弟三訓 よその家の食事はやけにおいしく見える


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「銀さん、僕らこれからどうなるんでしょうか」
銀時と新八、神楽と源外に定春、そして彼らを送っていくネギが職員寮に向かう途中で、新八が銀時に話しかけた。
「オメーそりゃあ、とりあえず今のところ元の世界に返る方法が分かんねー以上なんとかこっちでやってくしかねーだろ」
と答える。
「とりあえずこっちの生活をエンジョイするアル」
「こっちで俺たちの世界に返る方法がわかればいいんだがなァ」
神楽と源外も新八に言う。
「あの、そのことなんですが・・・」
とネギが口を開く。
「どうしたネギ坊主、なんかいい甘い物の店でも知ってるのか」
「この事態にそんなこと言うわけねーだろアンタァァァ!!!」
「い、いや、元の世界に変える方法についてなんですけど、もしかしたら何か手がかりがあるかもしれない所があるんです」
新八のツッコミにビビリつつ、ネギは話を切り出す。
「何アルか? もしかしてハルケギニアへの行き方でも知ってるアルか?」
「これ以上別の異世界に行ってどーするつもりだアンタはァァァ!!!」
「いやあの、ここ麻帆良学園の図書館には世界中からすごい数の本や資料が集められてるんです。もしかしたらその中に銀時さんの世界に戻る方法が書かれてる本とかがあるかもしれません・・・」
言い終わる前に、ネギの体は前後に揺さぶられる。
「オイィィィィィ!!!そりゃ本当かァオイィィィィィ!!! なら早くどこにあるか教えてくれいや今から行くぞそこにィィィィィ!!!!」
「マジアルかお前戦乱の異世界ハルケギニアへの行き方知ってるアルかァァァ!!! 吐けェ吐くんだジョォォォォォ!!こっちには証拠がそろってるんだよォォォ!!」
とネギの首根っこ掴んで前後に揺さぶるダメ人間二人。
「い、いや二人ともちょっと落ち着いてくださいィィィ!!」
「何ワケわかんないこと言ってんだァァァアンタらァァァァァ!!!!!」
と混乱しながらもとりあえず二人を落ち着かせようとするネギと思いっきりツッコミを入れる新八。

「・・・これからどうなるかなあオイ」
と半ば達観した見方をしている源外。
結局この日、ネギは銀時ご一行を職員寮まで送って行った後自分の部屋に帰った。
ちなみに帰りが大幅に遅れたことに関して同居人である神楽坂明日菜と近衛木乃香に注意されたが、何とか途中で迷ったということにして切り抜けた。
ただし木乃香にはともかく、明日菜には多少疑問に残ったところがあったが。



弟三訓 よその家の食事はやけにおいしく見える



翌日
「・・・むう」
神楽坂明日菜は未だに昨日のネギの帰りが大幅に遅れたことに疑問を抱いていた。
道に迷ったには4時間も当初の時間から遅れたのは麻帆良学園の広さを考えても異常である。となるとやはり魔法関連のことなのだろうか?
「アスナーどうしたん?さっきからずっと何か考え事してるようやけど」
「え!? あ、ちょっと・・・いやなんでもない」
ちなみに今ネギは、学園長に呼ばれてこの場にはいない。
「そういえばネギ君昨日やけに帰りが遅かったなー、アスナ、何があったと思うん?」
「え!? いやーやっぱりアイツの言うとおり迷ったんじゃないの? アイツ何だかんだ言ったってまだお子ちゃまだし」
そうだ、やっぱり考えすぎじゃないだろうか。いくら何でもアイツはまだ10歳。この前も昼間なのに迷っていたし、夜ならなおさら迷うのは自然ではないか。にしても4時間遅れは少し異常だが・・・
そこまで考えていた時、電話が鳴った。木乃香がはいはいーと言いながら出る。
「あ、じいちゃん? え?アスナと一緒に学園長室に来てほしい?」
この言葉を聞いたとき、明日菜の中でよくわからないが嫌な予感がした。
そしてそれは的中することになる。

「おおわざわざすまんのう」
学園長室に来た明日菜と木乃香を待っていたのはネギと学園長、そして3人の人物であった。
その3人と言うのがまた個性的な人物であった。1名を除いて。
1人はここ麻帆良学園中等部の制服を着ている明日菜と同じぐらいの年齢の少女であった。頭はオレンジ色の髪をお団子頭にして纏めており、そばには彼女の物と思われる傘が置いてあった。
その隣には眼鏡と白衣、それにネクタイを身につけている20代後半ほどの男がいた。しかしこの男、死んだ目をしている上に身に着けている服もやけにだらしない。何か見るからにやる気がなさそうなオーラを発している。おまけに天然パーマであった。
その隣にいるのは明日菜より2,3歳ほど年上であろうメガネの少年であった。しかし何故いわゆる用務員ルックに身を包んでいるのか。何か地味だし。ああ、無論さっきの1名というのは無論この人である。



