ブラックパール号北へ編


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土曜日午前12時40分、ブラック・パール号船内
「ってわけだ・・・そいつに言われてこの世界に来たんだ」ジャックはイスに座ったまま苦笑いしている。
「その人を信じたの?本当に財宝は『北』にあるの?」エリザベスは首を傾げる。
「北・・・どうやって行く?ブラックパールは陸に上がった魚だ、このままじゃここから動けない」
「ウィルこの船はここに置いて行くしかない、俺達の目的はあの玉だ、あれを手に入れてここに帰ってくる」
「珍しいなブラックパールを置いて行くなんて・・・」ウィルの顔には驚きと戸惑いが浮かんだ。
「仕方が無いだろう、本当なら海に出るはずだったんだ、そのまま船で行けたが」
「確かにこれだけ大きい船を人の力で運ぶのは不可能だ・・・別の手を使うしかないのか・・・」
「ウィル、ジャック何とかならないの?この船を置いていくのは私も少し・・・」

「心配要らないよ」ブラックパールの船室に突如黒いフードを被った少年らしき者が姿を現した。
「誰だ!ウィル!エリザベス!・・・船を壊すなよ」ジャックはそう言いながら剣を抜く、ウィルとエリザベスも同様に素早く剣を抜いた。
「落ち着いてよ・・・僕は味方なんだからさ、キャプテンジャック・スパロウ」
「・・・ちゃんと分かっているじゃないか!悪い奴じゃない、そう俺はキャプテンだ」
「ネギ・スプリングフィールド、桜咲刹那、近衛木乃香、神楽坂明日菜この4人を明日、船に乗せるんだそうすれば僕がこの船を海まで運んであげる」
「本当に?」ジャックは剣を構えながらも興味有り気に聞いた。
「もちろん!その4人がこの船に乗っていればいい、時間は明日の午後5時までそれまでにネギ達を乗せてくれ、但し一人でも指定のメンバーが書けたらこの話は無かった事に」
「分かったいいだろう、約束だ」ジャックはそう言うと剣を納めた。
「じゃあまた明日・・・」少年はそう言い残し姿を消した。

土曜日午前8時30分ブラック・パール号船内
「さて皆さん!集まっていただきありがとうございます」ジャックは深々と頭を下げた。
「なぁ・・・・・・本当に信用できるのか?その・・・あ~ガキは」ジョンは訝しげな表情でジャックを見る。
「大丈夫だ!宝は必ず有る!そして船もお嬢さん達のお陰で動く、お分かり?」
「何で私達がこの船に乗るんですか?それに・・・なんだか嫌な予感が・・・」刹那は若干焦っている。

船内にはネギ、木乃香、刹那、明日菜、ジョン、ジャック、ウィル、エリザベスそして・・・
「なんで私達もアルか?」「たしかに・・・何で付いていかなくちゃならないんだ?」
「二人とも・・・面白そうだからいいではないか、北海道に行くとは聞いていなかったでござるが・・・」
何故かクー、楓、龍宮も同乗していた「お嬢さん方は強い・・・らしい?じゃないか、だからさ」
「何で強い人間が必要なんでござるか?よほどの危険があるのでござるか?」楓は冷静に聞いた。
「そうだ!世の中危険がいっぱいだ!それにこの規模の船を動かすにはそれなりの人数がいる」

「つまりそれなりに腕っ節の立つ奴じゃないと船を動かせないんだ、操舵はジャックがするにしても
 マストの上げ下ろしやマストの方向調節、それに速度を出すならオールを出して漕がないといけない」ウィルは丁寧に理由を説明した。
「北海道なら飛行機で行けばいいアル」珍しくまともな事を言うクー。
「いや飛行機だと武器が持ち込めない、つまり不利になるんだろう」ジョンは微笑した。
「よく分かっているなジョン、そうだかなり不利になる、この船が唯一の選択肢だ」ジャックもジョンに微笑み返す

