Phase 2 「ローゼンメイデン」


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「それで、私の元へときたと言う訳か……」
夕映は人形の出来事についてネギにこっそりと話すが彼にも分からなかった。
そこでエヴァンジェリンなら何か知っているだろうと思い、二人で尋ねてみた。


「それなら知っている。ローゼンメイデンだ」
「ローゼン…メイデン……?」
ネギもその名称は聞いたことなく、きょとんとしてエヴァの目を見る。
素っ気無くだが、意外と素直に応えたエヴァは椅子に腰掛けた状態で魔法を使う。
すると本棚の中にあった本の一冊が宙を舞いエヴァの手に収まる。
それなりの厚さのある本の真ん中あたりを捲って行くと、そこには一枚の写真であった。
「私が知っている限り、記録として残っているのはこれだけだ」
そこに映っている人物は金髪の青年と数行の文章、それだけだった。
「誰です、この人は?」
「そいつはローゼンと言って、その人形たちを創った天才人形師だ」
その後ろを見ると、様々な芸術品と呼べるような人形が見えていた。
写真自体が古いせいもあって分かりづらい。
しかしその精巧に作られた作品は彼女たちを作ってもおかしくないほどの技量であった。
「ローゼンが理想とする『アリス』を探すために創られたのがローゼンメイデンだ」
「アリス……ですか?」
聞きなれない言葉に理解出来る範囲を超えそうなほどになっている夕映。
ネギに至っては状況すら全く読み込めていない様子。
その中に割って入ってくる声があった。
「そう。完璧な少女、アリスを目指すためにお父様に創られたのが私たちなのだわ」

声をした方向へ向くと、赤いケープコートとボンネットを纏った人形が現れた。
人間の背丈よりもはるかに小さなまるで生きているような人形はゆっくりと机に座る。
「紅茶を出して頂戴」
何の抵抗もなく紅茶の要求をする赤い人形はエヴァに平然と言い放つ。
「な、何で貴様ごときに!」
「全く、茶々丸よりも使えないわね」
お嬢様気質であのエヴァに偉そうな態度で命令する人形。
杖で急かすように叩かれるエヴァの頭からは湯気が出そうな状況だ。
「それはそうと…あなたたちは何なの?」
「それはそっちのセリフですよ。君もローゼンメイデン…?」
ネギが尋ねると人形は机の上に立ち、誇らしげに自己紹介をした。
「そうよ、誇り高きローゼンメイデン第5ドール『真紅』よ」
そういい終えると真紅は椅子に腰掛けた。
「それで、ローゼンメイデンについて知りたいのでしょう」
茶々丸が用意した紅茶を飲みながら上品に話す真紅。エヴァは後回しにされていた。

それからいくつか重要なことを話し合った。
契約者のこと選ばれた人をミーディアムと呼ぶこと、そして一番重要なことを真紅は語る。
「アリスゲームよ」
「アリスゲーム?」
ネギと夕映は声を出して言った。
「お父様が目指す完璧な少女、『アリス』を目指すために七体のドールが戦ってローザミスティカを奪い合うの」
真紅の紅茶を飲んでいた口元がほんの少し引きつるようにも見えた。
「すべてのローザミスティカを集めたドールが、完璧な少女『アリス』になれるのだわ」
「つまり、彼女以外にもあと六体のドールがどこかにいて、そいつらと戦わなくてならないということだ」
真紅とエヴァはアリスゲームについて淡々と語った。
そんな中で夕映は自分の心に芽生えた疑念をぶつけてみた。
「ある程度は分かりました。しかしそれだけ精巧に創られた人形が、なぜ今まで出てこなかったのです?」

「今に始まったことではない、何十年、何百年と前から何度も行われてきたのだ。まぁ決着が付かずに今まで伸びただけだがな。
 そもそもローゼンメイデン自体が表に出なかったのだ。信憑性がないものだから知ったものしか分からない」
「なら、どうしてエヴァンジェリンさんは知っているのです」
その言葉に一瞬答えていいものかと真紅を横目で見るが、構わず答える。

「私も…数十年前に偶然にも一体のローゼンメイデンと契約を交わした身だからだ」
「え」
夕映とネギはエヴァを見た。だがその次に言葉を発する前に、真紅が立ち上がる。
「来たのだわ」
側においてあった鏡が波打つように揺れだす。
「な、何です!?」
「どうやらドールが来たようだな」

その中から現れたドールは、左右の目がエメラルドグリーンとルビーのオッドアイ。
シルクハットと少年のようなボーイッシュな顔立ち、白いブラウスと蒼い肩掛け。
そして手の中の光から召還された大きな鋏を手に真紅を睨み付けている。
真紅は飲んでいた紅茶のカップを机に置き、軽い笑みを浮かべて相手を見た。
「あなたも目覚めていたのね蒼星石」

つづく
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