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概観

主な特徴


フォークはフレームと前輪の間にある牙の形をしたパーツである。サイクルボールでもっとも酷使される構成要素だけにここの故障は多い。普段のメンテナンスの中で、よくき裂の入る、股の分かれ目とエンド部周辺をチェックしておこう。完全に折れて断裂してしまう前にき裂をみつけられれば、不幸中の幸いである。このき裂をすぐに溶接またはろう付けするようにする。一度断裂してしまうと、断面が変形してしまう上、正しく固定したまま溶接またはろう付けするのが困難になる。

フォークの形状は大きく分けて2種類あり、肩の角張っている物をノーマルといい、肩の丸い物をユニクラウンをいう。

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2種類のフォーク、ノーマル(左)とユニクラウン(右)

価格

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メーカー別解説


服部製

すべてクロムめっきされている、日本を代表する銀色ユニクラウンフォークである。軽いが、寿命は長くない。いたるところで疲労破壊が起きる。他のフォークより少し長い。しなるので、打感が幾分柔らかいのが特徴である。また、長いことで前輪が起きた感じになるが、この辺は好みの問題になってくるだろう。現在服部は上記のオリジナルフォークの生産を中止し、提携先のランゲンベルグにフォークを委託生産している。このフォークはしかしながら強度が低く、お薦めできない。

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服部製フォークのステム下部周辺断面図

フジ製

日本で見られる代表的なノーマルフォーク。現在は生産されていないが、ケルビムのノーマルフォークの原版となり、その形質を遺伝している。
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フジ製フォークに使用されているラグ

ケルビム(Cherubim)製

ケルビムはノーマルとユニクラウンの2種類を生産しているが、2000年になったあたりからユニクラウンを主に生産している。ノーマルはフジ製と、元の設計図が同じのため、外観はそっくりだが、ステム下部のパイプ肉厚を上げ、股の分かれ部に補強板を当て、滑らかにし、折れにくくなっている。また、ユニクラウンにも町田のノウハウが盛り込まれていると信じられている。寿命も他社のものより長い上、万一早い段階で折れてもすぐに工房に持参すれば、無料で補修してもらえる。アフターケアもあり、安心できる。

ポスピシル(Pospis_of_pospisil_bold.gif (0.3KB)il)製

ポスピシル製は海外で既に実績のあるフォークとして有名。ノーマル、ユニクラウンとも同程度に普及しているようだ。

ランゲンベルグ(Langenberg)製

ユニクラウンのフォーク。各寸法において、特に特徴はない。太めのパイプで作ってあるため、少し硬めと思われるが、使用感はほとんど他社の物と相違はない。このフォークもステム下部のパイプ内側にシュートの衝撃に耐えるように補強のため、もうひとつのパイプを圧入、ろう付けしてあるが、ランゲンベルグ製はこの箇所が弱く、ろう接合面で滑りを起こすものがある。おそらく、銀ろうがしようされているのだろう。銀ろうは低融点で加工がしやすいが、他の銅ろうやチタンろうに比べ、強度が低い。バーナーなどで熱して、この銀ろうをできるだけ除去し、より強い銅ろうなどと置換する。研究室などに設備がない場合は、新品の段階で適当な工業所に持っていって、補強しておくといいだろう。

ヴァルター(Walther)製

ヴァルター製は少々重いが、丈夫で良い。しかし、折れないフォークはない。やはり、ヴァルター製も股の分かれ目で疲労破壊する。

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ヴァルター製フォークに使用されているラグ

補足


フォークはエンド部や下図中で赤丸で示したところ(ステム下部、股の分かれ目)などでよく疲労破壊が起きる。修理するときはろう付けしてあるところをなるべく溶接しないように注意すること。ろう付け部を溶接すると、ろうは溶接棒や母材と混合し、異なった組成の合金を形成する。ろうは元々非常に厳しいレベルでその組成が調節されている。この組成を変化させるとまず間違いなく、その新しい組成の合金は弱いものとなる。やむをえず、ろう付け部を溶接する場合は溶接だけで十分強度が確保できるように補修する。
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疲労破壊しやすい箇所(ノーマルフォークの場合)

溶接などの熱処理を加えた箇所には、冷却後に残留応力が生じる。残留応力を持つ材料表面は表面力学的に不安定であり、優先的に腐食が進む。応力腐食割れと呼ばれ、ここから割れを生じることが多い。よって、フレームの場合も同様にいえるが、熱処理を施した箇所で塗装がはがれている時は見つけ次第錆を取り除き、塗装し、酸化などの腐食から保護する。

(2001.12.21 30期・松田)

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最終更新:2006年09月01日 15:01