第1話「特命係召喚される」

「さぁ亀山君の番ですよ?」
「ちょっと待ってくださいねぇ……右京さんも危ない積み方するな~」

二人の男が向かい合わせに座り、マッチ棒を積み上げて遊んでいた。
右京と呼ばれた男はラインの入った洒落た感じのYシャツと薄くラインの入った濃い灰色のズボンを身に付けていた。
今時では珍しくベルトをせずにサスペンダーをしている。
髪は撫で付けており、穏やかそうな顔立ちで、フレームの丸い眼鏡が右京の穏やかさをより引き立てているように見えた。
右京に亀山と呼ばれた男は背が高く、人当たりのよさそうな、しかしどこかやんちゃそうな顔立ちをしていた。
服装はカーキ色のフライトジャケット、Tシャツ、カーゴパンツと非常にラフできちんとした身なりの右京とは対照的であった。

「こう……いやこうか……あぁ~」
亀山がうず高く積み上げられ、今にもバランスを崩しそうなマッチの塔に四苦八苦していると。

「おい!!と く め い が か りの亀山!!!!」
「うわ~!!」
「貴方の負けですね亀山君」

いきなり響いた怒鳴り声、それに動揺した亀山は何時間も掛けて作り上げた塔を壊してしまった。
まるで特撮映画で怪獣に壊されたビルの残骸ように、大量のマッチは机の上に散らばった。

「伊丹!脅かすんじゃねぇよォ!この馬鹿ァ!!」
「なんだとォ!!マッチ棒で遊んでる場合か!この鈍亀!!」
伊丹と呼ばれた男はいかつい顔立ちで大柄の男だった。
亀山とは違いちゃんとスーツを着ている、その後ろには同じくスーツを着た老刑事と若年の刑事が居た。

「珍しいですねぇ……貴方達がここに尋ねてくるなんて」
「なんだよ!また文句でも言いに来たのか!ほかにする事ねぇのかお前は!!」
「うるせぇ!!亀は黙ってろ!!」
「なんだと!!」
「警部殿……上がお呼びです」

右京は伊丹の言葉にピクッと反応し伊丹の居る方へ身体ごと向きを換えた。

「上と…言いますと?」
「……付いてきてください」
伊丹はぶっきらぼうな態度で一言だけそう言った。
「……行きましょうか亀山君」
「ええ……んだよ伊丹の野朗、偉そうに、馬鹿!!」
まるで子供のような亀山に微笑みながらも右京はハンガーに掛けられたスーツを手に取り羽織る。
そして亀山に近付き一言。
「亀山君行きましょうか」
と優しく声を掛けた。

次回予告

伊丹「現場からは全てが消えていた、凶器も何もかも」
右京「それで事件はどこで起きたんですか?」

亀山「埼玉県にこんなすげぇ場所が……」
右京「麻帆良学園都市、日本最大級の超巨大学園都市です」

ネギ「貴方達が殺人事件の調査を?」
右京「失礼ですが貴方は?」
ネギ「ネギ・スプリングフィールドと言います。ここの教師です」
亀山「お前が!?」
右京「おやおや」

亀山「ここは一体なんですかね?」
右京「さぁ……とても変わった街ですね、でも僕はこの雰囲気嫌いじゃないですよ」

次回 特命係、麻帆良学園に潜入、そこで二人が見た物とは。
右京「消えた銃弾は何所へ行ったのでしょうねぇ?」

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最終更新:2007年01月17日 14:09
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