「何で武器が・・・本当に宝が欲しくて北海道に行くんですか?」ネギは首を傾げる。
「この中の誰かが必要なんだろう?連中にとってはな」ジョンはジャックに微笑みかける。
「はぁ、そうだ・・・この中の明日菜、ネギ、木乃香、刹那この四人を船に乗せている事がこの船を動かす最低条件らしい」
「ジャックさん!?あたし達を騙そうとしましたね!・・・ってジョンさんなんでそんな事知ってるんですか!?」明日菜は驚きの声を上げる。
「俺も同じ話を持ちかけられたんでな、うまく同乗させてもらったわけだ」
「ジョンさん・・・騙しましたね?」刹那は剣に手を掛ける。
「だったらどうする・・・俺も地獄行きは御免なんでな、ここに居てもらう」
「お断りします、どうしてもここから出す気がないなら・・・」刹那は剣を素早く抜いた。
「ここに居ろ・・・外はどの道危険だ・・・」ジョンは静かに呟く。

「よく分かっているね、ジョン・コンスタンティン、外は危険がいっぱいだ」
黒いフードの少年が突如船室に姿を現した「よう約束は果たした」ジャックは剣を抜く。
「何のまね?」少年の声は明るいものであった「早く船を海に連れて行ってもらおうか」ジャックは少年を剣で指した。
「ジャック船長・・・怖いな、今すぐやるよ・・・・・・」ラテン語で呪文を唱える少年。
「!?(凄い魔力だ!この人一体・・・)」ネギはあまりの力に驚愕していた。
「・・・・・・終わったよじゃあ」少年はそう言うと突然姿を消した、そしてその直後物凄い衝撃と着水音が船内に響いた。
全員があまりの衝撃で倒れこむ、しかしジャックはすぐに立ち上がり船室と甲板を繋ぐドアを開けた。
日差しが船内に差し込む、そしてそれと同時に「・・・海だ!!!!」ジャックの目の前には広い海が広がっていた。

「メア・ウィルガ!」ブラックパール号の甲板でネギはラテン語の呪文を叫ぶ。
「どれぐらい掛かるんだ、杖が着くまでには?」ジョンはネギの隣に立った。
「ジョンさん!この魔法知ってるんですか?やっぱり魔法使いなんですか?」
「いやラテン語で『杖よ』って言ったろ?俺もラテン語の意味ぐらいは分かる、悪魔を祓う時にはラテン語で呪文を唱える必要があるしな」
「そうなんですか、知らなかったな・・・あっ!杖が着くまでの時間でしたよね・・・やっぱり2時間は掛かると思います」
「2時間か・・・気長に待つとするか、そうだお前には必要ないかも知れんが持っていろ」ジョンはネギに向かってアンプルを投げる。
ネギはアンプルを受け取ると中身を覗き込む「?これは水ですか?・・・なんだろう不思議な感じがする、守られてるみたいだ」
「そいつは聖水だ、それを持っていれば下級な悪魔なら近付いてこなくなる、お守りみたいなもんだ」
「ありがとうございます!」満面の笑みを浮かべるネギ。

「浮かれちゃって・・・なんか親子みたい」明日菜はネギとジョンを見て微笑んでいた。
「そうですね、ネギ先生にはお父さんが居ないんですもんね・・・嬉しいんだろうな」刹那は寂しげな表情を浮かべる。
「刹那さん?どうしたの?」明日菜は刹那の顔を心配そうに覗き込んだ「・・・なんでも有りません」刹那は首を横に振った。

甲板に有る船長用の操舵場所にジャックは居た「さて・・・久しぶりの海だ」
ウィルがジャックの隣で剣を研いでいる「いつになったら出るんだ?」
「北に行くには向かい風だ、向きが変わるまでは待つつもりだったが・・・あと1時間それで船を出す。
「みんなに伝えてくるよ」そう言ってウィルは甲板に下りて行った。
「さて・・・どうなるか・・・」ジャックは静かに微笑んだ。

1時間半後

「あっ来ました」ネギが空を指差す「あれがお前の杖か」ジョンは若干驚いていた、まさか本当に来るとはと思っていた。
ネギの杖はかなりのスピードで飛んで来る「よっと」杖をキャッチするネギ。
「そいつは持っていると何かになるのか?」ジョンの質問にネギは「これを使うと魔法が安定するんです」
「そうか意外に面倒だな魔法使いも」ジョンは冷静に言った。
「あはは・・・そうかもしれませんね・・・」ジョンの言葉に苦笑いするネギ。

