排出権取引 ET , emissions trading


 ある汚染排出源で剰余の汚染物質削減を達成することによって、この
剰余を他の汚染発生源の削減量に振り替えること。この削減量を貯めて
おいて他に販売することができる。


排出権取引 Tradable Permit  
排出許可証制度 trade in international permits


 京都議定書で定められた温暖化ガスの排出削減目標値を達成するための
措置。締約国どうしが排出量割り当てを取引できるしくみ。先進国は、自
国の割当量の一部を他国へ譲渡することができる。排出量取引。
 環境基準等に定められる以上に浄化を達成した場合に、超過分を未達成
の発生源や項目に振り分けるあるいは販売すること。環境汚染の許容限度
を達成した企業は余った分解未達成の企業に売ることができる。余力のあ
る企業による汚染低減技術の開発が期待できる利点がある。アメリカでは
酸性雨の原因物質である硫黄酸化物の低減に既に適用している。
 温室効果ガスの排出許容枠を売買する仕組み。温室効果ガスの削減
目標未達成の国が、達成した国から排出権を買い取る。先進国が削減
目標の達成を先送りする抜け道になりかねないとの批判がある。地球
温暖化対策推進大綱によると、日本は二酸化炭素(CO2)、メタン、亜
酸化窒素は8%の削減が必要である。そのうち2.5%は省エネや新エネ
ルギーの導入によって達成できるが、残り5.5%分は森林による吸収や
排出権取引などに頼らねばならない。他国での技術協力によってCO2
削減を目指す事業について、通産省は1998年度から調査を補助してお
り、99年度は46件が採用された。アメリカでは二酸化硫黄、窒素酸化
物、CO2の排出許容枠を企業間で売買する取引が急拡大し、ガスの種
類も多様化している。イギリスやニュージーランド、カナダなどでも排出
権取引の試験市場が誕生した。EU委員会は2005年までにEU域内で
の温室効果ガスの排出量取引制度を構築する案を作り、加盟国からの
意見を求めている。日本興業銀行の試算では、2008年以降の市場規模
は年間約23兆円と見積もられている。

最終更新:2006年09月18日 20:05