)
「(鬼子っ。鬼子、聞こえるか?)」
わんこは眼を閉じ “伝心術”を使ってみるが、鬼子からの返事がない。わんこは舌打ちをする。そうだ、此処は結界の外だった。
絶え間なく落ちるようになった水音が、辺りを覆う。わんこの袖をこにぽんがギュッと握る。
やがてわんこの視線が一点を指す。

586: 詠麻呂 ◆HxC0abXB7c 2011/05/08(日) 21:33:31.84 AsnUOKYy
(ン・・・、ャン・・・、カシャン・・・、ガシャン)
重い金属がすれるような音がだんだん近づいてくる。それにつれ、辺りの“魔素”も濃くなってゆく。
(・・・・・・。・・・なんだ?)
やがて。現れたのは。七尺はゆうにあるだろうか。わんこ達の前でその歩みを止め見下ろす存在(モノ)は、
闇が凝り固まったかのごとき黒い、黒い鎧武者だった。
極大振の二本の腰太刀。一見で分かる見事な細工が施され、それでいて装着者の動きを制限しないよう節を多く取った全身甲冑。
曇天の木々から漏れるわずかな明かりをギラリと跳ね返すその姿は、力強き甲虫のようにも見えた。
「・・・・・・」
無言の威圧を放つ武者に、わんこは震える足を無理やり踏ん張り、声を上げる。
「な、なんだよ、お前っ。お、俺達になにか用かよっ!?」
すこし裏返った気もするが、なんとか搾り出すことができた。
「・・・・・・。・・・ケタ」
「え?」
兜の面当ての奥からくぐもった声が聞こえた。
「見つけた。見つけたぞ。・・・やっと」
そう言い、が、鎧武者は目の前のわんこを見ていない。その視線の先には―――
「ひっ?」
―――こにぽんがいた。
鎧武者はまた一歩近づくと、こにぽんに手を伸ばそうと・・・・
―――ガシッ―――
「コイツに手を出すんじゃねえっ!」
わんこが、その鎧武者の手首を両手で押さえる。
「・・・下がれ童(わっぱ)。ヌシに用はない」
「(ギリギリ)コイツに用があるなら、まず俺を通してもらうぜ。じゃないと俺が鬼子に怒られちまう」
こうして対峙しているだけでも汗が吹き出てくる。鬼気もだが、それ以上のプレッシャーがわんこに押し寄せる。
「オニコ? 知らんな」
「知らないほうがいいぜ。メチャ怖いからな!! ちょっと隠れてろ、こにぽん!」
握った鎧武者の手にチカラが込められるのを感じとり、振り向かずわんこは少女を下がらせる。
こにぽんは頷くと、少し離れた大岩の影に身を寄せる。今、鎧武者に背を向け逃げるのは、かえって愚策なのをわんこの声から察する。
===ブンッ!===
刹那。鎧武者が片手を無造作に振るう。彼の手首を握っていたわんこと共に!
「むっ?」
だが、投げ飛ばしたつもりの手ごたえがない。
「へっ。まさかと思ったが、やっぱりそのチカラ、ただの人間じゃねーみたいだなっ」
声は鎧武者の頭上から聞こえてきた。
わんこは投げ飛ばされるその瞬間、掴んでいた手を離し、あまつさえそのチカラを利用し木立の枝へと、
その身を移動させたのだ。
「ほう。どうやらお前もただの童ではないようだ」
鎧武者はさきほどまでとは違い、多少の感情がこもった声を出す。どうやらただの死霊でもないようだ。
「今頃気付きやがったのかよっ、こんの野郎! だが驚くのはこれからだぜっ!!」
顔を紅潮させそう言うと、わんこの姿が消える。だが、本当に消えたわけではない。
木を。地を。岩を蹴り、鎧武者の周りを駆ける。激昂しているように見え、わんこは冷静に考えていた。
鎧武者の膂力は、先ほど無造作に振られた右手からでも簡単に推し量ることができた。悔しいが、
とてもではないが、正面からまともに対峙しても敵わない。
自分がこいつに敵うとするなら。
“速さ”、スピードだ。足で相手を攪乱し、ひるんだところを死角から、自身の最大の一撃を与えることができれば。
たとえ倒すことは出来ずとも。こにぽんを連れこの場を離れる“間”を作ることが出来るハズだ。
鬼子と連絡が取れぬ今。それが今の自身の出来ることと考えていた。