「結局2時間近く待っちまったな、よーしマストを張れ!!」ジャックの指示が飛ぶ。
甲板に居るウィルとエリザベスがロープを引きマストを張る。
マストを張りながらウィルは叫んだ「ジャック!!風はまだ・・・!追い風になった」
ジャックは満足げな表情を浮かべる「そろそろ頃合いだと思ってな!!よしガキ共!!船の中に入れ邪魔だ!!早くしろ!!もたもたするな!!」
ジャックの指示にネギ達は「はい!!!!船長!!!」と思わず叫んだ。
ネギ達はそのまま走って船室を目指した「ジョン!!」「なんだ!ジャック」ジャックの呼びかけに足を止めるジョン
「ガキのお守は任せたぞ!!」ジョンは笑みを浮かべる「しょうがない!!」ジョンはそう叫ぶと船室に入って行った。
「碇を上げるぞジャック!!」ウィルが甲板で叫ぶ「よし上げろ!!さぁブラック・パール・・・水平線まで連れてけ」ジャックはコンパスを開きながら言った。

ブラックパール号船内
ネギ達は船内でこじんまりとしていた「・・・・・・あっ!」
「どうしました明日菜さん?」ネギは首を傾げながら聞いた。
「あんまりに迫力があって忘れてたけど・・・うまい具合にジャックに乗せられたんじゃない?」
「どういう事ですか・・・・・・あ~!!!!僕達結局船から降りなかった!!」
「しまった!!またやられた!!!!糞・・・三回も騙したな!!!!」刹那の顔から殺気が出ていた。
「(こ・・・怖いでござる!!)ま・・・まぁこれも何かの縁でござろう、共に行くのも悪くないと思うのだが」
「確かに気にはなりますよね・・・じゃあ皆さんさえ良ければこのまま行きますか?」ネギは船内に居る全員に聞いた。
「おう!!」一同の声が船内に木霊する「やれやれ・・・」ジョンは微笑んでいる。

一方ブラック・パール号甲板の甲板では・・・
「風が弱いな・・・ジャックこの距離をこの速度で行っていたら・・・何日も掛かる」ウィルは日本地図を手にしながら言った。
「確かにな・・・どうするか、強い風が起きればな、この船ならあっという間だ」
「どうするの?」エリザベスは不安げな表情を浮かべる「ジャック・・・どうするんだ?」
「・・・ネギ・・・ネギ呼んで来い!!」ジャックはエリザベスを指した。
「ネギって男の子よね・・・分かったわ、すぐに呼んでくる」エリザベスは船室目指して走り出す。
「何をする気だ?」ウィルは訝しげな表情をする「なに・・・魔法の威力を見せてもらうのさ」ジャックはいやらしい笑みを浮かべた。

土曜日午前11時、ブラック・パール号甲板

「あの話って・・・なんですか?」船室から甲板に出てきたネギは恐る恐るジャックに近付く。
「お前魔法が使えるそうじゃないか、ある男から聞いた」ネギの顔が青ざめる「な・・・何の事ですか?」
ジャックは舵を取りつつ微笑む「焦るな、何も悪用しようってんじゃない、ただちょっと風を起して欲しいんだ」
「風・・・ですか?何で僕が風の魔法を得意とする事を知っているんですか?貴方は一体何者です?」
「俺は海賊だ、それ以上でも以下でもない、ただ一つ注意した方がいいのは海賊だから敬遠しない事、しかし信用もしない事」
「どういう意味ですか?・・・僕には意味が分かりません、それに一つも僕の筆問に答えていません」
「質問には答える必要がないから答えない、そして人間関係で大切なのは距離感だ、近付き過ぎても離れ過ぎても駄目だ」

