フェアなやり方

 皆さんなぜ募金されたかと申しますと、余命数ヶ月という事情に同情しレシピエントさん達の命を助けたい一念からでしょう。帰国後の将来における治療費なんかじゃなくて、1分1秒を争う今この時、命の一瞬にみんな懸けたんです。

 海外移植手術しか助かる道がないという大義名分があればこそ、短期間に何億円もの善意が集まったんだと想います。ですから、帰国後の治療費はまた別物です。ケアのための治療費が必要ならば、またその分の募金をやればイイ事です。それをごっちゃにするからどんぶり勘定だと批判されるのでしょう。

 1千万円程度の余剰金なら解りますが、目標額の2倍近い募金を集めその半分の余剰金が残るなんてちょっと異常でしょう。なぜ目標額を達成と同時に募金の受付を停止しなかったのか――。中には帰国後の治療費に充てたいという親御さん達もいらっしゃいます。でも、余命数ヶ月といわれたから募金したんだという方も大勢いらっしゃいます。

 募金した方からしますと、なんか騙された感じがします。詐欺とまではいわないまでも、募金の目的を明確化しませんと要らぬ誤解が生じます。それを防ぐためには全部一緒にせず、海外移植用とメンテナンス用とに募金を分けた方がイイのではないでしょうか。

 募金活動が当初の難病の患者さん達を助けようという精神から、なんかお金だけいっぱい集めればイイだろう的なイベント化お祭り化してしまっている気がします。「あんな呼び込みのハッピに何百万もかける必要があるのか。その分募金にまわせるでしょう」というご批判もありました。今は世間の目が厳しいです。自らの行動と言動を厳しく律していかないと、募金してくれる方達がいなくなってしまいます。

 余剰金を贈るのが嫌なら、せめて無利子で患者さん達の募金が集まるまで他の困っている患者さん達に貸してあげてほしいです。中には積極的に他の患者さん達への寄付や支援団体ヘの返金をする救う会もあります。

 りゅうすけ君を救う会では、4年経った今でも故人の遺志を継ぎ、表裏なく正直にデポジットの返還金も含め収支報告が公開されていて、募金のほとんどを困っているレシピエントさん達ヘ惜しみなく分け与えていらっしゃいます。本当に徹底していて、これは中々出来ない事です。

 それはとてもフェアなやり方で、今後の余剰金の使い方のお手本となるものだと思います。他の救う会から寄付され援けられた患者さん達も多いはずです。今度は自分の番。これも援け合いです。

 「情けは人の為ならず」「お金は天下の回りもの」と申します。自分だけが助かればイイのではなく、同じ難病と闘う仲間として、みんなが助かって元気になっていってほしいです。それが募金して戴いたみんなの願いだと想います。どうかみんなの善意を無駄にしないでほしい・・・。自分や我が子の命を大切にするのと同じように、他人の命も大切にしてほしいのです。

最終更新:2006年10月02日 18:44