第六話「海東のお宝探索ぶらり旅」


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 第六話「海東のお宝探索ぶらり旅」

修学旅行3日目、旅館のロビーで3-Aの生徒達は、昨晩のネギ先生くちびる争奪戦の優勝者宮崎のどかの元に集まっていた。
「へえー、これが豪華賞品かー。」
「あー!見して見してー!」
まき絵や裕奈たちにせがまれ困った顔をするのどか、その手には自身の絵が描かれたカードが握られていた。

「ふーん、あれが豪華賞品ね……。」
その光景を士は遠くから見ていた、そんな彼の元に亜子が寄ってくる。
「先生、本屋ちゃんのカードが気になるんですか?」
「まあな、ほら、俺もカードとかで変身するから……。」
「ああ、なるほど。」
亜子は士と初めて出会った日、士がライドカードでディケイドやファイズに変身したことを思い出した。
「せんせー!!」
ドイーン
「うお!?」
その時、のどかの元にいた裕奈が士に飛びついてきた。
「な、なんだよいきなり……?」
「先生今日の自由行動の時間ヒマ?よかったら私達の班と一緒にUSJ行こー!!」
「は?ちょっと……。」
士は返事をしようとしたが、その前に裕奈にズルズルと引きずられていった。
「あ!ちょっと待ってえな!」
その後を亜子は慌てて追いかけていった……。
「お、俺の意見を聞けー!」

その数時間後、京都市内……そこで海東はまだ見ぬ未知のお宝を求めて彷徨っていた。
「ふんふーん♪お宝どこかなー?昨日の少年君はどこかなー?」
海東は昨日の晩、王蛇と互角に戦っていたネギが持っていた杖を狙っていた。
「しかし……世界は複数あるとはいえ、この世界は特異だな……あの少年君の力は一体?」

「よろしければお答え致しましょうかー?いい意味でー?」
「いい意味でだみゃー♪」
「!?何者だ!?」
どこからか発せられた声に海東はとっさに身構える、するとそこには……。
「イクサ!爆現!」
新撰組ルックに身を包んだイクサが肩にモツとしちみを載せたまま木刀を構えていた。
「…………もどれ。」
「あ!まだあそこのダンゴ屋に行ってな……アッー!」
ディエンドライバーを向けられたイクサはそのまま法被を残して消えてしまった。
「ほっ!」ムチッ
「よっ!」モチッ
モツとしちみはそのまま地面に着地し、海東に向き合った。
「君達は自販機の中にいた……何者だい?見たところ僕の知っている怪人ではなさそうだが?」
「もちろんだみゃー、しちみ達はしちみ達なんだみゃー。」
「まあ、ここの物語の“案内人”だと思ってください海東大樹さん、いい意味でー。」
「僕の名前を……?」
海東はなぜあの二匹のナマモノが自分のフルネームを知っているのか気になったが、その前にあることを思いついた。
「君達……もしやあの少年君の力の事、なにか知っているのかい?」
「力……ネギさんのことですかー?いい意味でー?」
「どっちでもいいんだよ……知っているのかいないのかはっきりしてくれたまえ。」
「せっかちな人だー、ふむ、それなら……我々に付いて来て下さいー、いい意味でー。」
「みゃみゃー♪」
「お!お宝がある場所に案内してくれるのかい?」
そういって二匹と一人はあるところに向かって歩き出した。