「・・・貴方は一体・・・」「俺からも質問だ」
「何ですか?・・・魔法について聞いても僕は答えませんよ」ネギは強気であった。
「何故付いて来た・・・付いて来る必要は無かった、なのに何故だ?お前達は何故この船に居る?」
「・・・ここだけの話ですが、この船悪魔に狙われていますよ」ネギは微笑む。
「ほう・・・あの時の奴か、でそれを退治でもしてくれるのか?」
「ジョンさんの指示です・・・杖を待つ間に言われました、ここに残った方がいいと、そうした方が僕達も貴方を守りやすいと」
「俺を守るのか?このキャプテン・ジャック・スパロウが子供に守られる?お笑い種だな」
「皮肉を言うのは構わないです・・・だけど僕達は貴方を信用していない・・・正直僕はジョンさんに言われなければここに残るつもりはありませんでした」
「それも自由だな・・・さてお喋りはここまでだ、風を起してもらおうか?」
「分かりました・・・」ネギは渋々杖を構えた。

土曜日午後12時、ブラック・パール号甲板

「気持ち良い!!こんな船でも凄いスピードが出るんだ!!」明日菜は船首で両手を広げ叫んでいた。
船首には他に木乃香と刹那も居た、だがさわやかな顔のしている木乃香とは対照的に刹那は重い表情をしていた。
「早いな・・・(この気配・・・複数居る、この気はなんだ?今までに感じた事が無い不浄の気・・・)」
「気持ちいいな、せっちゃん・・・どうしたん?具合でも悪いの?」神妙な顔をした刹那を心配し木乃香は声をかけた。
「!・・・いえ何でもありません」いかにもな作り笑顔を見せる刹那、それを見て「変なせっちゃん」と木乃香は呟いた。

一方甲板の中心では武道四天王の内刹那を除いた三人がこれまた神妙な顔をしていた。
「この気は・・・感じるか龍宮?」「感じた事のない気だな、まるで人と悪魔を合わせてた様な・・・クーフェイはどう思う?」
「わたしにはよく分からないアルが・・・あまり良い感じはしないネ、これは一体何者アルか?敵アルか?」

楓は遠くを見ていた「わからんでござる・・・ただ注意するに越した事は何でござるな、幸い武器はちゃんと持ち込んであるし」
「いざとなればここで戦闘か・・・ジョンとか言うオッサンとジャック、エリザベスにウィルこの4人をどう守るか・・・」龍宮は一層深刻な顔になった。
「ジャックに関しては汚い手を使ったとは言え刹那を追い詰めている、ジョンは魔法使いらしい、それも凄腕のようでござる、ウィルとエリザベスこの二人もジャックに並ぶ剣の達人らしいでござる」
「戦闘員としては十分すぎるというわけか・・・もしも敵だった場合厄介な事になるな」龍宮は小声で言った。
「そうは言っても一般人のレベルを出てはいないでござる、所詮は普通の人間の強いレベル・・・拙者達なら問題ないでござろう」
「本当にそうだといいがな・・・だが桜咲を追い詰めたジャックには注意が必要だな」龍宮は深刻な表情を浮かべる。
「むしろ注意すべきはジョンかもしれないでござる、あの男まるで考えが読み取れない・・・まるで心を闇で覆っているかのようでござる」
「奴の名は聞いた事がある・・・無敵のジョン・コンスタンティン、西では最強の悪魔祓い師」龍宮は微笑した。
「ジョン・コンスタンティン・・・何を企んでいるでござるか?」そう言うと楓も微笑んだ。

「せっちゃん!タイタニックやらへん?」神妙な面持ちの刹那にいきなりタイタニックを要求する木乃香。
「タ・・・タイタニックって・・・あの・・・あれですか?こう・・・」
「うん!あの両手広げて抱き合うシーン良かったやん!!」木乃香は目を輝かせている。
「そうですね・・・(あれ途中まで(開始から10分)しか見てないんだよな・・・イマイチ覚えていないし・・・)」
「・・・分からへんの?せっちゃん、もしかして見た事ないの?」木乃香の表情は少し落胆していた。
「いえ!!見ました見ました!!あのあれですよね!!えーと・・・(分かんない・・・)」刹那は思い出そうとして唸っている。

