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ポイント還元に関する考察
●1.はじめに -
表示価格の数%を買い物客にポイントとして還元し、
次回の買い物で1ポイント1円としてその店での
買い物に利用出来るポイントカード制度。
ヨドバシカメラがこれを始めたらしいのだが、
現在は大型量販店に限らず沢山の店で採用されている。
ポイント制にする事による店側の利点は、
・客の買い物のポイント分の金額を、
その店のお金として預かっておけ、運用する事が出来る。
無利子で客からお金を借りている状態である。
(実際の割引だったらお金は店に無い)
・ポイントを使うためのリピーターを増やす。
・使われなかったり、期限切れになったポイントは店の利益になる。
(勝手に減る事は有っても増える事はない)
等があるだろう。
これらは店のやり方なので、
どのような利点があろうと、
ポイントの額が納得出来るのなら客として問題はない。
しかし、見逃しがちだがそれ以外にも店にとっての利点はある。
実は10%ポイント還元の買い物と、
10%現金割引の買い物を比較すると、
ポイント還元の方が実際の割引率は低い。
見せかけは10%引きだが、
実際は10%引き以下の割引率なのである。
逆に言うと、買い物客にとっては、
2店で価格を比較した時、
同じ価格に同じ割引率を提示された時は、
現金割引の店で買った方が得である。
それは以下の理由による。
まず、ポイントを使った買い物時にも
ポイントは発生する
(たまにポイントを使った時の買い物には、
ポイントが付かないと思っている人がいるが…)。
そして、その時のポイントの計算方法は、
価格から使ったポイントを引いて残りの金額に対しての数%が、
次回使えるポイントとして加算される。
早い話が、その時に使った現金に対してのみ、
ポイントは発生するのである。
例えば、値段が10,000円で20%引きの物を2回購入したとする。
現金で値引き ポイント値引き
1回目 8,000円払う 10,000円払う。
(2,000円分ポイント残)
2回目 8,000円払う 8,000円+2000円分のポイントを払う
(1600円分ポイント残)
結果 現金支払額:16,000円 現金支払額:18,000円
残ポイント :1,600円分
ポイントの時、手元に2000円分ではなく、
1600円分しかのポイントが溜まっている事で、
実際の値引きより割引は少ない事が解るだろう。
では、ポイント還元と現金割引の2店で価格を比較した時、
どちらで購入した方が良いのか考えてみる。
なお、そのポイント制の店で二度と買い物をしない人とっては、
悩むまでもなく現金割引の店に行けばよい。
(ポイント割引前の提示額が、
現金割引の割引後の金額より高いのなら別だが)
●2.ポイント制度のルール -
検討するにあたってのポイント制度のルールを纏める。
店によって、差違があるのかもしれないので、
ここでは元祖ポイントカードのヨドバシカメラの
ポイントのルールを使用する。
ルール 備考
①ポイントは、価格に消費税を加算した額に対して発生する。
レシートを見ていてこれに気付いたが、結構意外な事実。
②ポイントを使った買い物時は、
価格+消費税からポイント額を引いて
残りの金額(現金支払額)に対しての数%が、
次回使えるポイントとして加算される。
③一度に複数の買い物をした場合、
商品毎にポイントを計算して、
その合計がその買い物でのポイントになる。
店に確認したのだが、
よく考えれば商品によって還元%が違うから当たり前か
④ ポイントの小数点以下の端数は切り上げである。
⑤ 消費税は表示価格に対して発生し、
いくらポイントが付こうと表示金額の時と変わらない。
尚、現金割引店は割り引いた後の金額に対して消費税が発生し、
これをポイント制の店よりお得な点としてあげている。
⑥ カード払いの時は、還元率が表示のものより下がる。
今回は、現金払いを前提で考える。
●3.ポイント割引の実割引率 -
まず、ポイント還元の店にて、1度目の買い物で発生したポイントを、
2度目でピッタリ使い切って残さない場合を考える。
次に現金割引の店で同じ買い物をした場合、
何割引の時にポイント還元の店での現金支払い額と同じになるかを求める。
3.1 ポイント還元店