「ここは……。」
海東は二匹に連れられてとある古びた神社にやって来ていた。
「ここにどんなお宝が……って!」
海東が振り向くと、そこにはもうモツ達の姿はなかった。
「もしかして……騙されたか?」
途方に暮れる海東、するとそこに、分厚い本を抱えた黒い短めのポニーテールの少女がやってきた。
「あれ? 貴方は?」
「おや、だれかと思えば士の生徒じゃないか、僕の名前は海東大樹、君の名前は……古本屋だっけ?」
「古本屋じゃないです~! 本屋です~! じゃなくて! 宮崎のどかです~!」
「はいはい……ところでこんな所でなにしてんの?他の子は?」
「え、えと……ネギ先生とアスナさんがいなくなって……それでこの神社に入って行くのを見て……。」
「ネギ……あの少年君のことか。」
すると海東は悪い事を思いついたかのようににやりと笑った。
「よし……じゃあ僕が一緒に探してあげるよ。」
「え? え? でも……。」
「大丈夫大丈夫! これでも僕は士の友達なんだ、さあいこう。」
「へ? ちょっと? みゃあああー……!?」
そして海東はのどかを引きずって神社の鳥居が立ち並ぶ入り口に入っていった……。
しばらく進むと、道の真ん中に“立ち入り禁止”の札が立てられていた。
「あれー? 立ち入り禁止……他を探さないと。」
「何いってんの? お宝が向こうにあるかもしれないのに引くわけにはいかないじゃないか。」
そう行って海東は札の向こうへと進もうとした。
「あ! ちょっと……!」

助けてー!

「……?」
そのとき、のどかは何処からかネギ達の声が聞こえてきたような気がしていた。
「?どうかしたの?」
「いえ、実は……。」
ポウッ……
「?」
するとのどかの持っていた本から小さな光が発せられ、彼女は不思議に思いその本のページを捲ってみた。
するとそこには、ネギとアスナが何かから逃げまどう姿が描かれていた。
(また……これって今のネギ先生の気持ちー…?た…た、大変っ!)
「ん?なんだいその本?」
本を開いて驚いている様子ののどかを見て、不思議に思った海東は彼女の本を覗き込む。
「なんだこれ……?へったくそな絵だ。」
「あ、アナタ失礼です!はっ!こうしちゃいられない!」
そう言ってのどかは立ち入り禁止の札を無視し、奥の方へ駆け出した。
「……あの本、お宝の匂いがぷんぷんするな。」

海東と共に奥へと進んでいたのどかは、再び不思議な本を開く、そこには大きな蜘蛛と対峙するネギ達が描かれていた。
「あああ!? 何だか凄いのが出てきてさらに大変なことにー!?」
「なんだこりゃ? 魔化魍に似ているけど……。」
「わ、私にもよく……まかもう?」
「ああ、気にしないでくれたまえ、それにしても不思議な本だねー、君の物?」
「は、はい! えと、よくわからないんですけど、昨日貰ったカードに“アデアット”って唱えたらコレに……。」
「ふーん、不思議な本だね……僕にくれ。」
「えええええ!? なんで!?」
「世界中のお宝は僕の物なのさ、いいからつべこべ言わずによこしたまえ。」
「だ、ダメです~! コレはネギ先生の~!」
そんなやり取りをしていたせいか、二人は背後で壮絶なバトルが切り広げられている事に気付かなかった。

「ホレホレ!どないしたんや!?」
「うわー!!」
「こんのー!当たりなさいよー!」

「ん?今なんか通りすぎた?」
「さ、さあ……?」

そのまま、海東はのどかから本を奪う行為を一旦やめて頭の中で思考を巡らせる。

(しかし……昨日のネギとかいう子の力といい、この子の本といい、この世界にはライダーとは別の力が存在しているようだ、まるで……。)

「ああ、海東さん士先生とお知り合いっていうの本当なんですね。」
「は?」
海東はのどかが本の力を使って自分の素性を調べている事に気付く。
「へぇー、お兄さんがいるんですかー。」
「な、なにしているんだお前!?」
海東は慌ててのどかから本を取り上げようとする、その時。
「見っけたでー!ってあら?」
草陰から黒いボサボサ髪の犬耳を付けた10才ぐらいの少年が飛び出してきた。
ドイーン☆
「うお!?」
「うぎゃ!」
その少年はそのまま海東と衝突してしまい、二人で地面に倒れこんだ。
「だ、大丈夫ですか大樹さん!?」
「いてて……いったいなんなんだよ……?」
「ああ!わざとやない!スマン!人違いや!ありゃ?良く見るとさっきのゲーセンのお姉ちゃんやんか。」
「あ、あなたはあの時の……。」
「それはいいから!さっさとどきたまえ!わんこ君!」
「わんこ!?俺は犬神小太郎ゆうんや!」
地面に転がりながらぎゃーぎゃー言い争う二人を見ながら、のどかはある事に気付いた。
(あ!この子本に出てきたネギ先生と戦っていた強い男の子ですー!!どどどどうしようー!)

