第七話


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宿場に戻ると妙な格好した男がうろついている。
(もうこれ以上面倒なのには関わりたくない!)
男が後ろを向いた瞬間を狙って動いた。極めて目立たず、静かに、そして迅速に。
だがこれはゲームの中。そんな努力は無意味だった。もっとも刹那はゲームとは気付いてないのだが・・・。

「ん?おい、そこのお前。」
(な!?奴は後ろに目があるのか!?)
そんな事考えるうちに男が近づいてきた。一見すると小悪党の下っ端、簡単に言えば小物面。しかし刹那か衝撃の事実を知る。
「貴様、何者だ?」
「“貴様”だとぉ?俺は警官だぞ?天下の『井ノ頭茂吉』だぞ?口の利き方に気をつけろ。」
(警官!?こんな胡散臭い男が!?)

「さて、廃刀令出ているこの時期に帯刀するのは立派な犯罪だ。だが俺様はとても優しい。罰金さえ払えば見逃してもいい。」
「い、いくらですか・・・?」
「ん~、そうだな。二十円くらいかなぁ?」
「な、そんな大金おかしいでしょう!?」
憎たらしい笑みで理不尽極まりない要求をする井ノ頭に流石に怒った刹那。
「ヒィッ!き、貴様!警官に怒鳴るとは・・・。次職質中に何かしたら死刑だぞ!」

「す、すいません。」
「ったく・・・。そうだなぁ、金を払えないなら・・・。」
今度はいやらしい目つきで刹那を舐めるように見始める井ノ頭。正直気持ち悪い・・・。
「体で払って貰おうか・・・。」
井ノ頭が刹那の肩に手を乗せるが、あまりの気持ち悪さについ手が出てしまった。
刹那は井ノ頭の手を払い除けそのまま右ストレートを浴びせた。

「ヒギュゥ!」
綺麗に顔面に入り盛大に吹っ飛ぶ井ノ頭。その姿は非常に情けない・・・。
「ハァハァ・・・ハッ!しまったつい・・・!」
「き、貴様ぁ!俺様をコケにしやがってぇ!死刑だ、死刑だ!!」
完全に頭に血が上っている。井ノ頭は腰から拳銃を抜くと容赦なく発砲してきた。
だが神鳴流に飛び道具は効かない。すぐさま夕凪を抜くとすべて防いだ。それを見て驚愕の色を隠せない井ノ頭。
「私に飛び道具は効きません。ですからその銃を下ろしてください。」
「ぐっ、ぬむむむ!嘗めやがって・・・!『ホセ』!ホセエェェェ!!」

「ぬ う ぅ ぅ ぅ あ あ あ あ あ ぁ ぁ ぁ ぁ ! ! ! ! !」

突然の叫び声。声の方向を見ると屋根の上に男がいた。男は屋根から飛び降りると井ノ頭に近づいた。
(で、でかい!!本当に人間か!?)
2mは軽く越す身長、手首足首に手錠を着け、上半身裸。二人揃って更に怪しさが増した。
「ホセ!二人でこいつを倒すぞ!」
「うおおおい!!」
「私は危害を加えるつもりはありません!ですからすぐに立ち去ってください!」
「うもぉ?おら帰っていいだか?」
「バカ!帰っちゃ駄目だ!」

どうやら頭は弱いみたいだ。しかし油断はできない。二人掛りで一人は拳銃。もう一人は良くわからない金属棒。
しかも見るからにパワータイプ、加えて夕凪も刃こぼれを起こし、いつ折れてもおかしくなかった。
(この状況を打破する方法は唯一つ!大将を狙う!)
一直線に井ノ頭に向おうとした瞬間、目の前に金属棒が迫っていた。咄嗟に上体を反らして紙一重でかわした。

しかしホセの攻撃の風圧だけで体がよろめき、そのまま倒れてしまった。
(なんてパワーだ!こんな攻撃受けたら刀所か骨まで折れるぞ!やはり人間技じゃない!!)
考えてるとこに次の攻撃がきた。ホセは大きく振りかぶっている。
(でも所詮パワーだけ!!スピードなら・・・!!)
刹那はホセの攻撃を受け流した。攻撃はそのまま地面に当たり激しい砂埃が巻き起こる。
「あのバカ!これじゃ何も見えん・・・!どこだ!出てこ・・・」

――コキッ

「へ?」
乾いた音と共に右腕に違和感が走る。恐る恐る見ると腕があらぬ方向に曲がっていた。
やがて自分に何が起きたのか理解すると激しい痛みが襲ってきた。
「ひいぃぃぃぃ!う、腕があぁぁぁ!」
「スピードなら私の方が上です。さあ、降参してください。」
「く、くそぉぉ!退くぞ、ホセ!」
「うおおいっす!」
「この鬼!悪魔!どうせおまえ何か今に死んじまうんだ!」
なんとも低レベルな捨て台詞。最後まで情けない男だった。
(ちょっとやりすぎたかな?でもすぐ治るように折ったし大丈夫か。)
改めて鍛治屋を目指す刹那。もう日は沈みかけている。闇が近づくと共に刹那にも次なる試練が近づく・・・。


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