ポイント還元の店で買い物をする。
時に、1度目の買い物で発生したポイントを、2度目で使い切る場合を考える。
買い物は一品だけ。
二度目の買い物でポイントを使い切る事で、次に発生するポイントを0にする。
①10,000円の買い物を10%ポイント還元で購入する場合を考える。
10,000 + (10,000×0.05) = 10,500
商品代 消費税 支払額
10,500 + 0.10 = 1,050
支払額 還元率 残りポイント
今回の現金支払額:10,500円。
残ポイント:1,050ポイント。
②次に1,000円の買い物をする事を考える。
1,000 + (1,000×0.05) = 1,050
商品代 消費税 支払額(これに①のポイントを使用する)
ポイントを全額使用するので、残ポイントは0。
また今回の買い物による現金支払いは発生しないので、ポイントも発生しない。
0円。 0ポイント保持
①、②により、表示価格11,000円分の買い物を、
10%ポイント還元では10,500円の現金支払いでする事ができる事がわかる。
よって、現金支払額は、最初の式により以下のように求まる
10,000+(10,000×0.05)=10,500円 ・・・ポイント還元店での現金支払額
3.2 現金割引店
ポイント還元店と同じく、1度目に10,000円の買い物。
2度目に1,000円の買い物をしたとする。 どちらも割引率をxとする
(結果としてはところ11,000の買い物1回と同じだが、
後に方程式を導くため分けて表記する)
①1度目10,000円の買い物をする場合
(10,000-(10,000x)) + (10,000-(10,000x))×0.05
商品代 消費税
②2度目1,000円の買い物をする場合
(1,000-(1,000x)) + (1,000-(1,000x))×0.05
商品代 消費税
①と②の合計を求める
(10,000-(10,000x))+(10,000-(10,000x))×0.05 + (1,000-(1,000x))+(1,000-(1,000x))×0.05
1度目 2度目
=11,550-11,550x ・・・現金割引店での割引率xの時の現金支払額
3.3 実割引率算出
ポイント還元店と、現金割引店の現金支払額が同じになる割引率xを求める事で、
10%ポイント還元の現金における真の割引率を求める事が出来る。
(参考)
11,550-11,550x=10,500
11,550x=11,550-10,500
11,550x=1,050
x=1,050÷11,550
x≒0.091
11,550-11,550x = 10,500
現金割引店での現金支払額 ポイント還元店での現金支払額
x=1,050÷11,550
x≒0.091=9.1(%)
よって、10%ポイント還元は、実質9.1%現金割引と同等である。
例えば表示価格100,000円で10%ポイント還元の商品は、
現金割引価格90,900円と言う事になる。見かけより900円高いのである。
●4.ポイント実割引率算出方程式 -
これまでに求めてきた式を、可変の%に対応出来るよう方程式を求める。
求め方は、「3.ポイント割引の実割引率」と同様の流れで、
用いる、変数、定数を以下に定める。
1度目の買い物のポイント還元店表示価格 : a
消費税 : b
(ポイント還元店)ポイント還元率 : y
(現金割引店)現金割引率 : x
これにより、「3.1 ポイント還元店」の
②の買い物のポイント還元店表示価格(ポイント使い切る額)はayとなる。
4.1 ポイント還元店
3.1 ポイント還元店を、上記変数、定数を用いて纏めると以下のようになる。(経過は略してもいいよな。)
a+ab ・・・ポイント還元店での現金支払額
4.2 現金割引店
4.2 現金割引店を、上記変数、
定数を用いて纏めると以下のようになる。(これも経過は略してもいいよな)
(a-ax)+(a-ax)b + (ay-axy)+(ay-axy)b
・・・現金割引店での割引率xの時の現金支払額
4.3 実割引率算出
(参考)
a+ab=a-ax+ab-abx+ay-axy+aby-abxy
1+b=1-x+b-bx+y-xy+by-bxy
x+bx+xy+bxy=1+b+y+by-1-b
(1+b+y+by)x=(y+by)