一方立ち上がった小太郎は、申し訳なさそうにのどかに謝った。
「姉ちゃんこんなところでウロウロしてると危ないでー、今ケンカの真っ最中なんや、ちょっとここから出られへんようになっとるし……あとでこっそり罠解いてこっそりお姉ちゃんだけ出したるわ、それまで大人しく……。」
「おい、なんで僕には謝らないんだ……?」
「うっさいわ!兄ちゃんはここでカラカラに干からびてろ!ほな!」
そう言って小太郎は走って何処かへ行ってしまった。

「イヌガミコタロー君……そんなに悪い子じゃなさそうだったけど……。」
「いや、悪い子だよあいつは。」
「へっ?」
のどかはその時、海東がものすごい不自然な笑顔で怒っていることに気付く。
「昨日は士の生徒にコケにされるしさ……いくら僕でも堪忍袋の尾が切れたって感じだよ……全力で叩き潰す!!!!」
そういって海東は鬼の形相で小太郎が向かった方角へ駆けて行った。
「あ!ちょっとまってください~!」
そしてのどかも、慌てて海東の後を追い掛けていった……。

海東はしばらく進むと、ネギとアスナが小太郎に苦戦を強いられている場面に遭遇した。
「ってきゃははははは!!いやー!なによこの犬―!」
「うおー!はなしやがれー!」

「なんだあれ?犬に弄ばれている……てかあのオコジョ喋ったような?」
ドガガガガガガガ!!!
「ぐぅ!!」
「ははははは!やっぱ西洋魔術師はパートナーがおらんと何も出来ないんやなぁ!」
小太郎の猛攻に成す術もなく怯むネギ、そして彼はそのまま巨大な石があるところまで吹き飛ばされてしまった。
「ガハッ!!」
「ネギ!」
「アニキィ!」
「どおやチビ助!勝ったで!」
小太郎はネギにトドメを刺そうと右手に気を練りこみ、彼に向かって突撃する。
その時、小太郎の足元に一発の銃弾が打ち込まれ、彼は動きを止める。
「!?何者や!?」
銃弾が発せられた方角を向く小太郎、そこには蒼や白などのカラーリングが施された銃……ディエンドライバーを構えた海東が立っていた。
「……!?さっきの兄ちゃん!?」
「え!?ナニあの人!?」
突然見知らぬ男が乱入し困惑するアスナ。
「こまるなあ君……そこの先生が持っている杖はお宝かもしれないんだよ?折れたらどうするんだ?」
「ぼ、僕の杖!?」
「へん!だからどないした!?」
「やれやれ、あの杖の価値がわからないとは……どうやら躾が必要だね。」
そういって海東はディエンドライバーに一枚のカードを装填し、
『カメンライド』
天に向かって引き金を引いた。
「変身。」
『ディッエーンドゥ!!』
すると海東の周りに緑と赤と青の装甲に身を包んだ幻影が現れ、彼に重なっていく、そして頭上にコミック本程の大きさの13枚の青いカードが現れ、彼の頭に刺さっていく。
そして海東は青と黒の装甲に身を包んだ戦士……“仮面ライダーディエンド”に変身した。
「え!?え!?なにあれ!?」
「あれは……!?カメンライダー!?」
ネギは昨晩、鳴滝という男の忠告を思い出した。
「な、なんやねん!?あんたもカブキの兄ちゃんとおなじなんかい!?」
「カブキ……?」
海東は小太郎の口からライダーの名前が出てきて少し驚く、だがすぐに、ディエンドライバーにカードを装填した。
『アタックライド!ブレスト!』
そのままディエンドライバーを小太郎のはるか頭上に向けて引き金を引く。
「へん!どこを狙って……!?」
するとディエンドライバーから放たれた6発の銃弾は弾道をカクンとまげ、小太郎目がけて降り注いだ。
「うわぁ!?何や!?」
小太郎はそれを横っ飛びでかわし、そのまま海東目がけて突進する。
「甘いね。」
『アタックライド!インビジブル!』
小太郎の攻撃が当たる直前、海東はディエンドライバーにカードを装填する、すると彼の姿が消え、小太郎の攻撃は外れてしまう。
「消えた!?どこ行った卑怯者!!」
『戦略といって欲しいね。』
「!!?」
すると小太郎の死角になる所からディエンドが現れ、ディエンドライバーから放たれた銃弾が小太郎を襲う。
「うわぁ!」
足元で起こる爆発、その衝撃で小太郎は鳥居の柱に衝突してしまった。