587: 詠麻呂 ◆HxC0abXB7c 2011/05/08(日) 21:35:39.04 AsnUOKYy
案の定、鎧武者はその場から動くこともできずにいる。今、鎧武者にはわんこが複数いるように見えているはずだ。
わんこは逆さまに木の枝を蹴ると、最大限のスピードでの蹴り足を鎧武者の背後の首筋めがけ叩き込む!!
===ガシィッ!!===(極まった!!)
その場にいれば誰もが、わんこ自身もそう思ったに違いない一撃が、鎧武者を・・・。
「・・・・・え?」
わんこの蹴り足は鎧武者の首筋ギリギリのところで止まっていた。しかも鎧武者の逆手の指先1本で!!
「ふ・・・」「わんこっ、逃げてぇっ!!」
驚きが、わんこの身体の動きを停止させていた。こにぽんの叫びにわんこが反応する間もなく、
===ドゴォッ!!!===
「ぐっ、・・・か、はぁ・・・」
わんこの身体は、鎧武者の背後の木立へと叩きつけられた!
そして・・・赤い血を吐き、剥がれるようにゆっくりと落ちる。木の根元へ。受身も取れず。
「わ・・・、わんこぉっ!!」
「・・・・・・」
こにぽんの声に、応えは・・・、ない。
わんこの誤算。それは鎧武者の力量を測り違えたこと。その一言につきた。
武者は振り返りもせず、その足をこにぽんへと向ける。
===カシャン、カシャン・・・===
「あ、あぅぁ・・・」
恐怖でこにぽんの身体が固まってしまう。逃げたくとも、足が言うことを聞いてくれない。
(もう、駄目だ・・・。鬼子姉さま・・・)
こにぽんがギュッと目を閉じる。だが・・・。
驚いたことに、鎧武者はこにぽんの前に来ると、腰の太刀を後ろに回し、おもむろに地に片膝と手を付き、頭(こうべ)を垂れたのだった!
「・・・・・・え?」
想像もしていなかった事態に、こにぽんは目を丸くする。
これではまるで・・・、いや、間違いなく鎧武者はこにぽんに対し“臣下の礼”を取ったのだった!
「長き、長き歳世をへ、ようやっと“嬢様”にまみえる事、あい叶いました。これで・・・やっと今は亡き先領主様との約を果たすこと出来まする!」
「あ、嫌・・・。こ、来ないで・・・」
ワケが分からず、こにぽんは何度も首を横に振る。
その様子を見、鎧武者は怖がらせたと思ったのか、慌てて自身の顔に手をやり面当てを外す。
「我の顔をお忘れか? 私は一時たりとも“嬢様”のこと、忘れたことはございませぬぞ」
だが、そうは言われてもこにぽんには、面当ての下の端整でありながらも武人らしい大きな傷を刻んだその青年の顔に覚えはなかった。
だから、まだ首を横に振る。
「(はっ!?)ま、まさかあの時、“時空の嵐に遭いし時”に記憶を・・・っ? くそ。あの“鬼”め。よくも・・・」
「・・・・・・」
「とにもかく・・・。御身無事でよろしゅう御座いました。なに、記憶はゆるりと思いだしていけばよろしかろう。
まずは嬢様、いや“領主様”の新しき城へ。ご案内仕る。ああ臣下でありながら名をお聞かせするのを忘れておりました。
我が名は・・・『こ・・・』」
===ガサッ===
「・・・・・・。・・・んな」
背後で気配が動き、鎧武者の名乗りが止まる。
「・・・ほう。立つ、か」
「・・・そいつに、こにぽん、に、触んな。クソ・・・野郎め」
「え? あっ。わんこぉ!!」
そう。鎧武者の背後で。腹部を押さえ、口の端に血を流しながらも。大木に体を預けるようにしながらも。
わんこは、その両の足でしっかりと立ち上がっていたのだっ。