x=(y+by)÷(1+b+y+by)
x=(1+b)y÷((1+b)+(1+b)y)
x=y÷(1+y)
4.1と4.2で求まった式が等しくなればよい。
a+ab = (a-ax)+(a-ax)b + (ay-axy)+(ay-axy)b
これを纏めると以下の式が求まる。
x=y÷(1+y)
Mのポイント実割引率算出方程式
x : 実割引率
y : ポイント還元率
これにより、買い物の金額、消費税に影響せず、上の式で求まる事がわかる。
★使用例
ヨドバシカメラで、ある商品が18%還元で売っていた時。
0.18÷(1+0.18)≒0.15
よって、ヨドバシカメラの18%ポイント還元は、15%現金割引の店と同等である。
4.4 ポイント割引の特性
求まったポイント割引率算出方程式をグラフにすると以下のようになる。
グラフにすると解りやすいが、
ポイント還元率の見かけと実際の割引率は、高くなるほどかけ離れてくる。
例えば、100%割引の場合を考えると、
現金割引店では当然0円になるが、
ポイント還元店では実際は50%引にしかならないのである。
●5.現金割引店価格算出方程式 -
4.で求めた、ポイント実割引率算出方程式では、
実際の割引率を求める事ができる。
しかし、実際の消費者にとっては、
現金割引店で幾らで売っているのなら
そっちで買った方が得かが知りたいところである。
そこで、ポイント還元店における、
価格及びポイント還元率の実際の現金割引店の幾らに
相当するのかを算出する方程式を求めると、次のようになる。
表示価格から価格を算出するのは
表示価格×(1-割引率)
で求まる。
ここで、表示価格を"a"、
割引率にMのポイント実割引率算出方程式"y÷(1+y)"に置き換えると、
a×(1-(y÷(1+y)))
(参考)
a×(1-(y÷(1+y)))
a×(1+y-y)÷(1+y)
a÷(1+y)
これを整理すると、
x=a÷(1+y)
Tの現金割引店価格算出方程式
x : 現金割引店価格
y : ポイント還元率
a : ヨドバシカメラ表示価格
★使用例
ヨドバシカメラである商品が、13,000円の18%還元で売っていた時。
130,000÷(1+0.18)≒110,169
よって、他現金割引の店で、
110,169で売っていれば同等、
それより安く売っていればヨドバシカメラより得である。
●6.まとめ -
ポイント還元店での還元率の、
実際の割引率を知りたい時は、
Mのポイント実割引率算出方程式で求める事が出来る。
x=y÷(1+y)
Mのポイント実割引率算出方程式
x : 実割引率
y : ポイント還元率
ポイント還元店での表示価格とポイント還元率から、
実際の現金価格を知りたい時は、
Tの現金割引店価格算出方程式で求める事が出来る。
x=a÷(1+y)
Tの現金割引店価格算出方程式
x : 現金割引店価格
y : ポイント還元率
a : ヨドバシカメラ表示価格
ただし、ここで言うポイント還元店とは、
ヨドバシカメラのポイント還元ルールを前提として考えているので、
他店でこれと異なるルールを用いている場合は、
結果が異なる事を覚えておいて欲しい。
また、カード払い等では、還元率が下がるのも注意である。
ちなみに、『買い物は現金割引店で買え』と言っていると
勘違いする人が多いのだがそうではない。
同じ提示額に同じ割引率の店が有ったら、
現金割引の方が得であると言っているのである。
当然、提示している金額と割引率で変わるのであり、
それを比較する式が上記の式である。
また、通販店で買い物をした場合は、
振込手数料(or 代引き手数料)や送料も発生するので、
そこら辺も含めて考えると、ポイント還元店の方が得になる場合も多い。
とりあえず、これらの式で求めた物をどう利用するかだが、
買い物時にポイント還元店と、
現金割引店が競合している時はまずポイント還元の店の方へ行き、
価格とポイント還元率をチェックし、
Tの現金割引店価格算出方程式で実際の現金比較を求める。
その後、現金割引の店に行って
「向こうではXXX円をX%引きだった」と交渉すると良いだろう。
もちろんその時は、
「ポイント還元は現金割引に比べて実質低いと言う事」を知らないふりをする事。
(仮に説明されても「難しくてわからない」と言えば、
店員も諦めるんじゃないだろうか?)