そんな刹那を船首の先に押し出す木乃香「ちょっと・・・このちゃん?」
「両手広げてせっちゃん」「はい・・・こうですか?」言われたとおり両手を広げる刹那。
そして両手を広げる刹那を優しく包むように抱きしめる木乃香「こ・・・このちゃん?」刹那の顔は既に真っ赤になっている。
「(あたしはお邪魔ね♪)」静かにその場を後にする明日菜。
「・・・せっちゃん・・・この後どうなるか知ってる?」刹那の耳元で囁く木乃香。
「!・・・い・・・いえ、知りません」もはや刹那の顔はトマトの様に真っ赤になっていた。
「この後・・・二人はキス・・・するんよ」「キ・・・キ・・・キ・・・キ・・・キス?」刹那は息を呑んだ。

「(・・・キス・・・そこまで再現するのか・・・いやいや!!わたしは何を想像しているんだ!!)」
「どないしたん?せっちゃん」木乃香はきょとんとした表情を浮かべる。
「いえ!な、なんでもありません!(どうしよう・・・・・・・そうだ!!)ね・・・ネギ先生の所へ行ってみませんか?ほらちょっと心配ですし」
「・・・?うちは構へんよ、ほな行こか」木乃香は熱い抱擁から刹那を開放するとすぐに手を取りネギの居るメインマストまで走り出した。

一方その頃ブラック・パール号船内
「・・・なんだこの気配は・・・ハーフ・ブリードか?」ジョンはブラック・パール号の牢屋のある部屋に居た。
「あんたは地獄に落ちる・・・絶対にな、ふふふふ」不気味が声が船室に木霊する。
「なに笑ってやがる、お前一つ聞きたいんだがここに人間は居なかったか?」
「人間など知らん、貴様の勘違いだろう・・・それとも俺がその人間を食ったとでも言う気か?」悪魔の姿は全く見えない、声だけが響いている。
「いや・・・血の匂いがしない、それに人間を食らうほど落ちたハーブ・ブリードが俺の監視役によこされるなんて事はない」
「そういやガキが2人居たな・・・けどよジョンいいのか?この船、敵さんに狙われているぜ」

「お前の仲間か?それとも別の奴か?お前は今どこに付いている?一体どれだけの勢力がこの計画に乗っているんだ」
「ジョン、どこまで知っている?この計画について・・・いいだろう、明日までには片を付けなければならない、さもなくば我等悪魔の世が消え失せる」
「そりゃうれしいね、これでお前達の尻拭をしなくても済む』ジョンは姿の見えない相手に皮肉った。
「人間も終わりだ、この地上も終わり、天国も地獄と化す・・・悪魔でさえ地獄と感じる世界が訪れる」
「何なんだ!お前達で無いなら誰がこの作戦を指揮している!!フードのあの男は誰だ!!」
「誰も口にしてはいけない・・・誰も口にしてはいけない・・・お終い・・・皆死ぬ・・・殺される・・・あの人の名前は・・・北に行けば分かる」

「何を恐れている?お前達悪魔が恐れるのはなんだ!!」ジョンは姿の見えない相手に叫ぶ。
「ネギ・スプリングフィールド、ヘルマンと戦い勝利した少年・・・彼でも『闇の君主』には勝てない」
「『闇の君主』?・・・誰だ?そいつはお前達の側ではないのか?一体何のつもりだ?この計画の本質も分からない」
「ただ単に地上を支配するだけだ・・・もはや人間の手に負える事態ではない・・・皆死ぬ」
「地上の支配?なぜ神は止めない?神ではなくともお前達のボスがそれを許すのか?あのルシファーがそれを許したのか?」
「ルシファーも神も敵わぬ・・・ただ一人奴に勝てる者も北の地で行方を眩ませた・・・」
「ただ一人勝てる者?それは誰だ?神をも凌駕するのかそいつは?神を超えた者が居るのか?」
「そうだ・・・あの『闇の君主』に敵うのはただ2人、1人は剣を抜いた者、その資格を手にする、もう一人は神」
「剣?・・・それが時代を超える宝か?それとも武器か?」ジョン訝しげな表情を浮かべる。