588: 詠麻呂 ◆HxC0abXB7c 2011/05/08(日) 21:41:03.70 AsnUOKYy
この黒き鎧を纏った者は何者なのだろうか? こにぽんをいったい誰と間違えているのだろうか? それとも・・・。
この者が言う“鬼”とは? “時空の嵐”とは? そして鬼子は・・・?
近日、その全貌があきらかになる! ・・・かもしれない。 心して待てっ!! CAMING SOON!!

…とゆーワケで、わんこの名前が確定してない理由を適当ですが考えてみました。
将来、わんこによい名前がつくといいですね。
それとこの文章はあくまで創作支援のものです。鬼子の物語を確定するものではありません。
多少でも創作者の方々のインスピレーションのお役に立てば・・・と思う次第です。

ではでは♪

589: 創る名無しに見る名無し 2011/05/08(日) 21:54:39.15 IMm2zefE
乙です。読み応えありました。
 なるほど・・・結界内では伝心術が容易に使える・・・その発想はなかった。いいアイディアだな?
何かの機会があったら使ってみよう

594: 創る名無しに見る名無し 2011/05/09(月) 10:30:19.24 ID:XzlbEf5A
乙です?。SSは書き手さん毎の設定が脳内でごっちゃになっちゃうんで
ほとんど読んでないんですが、名前についての考察は納得。



綿抜鬼3

566: オキノ 2011/05/07(土) 19:20:41.18 ID:sVZIx4GH
http://loda.jp/hinomotooniko2/?id=895.jpg
http://loda.jp/hinomotooniko2/?id=896.jpg
貼り逃げします。

572: 創る名無しに見る名無し 2011/05/07(土) 23:19:58.40 ID:ynDNWuxA
 >>566
綿抜鬼たん可愛いよ綿抜鬼たん
きっと、自分から(綿抜く意味で)襲うことは慣れてるけど、(性的な意味で)襲われると慣れてなくて戸惑うんだぜw

573: 創る名無しに見る名無し 2011/05/08(日) 00:39:08.96 IMm2zefE
そういえば綿抜鬼って、ぬいぐるみに疑似生命を宿らせられるんだっけ・・・?
それって、人の形をした人形も範囲内なのかな?たとえば・・・・
人形に切り抜いた人形とか、木でできた人形も?ロボットはむりっぽいけど、あと・・・死体、とか・・・

それと、ついなちゃんの式神は前鬼、後鬼という名前のぬいぐるみじゃなかったっけ?影響はあるんだろうか?
例えば・・・・
前鬼「な、ああ、あいつは綿抜鬼やないかーっ!?」
後鬼「な、なんだって?!ぬいぐるみ使いの?!」
前後「「あああーっか、体が勝手に動く?」
ついな「な、なな、なんやお前ら、ちょ!うちの言う事を聞きぃ!や、は、ひゃっあ!そそ、そないな所触るな?!」

後「えらいすんません、ご主人」
前「わてら、こんなことしたくありませんのやが(サワサワ)」
後「あの綿抜鬼に操られても?て、どうしようもありまへんのや??(スリスリ)」

つ「やははっ!く、くすぐったっ!ひゃぁああ!ソコ、触るなっちゅう・・・ひゃん!こら、ホンにいいかげんにしー!」

綿抜鬼「・・・わたし、何もしてない。既に宿ってるのに(魂)入れられない」
シーーーン・・・・・
前後「「げっ!バラしやがった?!」」
つ「お、お、お、おまえらーーーーーーーっ!!!(プルプル)ドサクサに紛れてしたい放題・・・ブチ殺す!」
前後「「わひぃ??????っ!!」」(逃亡)

うん。なんか思いついたんで書いてみた。

574: 創る名無しに見る名無し 2011/05/08(日) 00:54:26.43 ID:xhEVG5ce
 >>573
お約束だけど、その様式美が素晴らしいwwwww

584: 恵方巻き巻き ◆kIe7/eJrNc 2011/05/08(日) 20:00:48.15 ID:nm3wxxKe
ついなちゃんの「ひゃん!」に萌えた…w(時間があれば描いてみたい…)

598: 創る名無しに見る名無し 2011/05/10(火) 01:14:05.11 ID:45doVJAu
pixivでも見ましたが、綿抜鬼支援ありがとう。
原案者不在なので何かと構ってやってほしいキャラであります。

R18?