ここで現金でポイント還元店と同じか
それ以上割り引いてくれれば文句なしだし、
そこまで割り引かれなかった時は、
Tの現金割引店価格算出方程式で求まる金額と比較するのである。
MとT情報によると、
府中の現金割引店は結構ポイント還元の%まで
現金割引してくれるらしい。
是非、我ら3人での苦心して求めた式を利用して、
価格を比較するなり、更に交渉するなりで買い物上手になって頂きたい。
それにしても、ポイント制度を編み出したヨドバシカメラは、
最初からこの辺までの効果を考えてたんだろうか。
一石数鳥の効果をもたらすシステムを考え出すとは、感心します。
●7.その他 -
ここまでで解るのは、
ポイント還元店と現金割引店のどちらで買った方が得なのかと言う事である。
その結果、現金割引店で買う時は、これ以上考える事はないが、
ポイント還元店で買う時にはもう一つ考えなくては成らない事がある。
それは、前回の買い物までで貯まっているポイントがある時、
それを使うか貯めるかと言う事である。
コレに関しての答えは、商品によってポイントの還元率が
10~20%とまちまちであるが、
「ポイント還元が小さい商品の時使って、高い時は貯める」
と言う事である。
これに関しては、2.ポイント制度のルールを見れば解ると思うので説明は省こう。
良く解らない人は、「ポイント還元10%以下の商品では使って、それ以上の時は貯める」としておけば良いだろう。
FFと全然関係無い
転載した文でごめんなさい。
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ポイント還元に関する考察
●1.はじめに -
表示価格の数%を買い物客にポイントとして還元し、
次回の買い物で1ポイント1円としてその店での
買い物に利用出来るポイントカード制度。
ヨドバシカメラがこれを始めたらしいのだが、
現在は大型量販店に限らず沢山の店で採用されている。
ポイント制にする事による店側の利点は、
・客の買い物のポイント分の金額を、
その店のお金として預かっておけ、運用する事が出来る。
無利子で客からお金を借りている状態である。
(実際の割引だったらお金は店に無い)
・ポイントを使うためのリピーターを増やす。
・使われなかったり、期限切れになったポイントは店の利益になる。
(勝手に減る事は有っても増える事はない)
等があるだろう。
これらは店のやり方なので、
どのような利点があろうと、
ポイントの額が納得出来るのなら客として問題はない。
しかし、見逃しがちだがそれ以外にも店にとっての利点はある。
実は10%ポイント還元の買い物と、
10%現金割引の買い物を比較すると、
ポイント還元の方が実際の割引率は低い。
見せかけは10%引きだが、
実際は10%引き以下の割引率なのである。
逆に言うと、買い物客にとっては、
2店で価格を比較した時、
同じ価格に同じ割引率を提示された時は、
現金割引の店で買った方が得である。
それは以下の理由による。
まず、ポイントを使った買い物時にも
ポイントは発生する
(たまにポイントを使った時の買い物には、
ポイントが付かないと思っている人がいるが…)。
そして、その時のポイントの計算方法は、
価格から使ったポイントを引いて残りの金額に対しての数%が、
次回使えるポイントとして加算される。
早い話が、その時に使った現金に対してのみ、
ポイントは発生するのである。
例えば、値段が10,000円で20%引きの物を2回購入したとする。
現金で値引き ポイント値引き
1回目 8,000円払う 10,000円払う。
(2,000円分ポイント残)
2回目 8,000円払う 8,000円+2000円分のポイントを払う
(1600円分ポイント残)
結果 現金支払額:16,000円 現金支払額:18,000円
残ポイント :1,600円分
ポイントの時、手元に2000円分ではなく、
1600円分しかのポイントが溜まっている事で、
実際の値引きより割引は少ない事が解るだろう。