「なあネギ君、この人たちはどちらの人なん?」
「ええっと、こちらの人が新学期から3-Aの副担任になる坂田銀八さんです」
「「え!?」」
明日菜と木乃香の声が見事にハモる。当然の反応である。まさか目の前のだらしないという言葉を体言している男が自分たちの副担任になるとは思っても見なかっただろう。
「どういうことよネギ!新しい副担任が来るなんて聞いてないわよ!!」
「いやその・・・昨日決まったばっかりなんで・・・」
「ギャーギャーギャーギャーやかましいんだよ 発情期ですかコノヤロー」
      • 瞬間、世界が止まった。

「女の子に何てこと言ってるのよアンタはァァァァァ!!!!!」
「なんだとコノヤローもう一回言ってやるよ発情期ですかコノヤローって」
「アンタねえそれ少なくとも教師が女の子に言う台詞じゃないわよ!!発情期って人をネコみたいに!!」
「そうですよ今のはどう考えても銀さんが悪いですよ!こっちの原作みたいに萌えキャラがそんなに存在しない作品ならともかくそっちの原作は僕たち私たちの夢の萌えキャラの詰め合わせ作品ですよ!
そんな中でそんな発言したら謝罪物ですよ!!」
「銀ちゃんいくらなんでもその発言は引くアル、せめて発情期じゃなくってさかりがついてると言うべきアルね」
「言ってること同じじゃねーかアンタはァァァァァ!!!!」
「あ、あのとりあえずアスナさんも銀八先生も落ち着いてくださーい!!」
「だいたいあんたみたいな死んだ目の先生いないわよ!!しかも何その格好!
まるでだらしないっていう言葉が人間になって歩いているみたいじゃない!」
「明日菜ーそんなに言わんでも・・・」
      • とまあこんな感じの言い争いが約30分ほど落ち着いた後、新八の銀時に対する鼻フック投げが炸裂したことで収束した。
ちなみにこの銀時の偽名である「坂田銀八」という名前は学園長が日本の某人気学園ドラマにちなんで名づけたものであり、語呂もいいということから銀時も渋々了承した。
もっとも当の銀時は「銀八の八って新八の八じゃねーか!!なんでよりによってアイツと被るんだコラァァァ!!!」と言い、新八と小規模な喧嘩を起こしたのだが。
「でネギ君、こっちのメガネの人と女の子はどちらの人なん?」
と、とりあえず銀時-まあ偽名の銀八を使っているのだがめんどくさいので台詞以外では銀時に統一しておく-と明日菜の口喧嘩が一段落したところで木乃香は再びネギに聞く。
「ああ、こちらの二人は今度から用務員として麻帆良学園の中等部に赴任した志村新八さんと来年度から3-Aに転校する夜兎神楽さんです」
「ど、どうも」
「世話になるアル」
「「え!?」」

再び明日菜と木乃香の声が見事にハモる。さっきの副担任に負けず劣らずの衝撃である。
「いやネギちょっと・・・今の本当?」
「本当じゃよ、アスナちゃんや」
答えたのはネギではなく、学園長であった。
「じゃあじいちゃん、その子・・・神楽ちゃんは来学期からうちらのクラスに来るっていうことなん?」
「そういうことになるアルよ」
と木乃香の問いに問題の本人の夜兎神楽-この夜兎というのは神楽の天人としての人種名である「夜兎族」に因んでつけた偽名の苗字である-が返す。
「そーなん、これからよろしくな神楽ちゃん」
「・・・むう、よろしく」
と、にこやかに挨拶をする木乃香と、神楽が銀時の知り合いではないのかと思いながらも新しいクラスメイトに挨拶をする明日菜。とここで、明日菜が疑問を抱く。
「ねえネギ、この子が転校してくるのはわかったけど、どこの部屋に入るの?」
その言葉に何かいいにくそうな顔をしてネギは銀時と学園長を見る。
「ああ、そのことなんじゃがの、」
「神楽はお前らの所で世話になるそーだ」
「え!?」「えええええええええええええええ!?」
これは二人にとって本日3度目の衝撃であった。もちろんここまでの流れを読めば、上のせりふがそれぞれどちらが発したのかはわかるであろう。
「で、でも学園長!ウチの部屋はもう私とこのか、ネギもいるんですよ!別に神楽ちゃんがクルのが嫌とか、そういうのは全然ありませんけど、4人が1部屋ってのは・・・」
「別にいいしゃねーか、4人も40人も一緒だろ」
「一緒じゃないわよ!ウチの部屋に40人も入るわけないでしょ!!」
「大丈夫じゃよアスナちゃんや、部屋の方には空きがあるからの」
「どういうことなんじいちゃん?ウチらの部屋にはもう空きはあらへんよ?」
「ああ、そのことなら大丈夫じゃ。ネギ君の部屋の下のクローゼットを少し改造しての、神楽ちゃんにはそこに住んでもらうことになったんじゃよ」
「「ええ!?」」