「『青鈍色の剣』・・・『神器』・・・『門』・・・『太陽』・・・」不気味な声は何の関連性も無い単語を羅列した。
「『太陽』?『門』・・・『神器』?何の話だ?それが何の関係がある?」
「人間が勝つために必要な物・・・それがあれば人は勝てるかもしれない・・・」
「何の事だ?・・・お前達天界の奴等が人間に何故これ程の情報をよこす?それほどまでに神も恐怖しているのか?」
「そう『闇の君主』に勝てる神は一人だけ・・・その昔太陽の力で人々を闇から救った最強の神」
「最強の神?誰だそいつは?答えろ・・・黙ってないで答えろこの糞野朗!!」
それを最後に声は聞こえなくなった。

「敵船補足、76ミリ速射砲、12,7ミリ機関砲、間もなく射程内、ミサイルロック完了です」ハイテク装備に囲まれた船室で男の声が木霊する。
「よしそのままの距離を保て・・・帆船にしては早いな振り切られる事は無いだろうが注意しろ」あのフードの男が船室で指示をする。
「大佐宜しいので?あの船には桜咲刹那が乗っておりますが・・・」船室の多数の男の内一人がフードの男に聞く。
「敵に渡すぐらいなら殺してくれるわ、いいか敵は所詮木造船、速射砲の一撃で沈む、こちらは特殊合金の装甲に最新鋭の迎撃装置だ、だが油断はするな」
「大佐、油断も何も10秒頂ければあの船を海の藻屑に出来ます!!」装備担当の船員が叫ぶ。
「いくら時代遅れとはいえ大砲の直撃を受ければ此方とて無傷とは行くまい・・・それに向こうには魔法使いが居る常識は通用しない、あくまで捕獲目的である事を忘れるな」
「はっ!!」船内の男達が一斉に敬礼する「よし行くぞ推力最大!!メインマストをへし折ってやる!!」

ブラック・パール号
「・・・!!な・・・なんだありゃあ!!!!デカイ・・・しかも鉄で出来ている!!!!」ジャックは望遠鏡から見える船の姿に驚愕していた。
「あれは・・・最新鋭の駆逐艦!!何でこんな木造船相手にあんな物が!?」龍宮も双眼鏡を覗きただただ唖然としていた。
「不味いでござるな・・・もしも戦闘目的で来ているのならこの船だと一分持てば良い方でござるな・・・」さすがの楓も冷や汗を流していた。
「あの戦艦に何百年も前の大砲が効くとは思えないしな・・・」刹那は木乃香を船室に入れ龍宮達の隣に居た。
「任せてください!!いざとなれば僕の魔法で!!」ネギは杖を構え刹那たちに歩み寄った。
「ネギ先生無理だ・・・あれは恐らく特株合金製の装甲・・・下手な魔法では歯が立たない」龍宮の額には冷や汗が滲んでいる。
「そんな・・・でもやってみなければわかりません!!」ネギは覚悟を決めている様だった。
「まだあちらの目的が戦闘だとは限らないが・・・もしもそうだとしたら・・・勝ち目は無い」龍宮は苦し紛れの微笑をした。

「76ミリ速射砲!発射用意!」大佐の指示が船員に飛ぶ。
「目標敵船メインマスト、76ミリ速射砲装填完了、いつでも撃てます」一人の船員が叫ぶ。
「よーし撃『ドーーーン!!!!!!』!?なんだ!!」突如船内に激しい爆音と衝撃が響いた。
船内に緊急警報が木霊する、そして船室は一気に非常灯の明かりで真っ赤に染まっていった。
「大佐!!機関室にば・・・化物が!!ああ!!こっちに来る!!撃て!!撃て!!」突如無線連絡の声が船室に木霊した。
「早い!!当たらない・・・来るな・・・来るな!!あああああああああああ!!!!!!」
「くそ!!!!大佐援護を!!援護を!!この化物がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!うわぁぁぁよせ!!あぁぁぁぁ!!!!」
「死にたくない!!わぁぁぁぁぁ!!!!助けてくれぇ!!大佐あぁぁぁぁぁ!!!!よせぇぇぇぇぇぇ!!!!」
「くそ!!大佐援護をください!!とんでもない奴だ・・・来るな・・・来るなよ・・・あっちへ!・・・うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!殺される!!殺される!!助けっ!ぐわぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
大佐は無線機を取る「何があった!?どうしたんだ!?」「・・・・・・」無線機からの応答は無い。