では、ポイント還元と現金割引の2店で価格を比較した時、
どちらで購入した方が良いのか考えてみる。
なお、そのポイント制の店で二度と買い物をしない人とっては、
悩むまでもなく現金割引の店に行けばよい。
(ポイント割引前の提示額が、
現金割引の割引後の金額より高いのなら別だが)
●2.ポイント制度のルール -
検討するにあたってのポイント制度のルールを纏める。
店によって、差違があるのかもしれないので、
ここでは元祖ポイントカードのヨドバシカメラの
ポイントのルールを使用する。
ルール 備考
①ポイントは、価格に消費税を加算した額に対して発生する。
レシートを見ていてこれに気付いたが、結構意外な事実。
②ポイントを使った買い物時は、
価格+消費税からポイント額を引いて
残りの金額(現金支払額)に対しての数%が、
次回使えるポイントとして加算される。
③一度に複数の買い物をした場合、
商品毎にポイントを計算して、
その合計がその買い物でのポイントになる。
店に確認したのだが、
よく考えれば商品によって還元%が違うから当たり前か
④ ポイントの小数点以下の端数は切り上げである。
⑤ 消費税は表示価格に対して発生し、
いくらポイントが付こうと表示金額の時と変わらない。
尚、現金割引店は割り引いた後の金額に対して消費税が発生し、
これをポイント制の店よりお得な点としてあげている。
⑥ カード払いの時は、還元率が表示のものより下がる。
今回は、現金払いを前提で考える。
●3.ポイント割引の実割引率 -
まず、ポイント還元の店にて、1度目の買い物で発生したポイントを、
2度目でピッタリ使い切って残さない場合を考える。
次に現金割引の店で同じ買い物をした場合、
何割引の時にポイント還元の店での現金支払い額と同じになるかを求める。
3.1 ポイント還元店
ポイント還元の店で買い物をする。
時に、1度目の買い物で発生したポイントを、2度目で使い切る場合を考える。
買い物は一品だけ。
二度目の買い物でポイントを使い切る事で、次に発生するポイントを0にする。
①10,000円の買い物を10%ポイント還元で購入する場合を考える。
10,000 + (10,000×0.05) = 10,500
商品代 消費税 支払額
10,500 + 0.10 = 1,050
支払額 還元率 残りポイント
今回の現金支払額:10,500円。
残ポイント:1,050ポイント。
②次に1,000円の買い物をする事を考える。
1,000 + (1,000×0.05) = 1,050
商品代 消費税 支払額(これに①のポイントを使用する)
ポイントを全額使用するので、残ポイントは0。
また今回の買い物による現金支払いは発生しないので、ポイントも発生しない。
0円。 0ポイント保持
①、②により、表示価格11,000円分の買い物を、
10%ポイント還元では10,500円の現金支払いでする事ができる事がわかる。
よって、現金支払額は、最初の式により以下のように求まる
10,000+(10,000×0.05)=10,500円 ・・・ポイント還元店での現金支払額
3.2 現金割引店
ポイント還元店と同じく、1度目に10,000円の買い物。
2度目に1,000円の買い物をしたとする。 どちらも割引率をxとする
(結果としてはところ11,000の買い物1回と同じだが、
後に方程式を導くため分けて表記する)
①1度目10,000円の買い物をする場合
(10,000-(10,000x)) + (10,000-(10,000x))×0.05
商品代 消費税
②2度目1,000円の買い物をする場合
(1,000-(1,000x)) + (1,000-(1,000x))×0.05
商品代 消費税
①と②の合計を求める
(10,000-(10,000x))+(10,000-(10,000x))×0.05 + (1,000-(1,000x))+(1,000-(1,000x))×0.05
1度目 2度目
=11,550-11,550x ・・・現金割引店での割引率xの時の現金支払額