681: 創る名無しに見る名無し 2011/05/14(土) 16:01:00.79 r1ryihB6
あ、大事なこと忘れてた
わーたんは俺の嫁

局というような幹部の立場じゃなくて、誰かの下にいるけど自由に行動してぬいぐるみとかを部下にしながら、飽きたらリストラしてるような、あまり責任ない感じが似合うと思うんだ

692: 創る名無しに見る名無し 2011/05/14(土) 16:58:34.25 LEqFTtKc
わーたんのデザインは秀逸だと思う。
キチガイキャラってのも良い。

715: 創る名無しに見る名無し 2011/05/15(日) 15:58:06.08 Uj1JJt5o
 >>714
ちょっと何言ってるかわからないけど
わーたんが同情やらで神輿されてると思い込んでる時点で、判断能力がなさすぎる
俺の嫁と、本気でR18に挑戦しようか迷ってる俺に失礼

717: 創る名無しに見る名無し 2011/05/15(日) 16:46:10.19 5hjrzI9s
わ、綿抜鬼とR18だって?!馬鹿な真似は止すんだ!!そんな結果が見え見えの罠に…あ…。

~【帰ってくる日本人形】壊れた玩具【抜き取られたハラワタ】~

この映画は、綿抜鬼による>>715に対する残虐かつグロテスクな表現が含まれるため、
18歳未満の児童・少年少女による視聴及び視聴を可能とする事を禁じます。

肉抜鬼

756: 創る名無しに見る名無し 2011/05/17(火) 08:47:40.27 l2LBz8r5
それはR18じゃなくてPG18じゃないか!!

わーたんの話でも。
おまいら、寝てる間にされた悪戯って何よ。
俺はオーソドックスだが、額に「肉」って縫われたよ。

757: 創る名無しに見る名無し 2011/05/17(火) 09:01:10.45 ID:f8EFD/xT
ああそれわーたんじゃない
肉抜鬼

758: 創る名無しに見る名無し 2011/05/17(火) 09:14:32.81 Aw6jXNoU
 >>756
それ、きっとマOルさんだよ?

自分は縫い包みに襲われた。それで首を絞められたんだけど…。
縫い包みってさ、腕の長いの少ないじゃん?ちゃんと絞めれて無いのさ。
ちょっと圧迫された感じはあったけど、笑って投げ飛ばしてやったら、
次の日また来たんだよ。今度は包丁やら鋏やらカッターやら構えて集団でさ。
その中に前日来た奴も混じってたけど、片腕がペチャンコに綿が抜かれてたっけ…。

759: 創る名無しに見る名無し 2011/05/17(火) 10:50:55.12 l2LBz8r5
 >>757
マジか。別人?
普通に油性マジックとかじゃなくて刺繍かよ!って笑ってたんだけど。
糸抜いた後も痕残って大変だった。
 >>758
あー、縫い包みねー。
最近暑くなってきたから、集団で訪問されるとちょっと寝苦しいかもな。

760: 創る名無しに見る名無し 2011/05/17(火) 11:52:49.24 ID:f8EFD/xT
体重を計ってみるんだ。
ごっそり減ってるかもしれないぞ

761: 創る名無しに見る名無し 2011/05/17(火) 12:12:05.05 Aw6jXNoU
ダイエット時には便利だな。こういう感じか?
…そういや鵺の方が骨抜鬼も描いていらしたな。なんかこっちは恋愛系っぽい響きだけど。