「す、すごい……!」
「あれも……カメンライダー……。」
海東の戦いぶりを見て関心するネギとアスナ。だがその時。
「へ、へへへへへ……やるやないか兄ちゃん!」
小太郎はダメージを受けながらもむくりと起き上がった。
「まだやるのかい?往生際がわるいねえ。」
「まだや……まだ終わらへん!こっからが……!」
小太郎がそう呟いた瞬間、彼の体は筋肉が膨れ上がった事により一回り大きくなり、頭髪は白くバトルマンガの主人公のようにボサボサに伸び、手足は狼のような鋭い爪が生えていた。
「こっからが本番や!」
「ええ~~~!?ナニよそれ!?」
「獣化!?変身した!?」
「やれやれ、化け物だったのかい。」
やれやれといった感じで、海東はディエンドライバーにカードを装填する。
『カメンライド』
「うっさいわ!これでギッタンギッタンにしたる!」
そして小太郎は目にも止まらぬ速さで海東に拳を繰り出す。
「おっと。」
それを簡単にかわす海東、行き場を失った小太郎のパンチはそのまま地面に直撃し、敷き詰められていた石段が粉々に吹きとんでっしまった。
「不思議な事が多いなこの世界は……不思議な力には超能力で対抗するかな。」
そう言って海東は自分の左脇にディエンドライバーを向け、引き金を引く。
『アギト!!』
ディエンドライバーから放たれた銃弾は金のツノを持つライダー……“仮面ライダーアギト”になり、変身状態の小太郎に襲い掛かってきた。
「な!?お前式神使いかいな!?」
「おいおい、さっき君は僕のことライダーって呼んだじゃないか。」
「はああああ!!」
ディエンドと召還されたアギトは小太郎に肉弾戦を挑む。
「へ!一人じゃ戦えないような弱虫に俺は負けヘん!」
二対一の状況でも小太郎は臆することなく、二体のライダーの攻撃を裁いていく。
「て、手伝います……。」
「ネギ!無茶しちゃダメ!」
怪我を押して海東の援護に向かおうとするネギを、黒犬から開放されたアスナが止める。
「そうだよー♪怪我人は引っ込んでいてくれたまえ、邪魔だから。」
「なっ……!?」
その時、小太郎の重い一撃が海東の腹部に当たり、彼はネギ達の元へ吹き飛ばされてしまう。
「うお!?」
ドコーン!
「のわー!こっち来た!」
「大丈夫ですか!?」
海東が吹き飛ばされた所まで駆けつけるネギ達。
「った~!油断したな~!」
「貴方……まさか仮面ライダーじゃ……。」
「え!?昨日ネギに襲い掛かったって言う!?」
「やいやい!お前等の目的はなんなんだ!?」
「場合によっては斬る!」
「ん……?」
海東はその時、ネギとアスナの他に丸っこくデフォルメされた小さな刹那と、真っ白な体毛に包まれたオコジョが喋っている事に気付く。
「おいおい……カエルと猫の次は妖精とオコジョかよ……ますますお宝の匂いがするな。」
「な、何言って……?」
「そ、それよりあの人大丈夫なんですか!?一人で戦ってますけど!?」
ネギは変身した小太郎に一人で対処しているアギトを心配する。
「うーん、クロックアップ程じゃないけど結構素早いし……動きを見切って一撃を食らわせるしか……。」
その時、
「右です!アギトさん!」
「「「!?」」」
アギトは何者かの指示で、とっさに小太郎の奇襲攻撃を防いだ。
「今のは!?」
一同は声が発せられた方角を見る、そこには本を片手に息を切らしているのどかの姿があった。