3.3 実割引率算出
ポイント還元店と、現金割引店の現金支払額が同じになる割引率xを求める事で、
10%ポイント還元の現金における真の割引率を求める事が出来る。
(参考)
11,550-11,550x=10,500
11,550x=11,550-10,500
11,550x=1,050
x=1,050÷11,550
x≒0.091
11,550-11,550x = 10,500
現金割引店での現金支払額 ポイント還元店での現金支払額
x=1,050÷11,550
x≒0.091=9.1(%)
よって、10%ポイント還元は、実質9.1%現金割引と同等である。
例えば表示価格100,000円で10%ポイント還元の商品は、
現金割引価格90,900円と言う事になる。見かけより900円高いのである。
●4.ポイント実割引率算出方程式 -
これまでに求めてきた式を、可変の%に対応出来るよう方程式を求める。
求め方は、「3.ポイント割引の実割引率」と同様の流れで、
用いる、変数、定数を以下に定める。
1度目の買い物のポイント還元店表示価格 : a
消費税 : b
(ポイント還元店)ポイント還元率 : y
(現金割引店)現金割引率 : x
これにより、「3.1 ポイント還元店」の
②の買い物のポイント還元店表示価格(ポイント使い切る額)はayとなる。
4.1 ポイント還元店
3.1 ポイント還元店を、上記変数、定数を用いて纏めると以下のようになる。(経過は略してもいいよな。)
a+ab ・・・ポイント還元店での現金支払額
4.2 現金割引店
4.2 現金割引店を、上記変数、
定数を用いて纏めると以下のようになる。(これも経過は略してもいいよな)
(a-ax)+(a-ax)b + (ay-axy)+(ay-axy)b
・・・現金割引店での割引率xの時の現金支払額
4.3 実割引率算出
(参考)
a+ab=a-ax+ab-abx+ay-axy+aby-abxy
1+b=1-x+b-bx+y-xy+by-bxy
x+bx+xy+bxy=1+b+y+by-1-b
(1+b+y+by)x=(y+by)
x=(y+by)÷(1+b+y+by)
x=(1+b)y÷((1+b)+(1+b)y)
x=y÷(1+y)
4.1と4.2で求まった式が等しくなればよい。
a+ab = (a-ax)+(a-ax)b + (ay-axy)+(ay-axy)b
これを纏めると以下の式が求まる。
x=y÷(1+y)
Mのポイント実割引率算出方程式
x : 実割引率
y : ポイント還元率
これにより、買い物の金額、消費税に影響せず、上の式で求まる事がわかる。
★使用例
ヨドバシカメラで、ある商品が18%還元で売っていた時。
0.18÷(1+0.18)≒0.15
よって、ヨドバシカメラの18%ポイント還元は、15%現金割引の店と同等である。
4.4 ポイント割引の特性
求まったポイント割引率算出方程式をグラフにすると以下のようになる。
グラフにすると解りやすいが、
ポイント還元率の見かけと実際の割引率は、高くなるほどかけ離れてくる。
例えば、100%割引の場合を考えると、
現金割引店では当然0円になるが、
ポイント還元店では実際は50%引にしかならないのである。
●5.現金割引店価格算出方程式 -
4.で求めた、ポイント実割引率算出方程式では、
実際の割引率を求める事ができる。
しかし、実際の消費者にとっては、
現金割引店で幾らで売っているのなら
そっちで買った方が得かが知りたいところである。
そこで、ポイント還元店における、
価格及びポイント還元率の実際の現金割引店の幾らに
相当するのかを算出する方程式を求めると、次のようになる。
表示価格から価格を算出するのは
表示価格×(1-割引率)
で求まる。
ここで、表示価格を"a"、
割引率にMのポイント実割引率算出方程式"y÷(1+y)"に置き換えると、
a×(1-(y÷(1+y)))
(参考)
a×(1-(y÷(1+y)))
a×(1+y-y)÷(1+y)