これは二人にとって本日-もうこのパターンばっかりであるが-4度目の驚きであった。家の収納スペースに住むなんて、未来の世界のネコ型ロボットかお前は。
「でも学園長!それはいくらなんでも・・・」
「そうは言われてものう、これは神楽ちゃんから言い出したことだしのう」
「僕も別の部屋を用意した方がいいと思ったんですけど、神楽ちゃんがそっちの方がおちつくって・・・」
とネギと学園長が返す。
「まあコイツがいいって言うからいいんじゃねーのか?」
と銀時も言う。この一言が明日菜のカンにやけに触った。
「アンタねえさっきも言ったけどそれでも教師なの!?生徒の自主性とかそういう話じゃないのよ!第一アンタこの子と知り合いとかじゃないの?」
「そこまで面倒見れるかコノヤロー、いいかお前俺はなコイツの自主性がよりよい成長を促すと思って言ってるんだ、別にコイツの面倒を見るのが面倒だとかうるせーのがいなくなってせいせいするとかそういう本音を言ってるんじゃねーんだぞ」
「堂々と言ってるじゃないの!!」
「最悪だよアンタ!!!!」
ものの見事に明日菜と新八のツッコミが入る。
「ええいもう分かったわよ!4人でも40人でもいいわ!神楽ちゃんはウチのルームメイトよ!!」
「決まりじゃの、このかもかまわんの?」
「ウチも別にええよ、神楽ちゃんも歓迎するえ」
「良かったじゃねーか神楽、部屋の備品とか壊すんじゃねーぞ、金払うの俺なんだから」
「ということでお前らの所で世話になるアルよ、よろしくアル」
「アンタら少しは態度だけでも遠慮しろォォォォォ!!!!!」
ふう、とひとまず息をつく明日菜。だが、それからすぐに銀時を睨み付ける。
「でも私はあんたが副担任だなんて認めないから!!」
「私もお前が副担任なんて認めないアルよ!!」
「何で神楽ちゃんまで言ってるのォォォ!!!」
と新八がツッコミを入れた後、木乃香がある疑問を口にした。
「そういえば新八さんはまだ10代ぐらいみたいですけど、どうしてここで働いてるん?」

という疑問に答えたのは銀時であった。
「ああ、コイツは貧乏道場の息子でなあ、親父もお袋も死んじまって姉と二人暮らしなんだがここまで出稼ぎに来て、ここの爺さんの情けで働かせてもらってるんだよ」
「貧乏だから学校にも通えないアルね」
「ちょー!!アンタら何勝手なこと言ってるの!! 確かに言ってることのほとんどは本当だけど!!」
と新八がツッコミを入れた時。
「そ、そうだったんですか・・・」
「いろいろと苦労したんやね・・・」
「あ、あの昨日はすみませんでした・・・」
とこちらを同情的な視線で見る3人。
「もしかして僕、不幸な人に見られてる?」
その問いに銀時と神楽はうんうんと頷いて答えた。

「これで話は一通り終わりじゃな、このかもアスナちゃんも長くなってすまんかったのう。」
「別にかまへんで、おじいちゃん」
「あとすまんが、神楽ちゃんを部屋まで連れて行ってあげてくれんかのう」
「わかりました。行くわよネギ、このか、神楽ちゃん」
「はい、失礼しました」
「またな~じいちゃん、銀八先生、新八さん」
「銀ちゃん新八~達者で暮らすアルよ~」
と4人は部屋を出た。ちなみに出ていく時に明日菜は銀時をまた睨み付けていた。
彼らを見送った後、銀時と新八は顔を見合わせた。
「銀さん、大丈夫ですか神楽ちゃん。あの子同じぐらいの子と一緒に暮らしたことなんて無いんですよ」
「さあな、何とかなるんじゃねーの? まあアレだ、あいつも俺らより同じぐらいの子と仲良くするのが自然だろ」
「何だかんだ言ってあの子が心配か若いの」
学園長が言う。
「そんなんじゃねーよ ただアイツと一緒に暮らす奴の方が気になるだけだ」
「そうかのう、ネギ君もアスナちゃんもこのかもいい子じゃぞ」
「そっちじゃなくってな、アイツらが無事かどうかだよ」



その夜。
「このかー、おかわりヨロシ」
「本当神楽ちゃんはいっぱいたべるなー、もうこれで5杯目やで」
「大丈夫かしらウチの家計・・・」
「ハハハ・・・」
この3日後、銀時の給料の一部が4人の家計に回されることとなった。
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