「のどかさん!!?」
「ほ、ほほほ本屋ちゃんなんでここに!?」
「えーとあの、それはその……あ!アギトさん右です!」
ネギ達との会話を中断したのどかはアギトに次々と指示をだす。
「上!」
「み、右後ろ回し蹴りだそうです!」
バキン!
「なにぷ!?」
攻撃を次々と読まれ、あまつさえ反撃された小太郎は大きく混乱していた。
(な、何やあの姉ちゃん、一般人化と思っとったら……俺の攻撃が全て読まれとる!?)
「やるじゃない古本屋ちゃん。」
「本屋です!」
ズキッ!
「あ…グ…!」
その時、小太郎から受けたダメージが響いてきていたネギは顔をしかめてしまう。
「やべぇ!兄貴のダメージが大きすぎる!このままやり合うのは危険だぜ!」
「あのっ……カカカモさん。私大体何が起きているか理解しています……とにかくここから出れればいいんですよね!?」
「ああ、そういえばそうだったね。」
「お、おう!そうだけどよ……嬢ちゃんなんで俺っちのことを……?」
するとのどかはアギトと戦っている小太郎に向かって大きな声で質問した。
「あのぉー!小太郎クーン!ここから出るにはどうすればいいんですかー!?」
「!?」
「な、何やて!?アホか姉ちゃん、俺がそんな事言うわけ……ハッ!?」

小太郎が気付いたときにはもう遅かった、なぜならのどかの手元にある本に、ご丁寧にかわいいイラスト付きでここからの脱出方法が記されていた。
「こ、この広場から東へ6番目の鳥居の上と左右三箇所の隠された印を壊せばいいそうです!」
「ふおおおお!!!?」
「なんとお!!?」
「すごい本屋ちゃん!!」
「その本スッゴク欲しい!」

すこし興奮気味な海東はあるカードをディエンドライバーに装填し、
『ファイナルフォームライド!!アアアアギト!!』
アギトの背中に銃口を向ける。
「ちょ!?なに味方を撃とうとしてんのよ!?」
「まあ見てろって。」
アスナに構うことなく、海東は引き金を引いた。
「痛みは一瞬だ。」
「うわっ!?」
背中から銃弾を受けたアギトは背中から尖ったプレートを生やし、そのまま半回転しながら飛び上がって腕を畳み、“アギトトルネイダー”に超絶変形した。
「へ、変形したやと!?」
「うぎゃー!?痛そう!?」
「お先♪」
そう言って海東はアギトトルネイダーに飛び乗り、東へ向かって飛び立っていった。
「俺達も早く!」
「のどかさん!」
ネギは杖に跨りのどかを抱え込んで海東の後を追う。その彼等をアスナ達が並走する。
「待てぇ!」
小太郎はネギ達の後を必死で追いかけるが、スピードが違いすぎて全く追いつけなかった。

「アレだな……。」
先行していた海東はのどかが言っていた鳥居を見つけ、左右三箇所の隠された印にディエンドライバーの銃弾をぶち込む、すると何もない空間にガラスのようにヒビが入った。
それを確認した海東はディエンドライバーにアギトのファイナルアタックライドのカードを装填する。
『ファイナルアタックライド!アアアアギト!!』
するとアギトトルネイダーの両脇に金色の刃が生え、そのまま突進してひび割れた空間を破壊した。
そしてその後を、ネギ達が駆け抜けた。
「脱出―――!!」
「うそ――ん!?」