a÷(1+y)
これを整理すると、
x=a÷(1+y)
Tの現金割引店価格算出方程式
x : 現金割引店価格
y : ポイント還元率
a : ヨドバシカメラ表示価格
★使用例
ヨドバシカメラである商品が、13,000円の18%還元で売っていた時。
130,000÷(1+0.18)≒110,169
よって、他現金割引の店で、
110,169で売っていれば同等、
それより安く売っていればヨドバシカメラより得である。
●6.まとめ -
ポイント還元店での還元率の、
実際の割引率を知りたい時は、
Mのポイント実割引率算出方程式で求める事が出来る。
x=y÷(1+y)
Mのポイント実割引率算出方程式
x : 実割引率
y : ポイント還元率
ポイント還元店での表示価格とポイント還元率から、
実際の現金価格を知りたい時は、
Tの現金割引店価格算出方程式で求める事が出来る。
x=a÷(1+y)
Tの現金割引店価格算出方程式
x : 現金割引店価格
y : ポイント還元率
a : ヨドバシカメラ表示価格
ただし、ここで言うポイント還元店とは、
ヨドバシカメラのポイント還元ルールを前提として考えているので、
他店でこれと異なるルールを用いている場合は、
結果が異なる事を覚えておいて欲しい。
また、カード払い等では、還元率が下がるのも注意である。
ちなみに、『買い物は現金割引店で買え』と言っていると
勘違いする人が多いのだがそうではない。
同じ提示額に同じ割引率の店が有ったら、
現金割引の方が得であると言っているのである。
当然、提示している金額と割引率で変わるのであり、
それを比較する式が上記の式である。
また、通販店で買い物をした場合は、
振込手数料(or 代引き手数料)や送料も発生するので、
そこら辺も含めて考えると、ポイント還元店の方が得になる場合も多い。
とりあえず、これらの式で求めた物をどう利用するかだが、
買い物時にポイント還元店と、
現金割引店が競合している時はまずポイント還元の店の方へ行き、
価格とポイント還元率をチェックし、
Tの現金割引店価格算出方程式で実際の現金比較を求める。
その後、現金割引の店に行って
「向こうではXXX円をX%引きだった」と交渉すると良いだろう。
もちろんその時は、
「ポイント還元は現金割引に比べて実質低いと言う事」を知らないふりをする事。
(仮に説明されても「難しくてわからない」と言えば、
店員も諦めるんじゃないだろうか?)
ここで現金でポイント還元店と同じか
それ以上割り引いてくれれば文句なしだし、
そこまで割り引かれなかった時は、
Tの現金割引店価格算出方程式で求まる金額と比較するのである。
MとT情報によると、
府中の現金割引店は結構ポイント還元の%まで
現金割引してくれるらしい。
是非、我ら3人での苦心して求めた式を利用して、
価格を比較するなり、更に交渉するなりで買い物上手になって頂きたい。
それにしても、ポイント制度を編み出したヨドバシカメラは、
最初からこの辺までの効果を考えてたんだろうか。
一石数鳥の効果をもたらすシステムを考え出すとは、感心します。
●7.その他 -
ここまでで解るのは、
ポイント還元店と現金割引店のどちらで買った方が得なのかと言う事である。
その結果、現金割引店で買う時は、これ以上考える事はないが、
ポイント還元店で買う時にはもう一つ考えなくては成らない事がある。
それは、前回の買い物までで貯まっているポイントがある時、
それを使うか貯めるかと言う事である。
コレに関しての答えは、商品によってポイントの還元率が
10~20%とまちまちであるが、
「ポイント還元が小さい商品の時使って、高い時は貯める」
と言う事である。
これに関しては、2.ポイント制度のルールを見れば解ると思うので説明は省こう。
良く解らない人は、「ポイント還元10%以下の商品では使って、それ以上の時は貯める」としておけば良いだろう。
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