第十二話


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「……ん。………朝…か?」
刹那は目を覚ました。最初はいつもと違う風景で驚いたが、自分は今仮想空間の中に居る事を思い出した。
とりあえず顔を洗おうと部屋を出るとすずがご飯の準備をしていた。

「おはようございます。」
「おはようございます。相当疲れてたんですね。随分寝てましたよ?」
「え?そうですか?…今何時くらいですか?」
「ん~?今昼過ぎたくらいですかね?」
「え!?そんな馬鹿な…!」

急いで外に出て太陽を見ると日が少し西に傾いていた。夏休み中の学生ならこんな事当たり前なのだが…、
(しまった。朝の修行ができなかった…。)
刹那の一日は朝の修行から始まるのだが、今日は出来なかった。真面目な彼女にとってはかなりのショックだ。
(とりあえず今からでも修ぎょ…)

―――ぐぎゅるるる~~

「………。」
「ふふふ、ご飯にしますか?」
「……はい。」
人間空腹には勝てないのである。刹那はかなり遅めの朝ごはん、と言うより昼ごはんをご馳走になった。

「ふ~、ご馳走様でした。すごく美味しかったですよ。」
「はい、ありがとうございます。」
(さて、ご飯も食べたし…。修行に行こう。)
そう思い外に出ると見覚えのある人物が立っていた。

「あ!堂島さん。こんにちは。」
「おお、刹那か。実はお前に話したい事があるんだ。」
「話したい事…ですか?」
「ああ、重要な事だ。…立ち話もなんだ。店に入ろう。」

もともとの恐い顔が一層険しくなる。それを見てただ事じゃない事を悟った刹那は大人しく聞くことにした。
「どうぞ。」
すずが二人分のお茶を出した。堂島はそれを一口飲むと語り始めた。
「今の六骨峠の状況は理解しているか?」

「はい、大体の事は…。」
「そうか、なら話は早い。…実は黒生家と赤玉党が争っているのは訳がある。」
(そう言えば知床さんが赤玉党が絡んでくるとかいってたなぁ…。)
「赤玉党にこの六骨峠を支配しろと進めている奴がいる。そのせいで両者が争っているんだ。」

「……その者とは?」
堂島は深く息を吐くと少し強めの口調で喋った。
「…その男の名は『日向』!」
「…彼は一体何故そんな事を?」

「奴は昔、京の町で暗躍していた忍者だ。…政府の手先としてな。俺も何度か奴と戦りあった事がある。」
「……すずさん、この人は一体何者?」
「さあ…鍛治屋を営んでる事しか…。」
「俺の事はどうでもいい!!」

一応小声で聞いたのだが堂島に聞こえてしまい怒られてしまった。
「もし日向を倒せばこの辺もしばらくは落ち着くだろう。刹那!手伝ってくれ!」
堂島は立ち上がり、真剣な眼差しで刹那を見た。
「いいでしょう。この町のためになるなら手伝いましょう!」

自分の目に狂いはなかった。そう思い少し嬉しくなる堂島だった。
「よし!奴は政府と繋ぎをつける為橋に向ってるはずだ。今から行くぞ!」
「はい!」
二人は急ぎ橋に向った。

「所で堂島さんの武器は?見たところ刀を持ってないようですし…。」
「ああ、俺の武器はこれだ。」
そう言って自分の腰を指差した。腰には刀を鍛えるトンカチの様な工具があった。それを見て刹那は思った。
(……ある意味凶器だ。)

「見えたぞ!!」
そうこうしてる内に橋が見えてきた。二人が橋を渡ろうとしたその時…!
「…ッ!!敵!?忍者!!」
橋の真ん中くらいに差し掛かった時に複数の忍者に囲まれた。そして神社方面の道から一人の男がやって来た。

「久しぶりだな…、日向。」
遂に現れた日向。奴を倒せば六骨峠も平和になる。そう信じて刀を抜く刹那。
しかし二人は知らない。既に別の魔の手が近づいている事を…。


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