Scene3.魔女と福音と吸血鬼


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Scene.3魔女と福音と吸血姫

「佐々木小次郎、だと?」
目の前の、もう一人のアサシンと名乗った男を切り伏せ、佐々木小次郎と名乗った侍と対峙した三人の脳裏には、巌流島にて剣豪、宮元武蔵と戦い、敗れた侍、佐々木小次郎がの名が浮かぶ。
「如何にも。アサシンとでも佐々木小次郎とでも好きな方で呼んでくれて構わぬよ。付け足すなら、そなたらの脳裏に浮かんでいる剣豪、佐々木小次郎というのも一応、私という事になる」
三人の懐疑の視線を気にも留めず、飄々とした態度でアサシンが答える。
「むう、信じ難い事でござるな。江戸時代の剣豪が現代まで生きているとは、到底考えられぬでござるが…」
「いや、生きていた訳じゃないだろう」
楓の疑問に真名が答える。その表情は先ほどより幾分か険しくなっている。
「…冬木市聖杯戦争。神話や過去の英霊を召喚・使役し、願いを叶える聖杯を求める魔術師達の戦争。風の噂ではこの前起きたと言われる第五次聖杯において優勝者が聖杯を破壊し、終結したと聞いたが」
「ええ、戦争は終結したわ。ただ、これからここで起こるであろう事は聖杯戦争よりも危険な物になるでしょうけど」
三人が第三者の声がした方向を向くと。そこには紫のフードを被った女性と、長身痩躯の眼鏡をかけた男性が立っていた。
「始めまして、お嬢さん方。アサシンにこの場は任せようと思ったのだけど、聖杯戦争を知っている子がいてくれて助かったわ」
フードの女性が微笑を浮かべる。


真名がその女性に問いかけようとした時、エヴァンジェリンの家の方角から甲高い咆哮と銃撃音が聞こえた。
「っ!今の声は!?」
「まさか別口がエヴァ殿の方へ?」
その声と銃撃音が聞こえるやいなや、刹那と楓はエヴァンジェリンの家の方角へと駆け出していた。
「…どうやら、そちらとここで話し合っている余裕は無いようだ。そちらに敵対の意思が無いのならば同行してもらおうか」
フードの女性は、少し不満そうな表情をした後、溜息を一つついた。
「仕方ないわね。こちらとしても余計な波風は立たせたくはないし」
「そういってもらえると助かる。ではええと」
「私はキャスターのサーヴァント。そしてこちらの方はマスターの葛木宗一郎様よ」
「わかった。それではキャスターさん達についてはあちらの敵を倒したら。と、言う事で」
そう言うと真名とキャスター達は二人の後を追った。


黒い残骸が散らばる草原に、茶々丸とエヴァンジェリンは黒い獣と対峙していた。
甲高い咆哮と共に、二人めがけ数匹の獣が飛び掛る。
その獣達の爪が届く前に茶々丸が手にした銃が火を噴く
軽快な発射音と共に、獣は全身を蜂の巣にされ、断末魔の咆哮を上げ、消滅していく。
「まったく、耳障りな声だ。リク・ラク・ラ・ラック・ライラック。氷爆!」
突如として眼前に巻き起こった、凍気と爆風に、残っていた獣達は、声を上げる間も無く消し飛んだ。
「周囲に同タイプの熱源は感じられません。ターゲットの殲滅を確認」
「まったく何だったんだこいつらは。数だけは多いがてんで弱い。この程度では麻帆良を落とす事なぞ到底できんぞ」
夜の闇に溶けるように消えていく残骸を見やりながらエヴァンジェリンが愚痴をこぼす。
それを茶々丸は無表情で聞いていたが、突如、何かを察知したのか夜の闇を見つめる。
「マスター」
「ん?どうかしたか茶々ま…」
茶々丸が顔を向けた方向を見やったエヴァンジェリンの表情に緊張が浮かぶ。
茶々丸とエヴァンジェリンの視線の先、そこには、一人の金髪の女性が立っていた。


「久しぶりね、エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル。それは新しいガーディアンかしら?」
金髪の女性の視線を受け、茶々丸が身構える。
「茶々丸、下がっていろ。お前の勝てる相手じゃない。」
茶々丸は何かを言いたそうだったが、有無を言わさぬエヴァンジェリンの語気に押され、渋々臨戦態勢をといた。
「…よもやこんなところで会うとはな、姫君。いや、アルクェイド・ブリュンスタッド」
アルクェイドとエヴァンジェリン、二人の間に、一触即発の空気が流れる。
「私を狩りに来た…と、言う訳じゃなさそうだな」
「ええ、貴方も気付いているのでしょ、福音。ここに死徒、いえ、それ以上に危険なものが入り込んでいる」
アルクェイドの答えを半ば予測してエヴァンジェリン、めんどくさそうに髪をかきあげた
「…やはり死徒か、とりあえずこの件はじじいに伝えておいたほうがお前も動きやすいだろう、一旦、学園長室へ…」
「エヴァ殿、大丈夫でござるか!?」
アルクェイドを学園長室へと連れて行こうとした矢先に、エヴァは楓と刹那に呼び止められた。
「ああ、あの程度の相手に遅れはとらんさ。そっちも無事みたいだな」
「ええ、何とか」
エヴァンジェリンの無事を確認し、刹那は安堵の溜息をついた。
そして二人に遅れて、真名達もエヴァンジェリンと合流をした。


「ん?後ろの三人は誰だ?」
エヴァの目にキャスター達が留まる。
「冬木市聖杯戦争に参加したサーヴァントだそうだ。今回の顛末を知っているらしい」
エヴァの問いに真名が答える。
それを聞いたエヴァは一つ溜息をついた。
冬木市で行われた聖杯戦争のサーヴァントが麻帆良にいるということは、多かれ少なかれこの事件には冬木市の聖杯まで絡んでいるという事である。
しかも、死徒というおまけつきで。
「まったく、厄介な事になってきたな」
紅い紅い月を見上げ、エヴァンジェリンはまた一つ、溜息をついた。

Scene.3-END
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