散萌朗詠集

【散萌朗詠集】

漢詩の人による、七言絶句・五言律詩での漢詩です。

※私自身、白文以外の書き下し文・訳文は保存しておらず、その場で作って書いているので、スレにうpった時と多少表記に差があるかと思います。意味には支障をきたしておりませんのでご了承ください。
※以下に紹介する漢詩についての著作権他諸権利はこの「日本鬼子ぷろじぇくと」及び まとめ人 ◆M3pXrrUt96氏に委託し、このwikiの趣旨にのっとるものであれば、内容の改変以外どのように扱われてもかまいません。
まあ、使いずらい素材であるのを承知の上でのことですが。
※また、自分の技術では、作品に直接訓点をつけたり、書き下し文に読み仮名をつけるといったことができませんでした。どなたか改正いただければ幸いです。


≪壱≫ 鬼子献

佳 人 似 玉 悉 皆 萌
独 坐 探 君 到 五 更
雖 鬼 子 猶 知 麗 貴
故 人 可 愛 是 黎 明

〈書き下し〉
佳人(カジン)玉に似たりて悉皆(シッカイ)萌ゆ
独り坐し君を探し、五更(ゴコウ)に到る
鬼子(キシ)と雖も猶ほ麗貴なるを知る
故人(コジン)愛(メ)すべし是黎明なり

〈日本語訳〉
綺麗な人(=鬼子)は玉のようで、何もかも(誰もかれも)が萌えている
独りで座って、君(の画像)を探し、夜が更けてしまった
「鬼の子」と言っても、やはりあなたが貴く美しいことを私は知っている
我が友よ共に愛そうじゃないか、これは黎明だ

私が初めて作った鬼子への漢詩です。特に私がハマった直後のことで、一晩中鬼子の画像検索に身をやつしていた時期だったのもありこんな作品になってました。
割と鬼子の存在が知られ出した頃ではありましたが「これは黎明だ」といった私自身、こんなに鬼子が広まるとは思ってもいませんでした。


≪弐≫ 小日本献

短 籬 陽 下 漸 萌 為
玉 笛 夭 声 鶯 不 知
少 女 尋 桜 春 未 遍
花 前 一 路 好 追 随

〈書き下し〉
短籬(タンリ)陽下(ヨウカ)に漸(ヨウヤ)く萌(メイ)を為す
玉笛(ギョクテキ)夭声(ヨウセイ)鶯知らず
少女桜を尋ねて春未だ遍(アマ)ねさず
花前(カゼン)一路好し追随せん

〈日本語訳〉
短い垣根は太陽の下でやっと草が萌え始めた
美しい笛の音も小さな女の子の声もウグイスは知らない
少女は桜を探すが、まだ春は行き渡っていない
花の前には一つ道がある。さあ、共について行こう

小日本の代表デザイン決定の際に、これを祝して作った歌です。
『秋』のイメージが強い鬼子に対して、こにぽんは『春』のイメージが強いので桜を中心に作りました。
結句のインパクトが足りないような気もしてますが、こにの雰囲気を合わせれば丁度いいんじゃないかと勝手に決めつけてます(ぁ


≪参≫ 新年書懐 寄鬼子

風 和 子 女 喚 春 来
山 色 呈 祥 又 快 哉
為 君 揮 筆 吾 題 句
佳 気 蓬 々 五 彩 開

〈書き下し〉
風和らぎ子女春を喚(ヨ)んで来る
山色祥(ショウ)を呈し又た快哉(カイサイ)
君が為筆を揮(フル)って吾句を題す
佳気蓬々として五彩開く

〈日本語訳〉
風はやわらいで、女の子は春を呼んでくる
山の色合いはめでたい色を出し、また心地よいことだ
私は君のために筆を執って句を作った
素晴らしい気は蓬々と立ち上がって、あらゆる彩りが開き溢れている

新年に年賀として作った歌です。
鬼子が生まれて新たな年。できる限り私の中の希望を詰め込んでみました。


≪肆≫ 憂国美人

雪 花 時 楚 々  転 瞬 墜 前 塵
故 郷 無 千 邑  国 家 多 苦 辛
今 成 迢 逓 道  自 見 万 光 旻
青 女 紅 於 錦  之 吾 汝 有 神

〈書き下し〉
雪花(セッカ)楚々(ソソ)たる時 転瞬(テンシュン)前塵(ゼンジン)に堕つ
故郷に千邑(センユウ)無く、国家に辛苦多し
今に成り迢逓(チョウテイ)の道 自ずから見ゆ万光(バンコウ)の旻(ソラ)
青女(セイジョ)錦よりも紅なり 吾と之(ユ)かん汝(ナンジ)に神有り

〈日本語訳〉
雪をかぶった花が鮮やかに美しかったとき、突然目の前の塵の中に堕ちてしまった。
故郷にあった数多くの町々は消え去り、国家に待ち構える辛苦は多い
しかし、今にも遥かに思える道は成就し、多くの光に囲まれた素晴らしい空が見えるだろう
秋の女神(=鬼子)は錦よりも紅く美しい、私たちと共に行こう。あなたには神様がついている

初めて五言律詩に挑戦しました。
頷聯・頸聯の対句は今の惨状と未来への希望。首聯の比喩が尾聯の呼びかけの繋がるように作りました。
全体的に今度の東北関東大震災に主眼を置き、鬼子をその救世主的位置に置きました。
誕生から半年近くたとうとする現在、鬼子は既に他のキャラクターと同様『誰かの精神的支柱』としてあるのではないかと思い復興支援の作品にしました。


成立過程のこともあるでしょうが、漢詩独特の格調は鬼子に合うんじゃないかと思って、覚えたての漢詩を鬼子に寄せたのが始まりですが、そのキャラの定着に伴って、もっといろんな側面を表現したいと思ってる今日この頃です。
これからもまた折に触れて詩を加筆させていただくつもりです。ほかの方でも、漢詩を書かれた際はこちらに作者名併記で載せて頂ければ幸いです。
そして、今後一層の鬼子とその仲間たちの発展を祈り、ここで一旦筆を置きます。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2011年05月16日 02:32
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。