第0話「世界樹の廃墟弾」


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ここに一つの鉄の塊がある。
かつて鉄人28号と呼ばれたそれは、高度成長期の日本を支えた礎の様に、深い水の底で眠っている。
昭和から平成と呼ばれるようになった今でも、我々の事をその赤黒い瞳で見つめ続けている。
鉄人28号は数々の事件を金田正太郎と共に解決してきた。
これから目にするのは、正太郎と鉄人28号が解決してきた様々な事件のひとつである。

チリリリン…チリリリン…チリ、ガチャ
「もしもし、ああわしだ……なにぃ!!世界樹の大発光だと!!」
人々の心に深い傷跡を残した廃墟弾事件、その1ヵ月後にそれは起こった。
戦後10年、埼玉県麻帆良市にある巨大な樹木『世界樹』が突然の大発光を始めたのである。
それは22年周期で突然発光する摩訶不思議な樹木であった。
政府や科学者はこれを光ゴケの大量発生による自然現象であると一般市民に説明した。
しかしそれは真実ではなく、実際には謎のエネルギーが溢れ出ている状態であった。

「何とまぁ……昼間のようじゃわい」
世界樹の周りには警視庁のパトカーが数台止まっていた。
その先頭に正太郎と敷島、大塚署長が立ち、深夜に輝く世界樹を見つめていた。
暫く世界樹を見つめると敷島は正太郎に向かって言った。
「正太郎君、段取りは分かっているね」
「はい!鉄人で研究サンプル用の枝を採取すればいいんですよね?」
正太郎の言葉を聞いて敷島は首を縦に振る。
「よし鉄……」そう正太郎が叫びかけた時、空から爆音が聞こえてきた。

「この音は……鉄人か?」
「いえ署長さん!!この音は鉄人じゃありません!!」
正太郎が叫ぶと彼等と世界樹の間に巨大な何かが落ちてきた。
「あ、あれは……!?敷島、正太郎君!!もしや……」
巨大な何かはゆっくりとその巨体を起し正太郎達を不気味な笑顔で睨めつける。
「間違いない!モンスターです!!」正太郎が叫ぶ。

樽から手足が生えたような外観をしたロボット『モンスター』は突如地面を掘り始めた。
そして何かを掴むと強引に引き上げた。
モンスターの手の中には鎖で地面と繋がれた砲弾のような形をした物……

「あれは……まさか……廃墟弾?」正太郎の表情が凍り付く
「廃墟弾がこんな所に!先生はここにも廃墟弾を!?」
「敷島!あれがここで爆発したらどうなる!!」
「わからない……もし廃墟弾のバギュームと世界樹のエネルギーが反応してしまったら何が起こるか……」
「そうはさせません!鉄人!!廃墟弾を守るんだ!」
正太郎の呼びかけに答える様に、獣のような咆哮が辺りに、こだました。
その刹那、空から巨大な鉄の兵士が空に現れる。
それから数秒も立たないうちに鉄の兵士『鉄人28号』はその巨体を地面に下ろした。
片膝を付いた状態で着地した鉄人はゆっくりと立ち上がろうとする。
しかしモンスターは鉄人が立ち上がる前に廃墟弾と地面を繋いでいた鎖を引き抜いた。

「しまった!!鉄人!廃墟弾を……」
正太郎の叫びをかき消すように廃墟弾は光を放ち、辺りを包み込んでいった。

「これは厄介な物が出てきたのう……」図書館島の地下、学園長と刀子がある物を見つめていた。
「学園長これはなんです?見たところ爆弾のようですが」
「廃墟弾が、まさかこんな物が……こんな遺物が……」
「廃墟弾、ですか?一体それは?」
「至急魔法先生を集めるんじゃ……これは緊急事態じゃ」

数十分後、魔法先生と魔法生徒が図書館島の地下に集まった。
その中にはネギ、明日菜、木乃香、刹那の姿もあった。
3人の生徒達は、ネギが武道大会を終えたばかりで心配だと言い、付いてきたのだった。

学園長はほぼ全員の魔法関係者が集まったのを見ると重々しく口を開いた。
「おっほん……大変な事にここで不発弾が見つかった」
「不発弾?」明日菜は訝しげな表情で学園長を見る。
「ほら明日菜さん、爆発しないまま地下に埋まってしまった爆弾の事ですよ」
ネギは明日菜の耳元で囁くように説明をした。
「意味ぐらい知ってるわよ!!でもなんで今見つかるのよ~これから高畑先生と学園祭巡りする予定だったのにぃ~」
「明日菜せっかくお洒落したのになぁ~何とかならへんのかなぁ?」泣きそうな明日菜を見て木乃香も残念そうにしている。

それをよそに学園長は話を進める。
「でここに誰も入ってこないように交代で見張って欲しいという訳じゃ」
そう言うと学園長は魔法関係者を見回してから再び口を開いた。
「じゃあ最初は刀子先生とガンドルフィーニ先生、よろしく頼みます」
名前を呼ばれた二人は無言で頷き、了承した。