結界から脱出した直後、チビ刹那が追いかけてくる小太郎に向き合う。
「再度結界を閉じて奴を封じ込めます!無限方処返しの呪!」
「あっ!待てコラ…!」
「ヴァン ウーン タラーク キリーク アク!」
ガコオオン!
するとその場から小太郎の姿が消えてしまった。
「や…やった……。」
安心感からかその場でへたり込むネギ達、そんな彼等の元に変身を解いた海東がやって来た。
「へぇー、君達凄いね、ライダーでもないのにそんな力が使えるなんて……。」
ネギは海東の姿を見ると、すぐさま身構えた。
「ちょ!ネギ!命の恩人になんてことを……!」
アスナの注意に耳を貸すことなく。ネギは海東に言い放った。
「貴方も……あの王蛇とかいう人と同じライダーなんですか?」
「おいおい、あんな雑魚ライダーと一緒にしないでくれたまえ。確かに僕はライダーだよ、君達の先生の門矢士もね。」
「ええ!?門矢先生も!?」
「教えてください……貴方達がこの世界を破壊しようとしているのは本当なのですか?」
ネギの質問に、海東は鼻で笑いながら答えた。
「まあ、彼が世界の破壊者だってことは大体合っている。当の本人は記憶失って本来の目的を忘れているみたいだけどね。」
「…………。」
“なんてことない”といった様子で話す海東を、ネギは神妙な面持ちで見ていた。
「まっ、焦らなくてもいいんじゃない?今は君達の問題を解決する事に専念するんだね。」
そして海東の背後にオーロラが現れ、彼はその中に入っていった。
「今度会った時……君の杖とそこの子の本、僕が頂くから!じゃあね、魔法先生♪」
そして海東はその場から消え去った。
「消えた……一体なんなのあの人?」
「悪い人じゃなさそうですけど……?ネギ先生?」
のどかはネギが深く悩んでいる様子に気付く。
「あ、はい、すいません……とにかくこの場から離れましょう、のどかさんの話も聞きたいですし……。」
「は、はい……。」
そしてネギ達はその場から去って行った…。


そのころ封印された千本鳥居の中では、力を使い切った小太郎が変身を解いて地面に寝転んでいた。
「あかん、無理して変身したはええけど……あのままやっても負けたのは俺の方か……チクショウ……!」
小太郎はネギと海東にしてやられた事を思い出し、悔し涙を流していた。
「おーい、なに泣いてんだ小太郎?」
そこに、山法師のような格好をしたカブキが、小太郎の顔をのぞきこんできた。
「カブキのにいちゃん!?な、泣いてへんわ!」
「へーへー、そうかい。」
カブキはやれやれといった感じで疲れきった小太郎を背負った。
「悪かったな、応援が間に合わなくて……。」
「ふん!あんな奴ら……俺一人で十分や!」
「ったく、強情な奴だ……とにかく千草は今、近衛木乃香本人に直接仕掛けている、それがうまくいかなかったら……今夜総本山に直接しかけるそうだ、だからそれまで休んでいろ。」
「……わかった、そうさせてもらうわ……。」
そして小太郎は今までの疲れと、カブキに背負われているという安心感からか、眠気がどっと押し寄せそのまま眠ってしまった。
「くかー。」
「あーあ、俺もガキには甘いねえ。」

そんな彼等の元に、二つの人影が近寄ってきた。
「……あんたらか。」
「どうじゃ……?“リョウメンスクナノカミ”は蘇りそうかや?」
「まだなんとも言えねぇな、ディケイドもディエンドもいるし。」
「ふん、スクナの儀式が始まればこっちのもんじゃて、お前はせいぜいあの小娘の機嫌でも取っておれ、だがあのフェイトとか言う少年には気を付けろ、奴は得たいが知れない。」
「ああ、解っているよ。」
カブキがそう答えると、その二つの人影は何処かへ消え去っていった。
「さて、俺らも本腰を入れないとな、すべてはあのお方の為に……ってね。」
皮肉っぽく笑いながら、カブキは小太郎を抱えて何処かへ去って行った。
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