「大佐こちら弾薬庫!!今の警報と爆発音は!?・・・?なんだお前は?おい来るな、来るな」弾薬庫からの無線が入る。
「どうした?・・・こいつはなんだ?・・・!?あ・・・あ・・・あ・・・くそ!!大佐ああああああああ!!!!」
「くそ!!!!うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!・・・『ザーーーーーー』」その言葉を最後に無線が途絶えた。
「・・・探せ!!!仲間を殺した糞野朗を探してぶっ殺せ!!!!」大佐はそう叫ぶと無線機を握り潰した。
「了解!!全乗組員に告ぐ!!現在この駆逐艦内に正体不明の敵による襲撃あり!!全員フル装備で警戒に当たれ!!これは訓練ではない!!繰り返すこれは訓練ではない!!」船員の一人が無線機越しに指示を出す。
「いいか!!不審者を見つけたら指示を待つ必要は無い!!その場で撃ち殺せ!!」大佐の指示が警戒警報の鳴る船室に響いた。

ブラック・パール号甲板
「どうしたんだ?いきなり爆発するなんて」ジャックは望遠鏡で船の様子を見ていた。
「妙だな、あの規模の駆逐艦で爆発事故とは・・・何があった」龍宮も双眼鏡を覗いている。
「とにかく逃げましょう、ジャックさん!風を起すので舵の方よろしくお願いします」
「分かった頼んだぞネギ!さて全速前進(・・・連中何があった?北には何があるんだ?)」ジャックは思考を巡らせながら舵に手を掛ける。
やがて強い風がマストに当たる、ネギの魔法による風はブラック・パール号を力強く押して行った。

30分ほど船が進むともうあの駆逐艦はブラック・パール号からは見えなくなっていた。
ジャックは地図を見ながら舵を取っていた「このペースだと明朝までに着けばいい方か・・・腹減ったな」
「・・・・・・」甲板ではネギが遠くを見ながら黙り込んでいた「どうしたんネギ君?」木乃香は心配してネギに声をかける。
「いえ、あの戦艦の人たち大丈夫だったかなって・・・結構凄い爆発でしたから・・・」ネギはその場に座り込み俯いてしまった。
「ネギ君・・・きっと大丈夫やみんな・・・重い怪我はしたかも知れへんけど、死んだ人は居ないと思うで」微妙な慰め方をする木乃香。
「・・・・・・・・・・・・そ・・・そうですね」微妙な慰めにネギは苦笑いを浮かべた。

ブラック・パール号船内
「どうなる・・・北か・・・何が待っているのか『闇の君主』・・・一体何者だ?」ジョンは船長用の船室で椅子に座りながら『闇の君主』について考えていた。
「何をしているんだ、コンスタンティン」ジョンが思想に耽っているといきなり龍宮が船長室に入ってきた。
「お前か・・・何か用か?」「あんたはアメリカでは最強の悪魔祓い師らしいじゃないか」龍宮はジョンに歩み寄る。
「それがどうかしたか?何故俺の名前なんて知っている?ひょっとしてオカルトマニアか?」
「ジョン・コンスタンティン、最強の悪魔祓い師にして無敵のジョン・コンスタンティンの二つ名を持つ男、そんな男がなぜ日本に?」
「知りたいか?」ジョンは微笑むと椅子から立ち上がリ龍宮に歩み寄った。

「な・・・なんだ?コンスタンティン」龍宮は思わず後ずさりした。
「知っているか?こんな言葉があるんだよ『人は誰でも、多い少ないかは別にして、ある一点で狂っている』」
「なんだそれは?」龍宮は思わず首を傾げた。

