ヘッドパーツはフレームとフォークをつなげるための部品。サイクルボールに使うヘッドパーツは丈夫であればよいので、アルミ製ではなく、スチール製の安価な物がむしろ良い。圧入部の外径でノーマル、JIS、オーバーサイズ、イタリアンなどさまざまな規格がある。さて、通常、フレームとフォークの規格は同一のはずである。しかし、サイクルボールの場合、それらを別々に購入することが多いので、フレーム側の規格でヘッドパーツを購入し、フォーク側の唯一の部品であるタマオシリングが合わない場合はそれだけバラで購入する。

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ヘッドパーツ

ヘッドパーツは初心者にとってはここがどんなふうに機能しているのか分かりにくいところではないかな。実は簡単な構造である。下図を見ていただきたい。これがヘッドパーツをひとつひとつばらばらにして縦に並べた図である。日本語では、一般に上から順に以下のようによぶ。

Abschlussmutter: 8角ナット
Nasenscheube: リングワッシャー
Gewindekonus: 上側おわん
Kugelhalter: リテーナー
obere Langerschale: 上側タマオシ
untere Lagerschale: 下側おわん
Kugelhalter: リテーナー
Gabelkonus: タマオシリング

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ヘッドパーツ分解図

そして、これが機能しているときの図である。
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ヘッドパーツ機能図1 ヘッドパーツ機能図2

ヘッドパーツはごりごりになった時に交換する程度で良い。交換するときの注意点について述べるが、注意点はただ一つ。絶対に中古ヘッドパーツを強引にねじ込んでフォーク側のネジをいためないこと。ヘッドパーツは全体が一度に壊れることはないので、よく中古パーツと新品パーツをミックスして整備することが多い。中古のヘッドパーツをフォークに付ける時、そのヘッドパーツが手では回って入って行かないからといって、無理矢理に工具を使ってはめようとすると、フォークのネジがなめてしまう。なめた部分を肉盛り溶接して、再びネジを切ればよいのだが、手間と費用がかかる。これはBBの時にもいえることである。ネジの絡む中古部品を使うときは特にこのような注意が必要である。規格の違うヘッドパーツ同士でも圧入が関係しない、つまりネジの切ってある部品には互換性がある。しかし、例えばそのパーツがタマオシ側だとすると受けのおわんとの相性が悪く、ベアリングとして機能しないことがある。そういう場合はリテーナーをベアリングボールだけにしてみたり、ベアリングボールの径を変えてみたりするとたいてい、使用可能になる。ヘッドに使用するベアリングボールの径には 3/16インチ、5/32インチなどが挙げられる。

ヘッドパーツの、上から2つ目は前述の通り、リングワッシャーだ。フォークにはネジ部に縦方向の溝が掘ってあり、このリングワッシャーに付いているつめをこの溝に合わせて付けることにより、リングワッシャーはフォークに対して回転しないようになっているものがある。なぜ、回転しないようにしてあるかというと、取り付け時にリングワッシャー上の 8角ナットの締め付けトルクがリングワッシャー下の上部おわんに伝わらないようにする為である。このトルクが伝わってしまうと、とも締めができなくなってしまうからだ。

ヘッドパーツ上部3つの取り付け方は以下のようになる。
①手でしっかり上部おわんを締める。この時、強く締めすぎないように工具(32mm) は使わない。
②リングワッシャーをはめる。
③8角ナットを付けて、工具(32mm)で締め付ける。リングワッシャーがトルク伝達を 食いとめるので、とも締めになる。

しかし、サイクルボールはヘッドに頻繁に衝撃がかかるので、簡単に緩まないように、 ③の時点でかなりの力で締めなければならない。そのため、リングワッシャーが強引にまわされ、付いているつめでフォークのネジをいためることがある。実は、フォークのネジがなめる1番の原因はこれである。つまり、ここまで書いておきながら、上のやり方はだめと言いたい。では、どうすればよいかを述べよう。リングワッシャーのつめを新品の時点であらかじめ、やすりなどで削り取っておくか、リングワッシャーを使用しないようにする。こうすることで、32mmのみでとも締めができなくなるが、これは上部おわんをプライヤーで固定して、とも締めすればよい。服部の扱っているタイプのヘッドパーツ以外はだいだい、上部おわんに32mmの8角が切っているので、リングワッシャーのつめを削り取るだけで、 32mmがふたつあれば、簡単に整備できる。

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ニードルリテーナーを使用したヘッドパーツ

リテーナーがボールではなく、ニードルになっているヘッドパーツもある。下図がそれだ。普通のヘッドパーツではすぐにごりごりになってしまうのなら、このようなものを使う手もある。

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最終更新:2006年09月01日 15:06