学園祭で盛り上がる学園都市をタカミチと明日菜が歩いている。
「よかったよ僕は深夜の担当で、明日菜君との約束破るんじゃないかとヒヤヒヤしたよ」
「すいません何だか……気を使わせてしまって」
「そんな事ないよ、僕も楽しみにしていたからね」
「えぇ!!ほ、ほ、ほ、本当ですかぁ!」明日菜は顔を真っ赤にして語尾まで上げていた。
「もちろんさ。こうして歩くのも久しぶりだからね」
楽しそうに会話する二人を影から追跡する複数の影。

「ええ雰囲気や、なぁせっちゃん?」と木乃香
「ハイお嬢様、上手く告白できるといいのですが」と刹那
「そうですね上手くいってほしいです」とネギ
「高畑先生とデートかぁ、いいなぁ……」とメイ
「メイ貴方ミーハーよ……」と高音
「姐さん大丈夫かよ……心配だぜ」とカモ
「ここは一体どこじゃあ!!」と……?
「落ち着け大塚!」
大声で叫ぶ大塚を敷島はなだめていた。

「ここは何所なんでしょうか……モンスターもここに来た途端、機能停止してしまいましたし」
「不思議な所だね、今はお祭りでもしているのかな?」
「じゃが廃墟弾に巻き込まれて鉄人もモンスターも無事とは……おまけにいきなり昼間になっとるし、何がなんだが……」
「ちょっと僕、あの人達に聞いてきます!」そう言って正太郎は隠れながら歩く集団に駆け寄った。

「そこの人すいませーん!!」
聞き覚えのない声に呼びかけられビクっと反応する木乃香達。
全員がゆっくりと声のする方向に振り向いた。
「すいません、ここは一体何所なんでしょうか?」
正太郎に尋ねられ、一番最初に口を開いたのは木乃香であった。
「あや~迷子の子?お父さんとお母さんとはぐれたん?」
「いえそういうわけではないんですが……ここはどこかなぁと」
「ここは麻帆良学園都市です、今は学園祭をしているんですよ」今度は刹那が優しく答える。
「やっぱり麻帆良市である事に変わりはないのか……」

考えこんでいる正太郎に木乃香が話しかけた。
「君、お名前は?」
「僕ですか?金田正太郎です」
「幾つ?」
「10歳です」
「や~んネギ君と同い年やんかぁ、かわええなぁ~」

木乃香が正太郎に熱い視線を送っているとその横を巨大な何かが横切った。
「大変だぁ!恐竜ロボットが暴走した!逃げてくれ!!」研究員風の男たちがそう叫んでいた。
確かに恐竜の姿をしたロボットは何所へともなく走っていく。

「大変だ、止めなくちゃ!!」正太郎が叫ぶ。
元々凛々しい顔立ちの高音が、さらに厳しい表情でネギ達に指示を出す。
「メイ!ネギ先生!刹那さん!行きます『鉄人!!』よ?」
高音の指示を遮るように正太郎は叫び、恐竜ロボットに走り寄っていく。
すると恐竜ロボットは急に方向転換をして正太郎に向き直った
『あぶない!!』恐竜ロボットと真正面から対峙する正太郎の姿を見て、その場にいる全員が叫んでいた。
「あの子は何を考えているんだ!」刹那はそう言うと瞬動の姿勢をとった。
その時

ガオォォォォォォ!!!!!!!!!!!

爆音にも獣にも似た咆哮が学園祭のにぎやかな音を掻き消した。
続いて岩を砕くような音と耳を塞ぎたくなるようなロケット噴射の音。
ネギが正太郎に目をやると彼と恐竜ロボットの間に巨体が立ちふさがっていた。
その場にいた全ての人間が、突如現れた巨大な鉄の塊に驚愕し、そして硬直している。
それはネギ達も例外ではなく、我が目を疑うように目の前に居る『それ』を見つめていた。

「あれは……なに?」
ネギが疑問と恐怖の入り混じった声を上げる。

暴徒と化した恐竜は目の前の巨人に怯むことなく向かっていく。
そんな哀れな機械竜を見ると正太郎は手に持つリモコンのレバーを握り締める。
「鉄人!!その恐竜を倒すんだ!!」
了解したと言わんばかり鉄人は咆哮する。
恐竜ロボットは鉄人の胸に飛び込んでいくが、鉄人はそれを微動だにせず受け止めた。
「引きちぎれ!鉄人!!」
再び咆哮すると鉄人は、恐竜ロボットの頭と首根っこを掴んで一気に引っ張った。
次の瞬間、鉄人はまるで紙でも裂くように、恐竜ロボットの首と胴体を引き裂いていた。
首を失った恐竜ロボットは、破損部分から無残に内部機器とオイルを流してその場に倒れこんだ。

その様子をモニターで監視している人物が二人。
「すごいパワーですね……これはすごい」
「太平洋戦争末期に金田博士によて開発された人型最高兵器、鉄人28号……役者は揃たネ」
「あとはどうするんですか?」
「鉄人28号だけが廃墟弾の場所を知ている、彼に捜してもらうネ、この地に眠る廃墟弾をネ」
「廃墟弾を何に使うんですか?」
「未来のために有効活用させてもらうネ、明日には全てが動き出す、廃墟弾と世界樹でネ」

オープニングテーマ「鉄人28号」
続く
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