「人間はな皆狂っている皆だ、だがそれに気付かない、人間はそれに気付こうとしない何故か?
 それに気付くと自分が異常だと認識しなければならない、だから防衛本能の一つとして自分の異常さを認識しようとはしないんだ
 人は皆異常であり狂っている、俺もお前もだ、だが本当に自分の異常さに気付かない者も居る
 こいつ等は自分を正常と認識、周りを異常と判断する、それは言わば一つの答えであり現実逃避だ、それを答えと思い込む
 そいつ等が後の天才や犯罪者だ、いいか歴史に名を残す芸術家と狂人は紙一重だ、英雄と殺人鬼も紙一重だ
 その違いは唯一つそいつを取り巻く環境だ、環境がそいつの異常さを異常と捕らえるか才能として捕らえるかだけだ
 あの有名なジャック・ザ・リッパー、あいつもあの殺人行為を戦場で行ってみろ一気に英雄だ、後の世代まで語り継がれる
 だがそれを普通の人間に行った、奴の環境は戦場ではなく日常だった、だから異常者として語り伝えられてきた
 分かるかお前も異常だ、身体中に銃器を隠している、それはお前の不安であり恐れ異常さの現われだ、お前も異常だ
 ネギも異常だ、そして俺も異常者だ、こんなわけの分からない物使って悪魔祓い?笑えるよな、笑いたきゃ笑え
 どうした笑えよ?そうさお前は俺を笑う事が出来ない、何故か?お前も俺に等しい異常者だからだ
 俺達は皆狂っている、そしてそれに気付かずに、いや気付いても気付かない振りをして生きている、それが人間の真実であり本質だ」

龍宮はジョンの言葉を聴き唖然としていた「・・・・・・異常か・・・私はそうかもしれない、でもネギ先生は違う」
「どう違う言ってみな?お前も俺もネギも刹那も木乃香もジャックも・・・ジャックは普通に見ても異常だな・・・」
「そうかもしれないけど・・だけど皆に好かれる異常もあるんじゃないか?・・・よく分からないな」龍宮は微笑む。
「・・・そうかもな・・・お前の言いたい事は分かる・・・だけどな大人の世界はこんなもんだ」ジョンは微笑しながら呟いた。 

「・・・俺はいつからこんな事をするようになったんだ?海賊か・・・」ジャックは舵を取りながら遠くを見つめていた。
「あのジャックさん・・・」刹那が一段下の甲板からジャックに歩み寄ってきた。
「ジャックでいい、どうした?俺の事は嫌いなんだろう?今すぐでも殺してやりたいはずだ」
「いえ・・・・・・貴方にはいろいろ教わった気がします、私はお嬢様を守っているつもりでした」
「そうか・・・つもりねぇ・・・今はどうなんだ?何でそんな事を俺に言うんだ?」
「私は命を捨ててもお嬢様を守る気でいました・・・だけど気付いたんです、私が死んでしまったらもうお嬢様を守れない、生きているからこそお嬢様を守る事ができる」

「自分の命も大切にって事か・・・いいんじゃないか?だけどな・・・人間なんてのは裏切り上等だ」
「裏切り・・・上等ですか?・・・裏切られた事があったんですか?」
「ああ・・・仲間に裏切られて・・・無人島に置き去りにされた・・・3日間酒だけ飲み、死を待つ生活」
「・・・・・・そんな事があったんですか?・・・でもウィルやエリザベスと言う素敵な仲間が居るじゃないですか」
「悪いがもう誰も信用していない、あいつ等の事も・・・俺はもう裏切られるのはごめんだ」
「ジャック・・・・・・私は絶対裏切りません!!貴方の事を裏切りません!!ネギ先生も明日菜さんもこのちゃんも皆裏切りません!!」
「・・・・・・そうか・・・ありがたいな・・・・・・刹那ありがとう」ジャックは笑みを浮かべた。

「はい!そういえばいつ頃北海道には着く予定なんですか?」刹那はジャックに聞いた。
「そうだな・・・このペースだと明日の朝になるか・・・」
「そうですか・・・何かやれる事があったら言ってください」
「ああ・・・とりあえずあいつ等と遊んでいろ、今は大丈夫だ」ジャックは微笑んでいた。
ツールボックス

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