【名称】:肉抜鬼
【形態】
ガリガリに痩せてしまった骨と皮だけの姿か、ある程度他者から肉を抜き取り、
多少ふっくらとした姿で現れる。男女の別は見ただけでは解らない位、痩せている。
【生態】
ダイエットに明け暮れ、健康を損なっても痩せようとする者の姿を現す。
本来は生存の欲求が勝るため、隙あらば他者の肉を抜き取り、糧としようとする。
人が寝ている間に近づき、肉を抜き取った後に去っていくのだが、
肉の相性が良い者に対しては、何度も取りに来るため体の一部へ印を残す。
もし気に入られてしまえば急激に体重を減らし、死にすら至るので警戒すべし。

【存在を感じた時】
定期的に来るダイエットブーム、買っても使われないダイエット用機械、
それに反して痩せすぎの人すら更に痩せようとする風潮…無茶苦茶ですよね。
異性は多少肉付きが良い人でないと好きにならなかったりします。

763: 創る名無しに見る名無し 2011/05/17(火) 17:35:49.96 l2LBz8r5
わーたんじゃなかったのか…。
そういえば髪飾りが彼岸花じゃなかったような…。

764: 創る名無しに見る名無し 2011/05/17(火) 17:56:48.15 ID:f8EFD/xT
葛花ですね。分かります

765: 創る名無しに見る名無し 2011/05/17(火) 21:32:39.81 ID:lwCJLA+v
 >>761
好物:にんにくラーメンチャーシュー(ry と、肉の入っていないカレーライス
趣味:バイクの座るトコの綿を取るいたづら

とか電波を受信した

777: 創る名無しに見る名無し 2011/05/18(水) 08:43:54.13 8guFV9aQ
ミニ四駆とかも好きそうだな。ガリガリのイメージから変わってしまうけどw

778: 創る名無しに見る名無し 2011/05/18(水) 09:12:46.35 ID:VVfe7dK+
ベジタリアン・軽量改造好き・痩せ型か。
人体改造する奴なら今のところ陰のイメージだが、中成の鳥や普段姿でなんかアイデアあればなぁ?。

781: 創る名無しに見る名無し 2011/05/18(水) 13:19:44.07 8guFV9aQ
簡単に思い浮かべば苦労しないが、痩せた鳥なら浜辺で貝を漁ってたりするのとか?

水着

802: 陰作成中 2011/05/19(木) 08:57:20.88 ID:c3WSxjCR
昨日は実にすまなかった。
ヤツなら許されると思ってやった。
今は反省していますん。
設定画が一向に進まないので落書き。
SD絵
http://loda.jp/hinomotooniko2/?id=919.jpg
そしてスク水リベンジです よ。
http://loda.jp/hinomotooniko2/?id=920.jpg

805: 創る名無しに見る名無し 2011/05/19(木) 16:17:30.08 ID:hJp9asME
わたぬき!!技アリですなーーー!!

807: 創る名無しに見る名無し 2011/05/19(木) 19:55:16.58 ID:ryMN9yur
これはいい貧乳
浮輪が意外と似合うw

好きなもの嫌いなもの

917: 創る名無しに見る名無し 2011/05/24(火) 17:43:51.78 ID:SXSCvFYz
今さっき「綿抜鬼の弱点はマトリョーシュカ。
一度開けて「中身がまた外側」というのがトラウマになった」
とか思いついたんだけど既出だったか

918: 創る名無しに見る名無し 2011/05/24(火) 19:54:28.97 ID:YjTg6FEL
逆に好きな食べ物:モツ鍋
キャラ的には某アヤ○ミ・某ナ○ト系無口ツッコミタイプ、かな?

940: 創る名無しに見る名無し 2011/05/25(水) 12:25:54.97 XfRsFE6T
 >>917
自分も丁度「ぬいぐるみの中身が綿花じゃなくて化学繊維で、微妙に嫌そうな顔をする綿抜鬼」を考えてたけど、
そっちの方が分かりやすくて良さそう。

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最終更新:2011年06月23日 16:38
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