第一話

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地下研究室に三人の影があった。 「では早速実験を始めるネ。」 「一つ確認するが本当に安全なんだろうな?」 「ワタシを誰だと思ってるネ。無事終了すれば現実に戻れるヨ。」 超の実験とはバーチャルトレーニング。仮想空間での戦闘シュミレーションの実験。 これが成功すればより実践に近い修行ができ戦闘力が大幅に上昇する。 「では刹那サン。このカプセルに…」 カプセルに入ると手や足、頭など体のあらゆる所にコードを取り付けられた。 すべて付け終えるとカプセルの蓋がゆっくりと閉じられた。 「準備OKネ。ハカセ、CD-ROMを。」 「えーとこれですね。」 ハカセは無造作に置かれているケースから一枚のCDを取り出しパソコンのトレイを開けた。 「…!!ハカセそれじゃないネ!!」 「えっ!?」 超が叫ぶも時既に遅し。CDはパソコンに吸い込まれていった。 「…な、何のCDだったんですか?」 ハカセが恐る恐る聞く。その質問に対し超は溜息を一つ吐くと口を開いた。 「…ゲームネ。」 「え?」 「とあるゲームネ。…まぁ刹那サンにとってはいい訓練になるはずだから結果オーライネ。」 「ここは…?」 刹那は山道に立っていた。気付いたらここにいた。 「服装も神鳴流のだし…取り敢えず実験は成功か…。」 だが刹那は腑に落ちない事があった。それは超から聞いた場所と違う事だ。 超が言うには市街地戦を想定した場所と聞いたのだが、見れば木ばかりである。 「考えても仕方ないし、取り敢えずあるこう。」 しばらく歩くと道が二手に分かれている。左は橋。下は綺麗な川が流れている。 真ん中は普通の道。遠くに微かに鳥居が見える。右には畑?らしき物。大根が植えてある。 どの道にしようか迷ってる時橋の方から悲鳴が聞こえた。見ると一人の女性が四人の男に追われていた。 (訓練でこんな事?でも一般人を守りながら戦うのもアリか…。しかし皆着物とは。やはり何かおかしい。) 「だ、誰かたすけてー!」 「へっ。逃げられねーよ。」 必死で逃げる『すず』という娘。女性が男四人から逃げるのは至難の業だ。ましてや動きづらい着物を着たらなおのこと。 「い、嫌っ!!」 「まったく。手間取らせやがって。」 追い詰められたすずをヒョイと担ぐ『坪八』という男。上半身裸で刺青だらけ。頭には一発と書いてある。明らかにソッチの人だ。 「まてっ!!」 「あ~ん?なんだテメェーは!?」 いかにも頭の悪そうな奴がチンピラの定番の台詞を吐く。 「その人を放してください。」 「なんだテメェ。正義の味方気取りかぁ!?」 「悪い事はやめてください。」 「うるせぇ!やっちまえ!!」 あくまで冷静に相手を刺激しないよう丁寧にお願いしたが所詮相手はチンピラ。そんなのが通用するはずがなかった。 お約束の逆ギレである。チンピラ三人が刀を抜き襲いかかって来た。 刹那は目を瞑り夕凪に手を掛ける。深く息を吐き目が見開かれる。同時にチンピラ達の動きが止まった。 そして力なく倒れていく。それは一瞬の出来事だった。そしてそのまま刹那は坪八を睨みつける。 「チッ。しょうがねーな。」 坪八は刀を抜くと一気に間合いを詰めてきた。 「オルラァァー!!!」 下段の構えからの変則的な突き。予想以上の突きのスピードに慌てて防御する刹那。 ガキィィッ! 攻撃は止めたもののかなりの衝撃だ。手にかなりの痺れが残った。 (凄いパワーだ!これは中途半端な防御はでき…) 冷静に分析していたが突如襲った腕の衝撃で中断された。坪八は突きの体勢から回し蹴りを放ったのだ。 坪八の蹴りは刹那の腕に当り構えが崩された。完全な無防備状態でさらに馬蹴りで上に飛ばされた。 「ぐっ!!」 下では坪八が既に切り上げる体勢を作っていた。 (空中では避けれない!いや、避ける事を考えるな!攻撃は最大の防御だ!) 刹那はそのまま一回転して坪八に切りかかった。重力、落下スピード、回転の勢いで凄まじい威力の攻撃。 「!!」 予想外の相手の対応に咄嗟に横っ飛びで避ける坪八。 「おめぇ中々やるじゃねーか。普通なら今のであの世行きだぜ?」 (たしかに今のは危なかった。さっきのチンピラとは全然格が違う。ここは本気でいかなくては・・・。) そう思い気を練り始める刹那。しかし・・・。 (気が練れない!?そういえば翼も出せない?何故だ!?) 「オラァ!」 「!!」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「・・・これを繋いで、よし!出来たネ!」 「うわぁ本当に刹那さん戦ってますね~。」 巨大なスクリーンに映されたのは刹那の戦闘場面だった。 「大分てこずってますね~?空飛んだり『○○剣!』みたな奥義使えば良いのに。」 「いや。それは無理ネ。このゲームに空飛んだり衝撃波みたいなシステムはないネ。」 どうやら超の作った機械は忠実にゲームを再現させようとしているらしい。 「という事は・・・。」 「気は使えないって事ネ。つまり今の刹那サンは女子中学生の身体レベルのそれネ。」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 辺りに金属音が響き渡る。 「くっ!」 「オラオラ!どうしたぁー!」 先程の重い攻撃とはうって変わって素早い連続攻撃。刹那は防戦一方だ。 (攻撃は軽いが一発でも喰らえば二発、三発と一気にやられ・・・ん?) 大分目が慣れてきていくらか余裕ができたのか、刹那はあることに気付いた。 (攻撃にパターンがある?) 試しに防御してみる。 「オラ!」 坪八は刹那を押し体勢を崩す。 (やっぱり!という事は次は突きか切り上げ。横に避ければ・・・!) 予想通り坪八は切り上げた。攻撃が分かれば避けるのは容易い。刹那は迷わず横に避けた。 「何!?」 刹那はそのまま坪八の喉下に刀を突き付ける。 「ま、参った!勘弁してくれ。」 「・・・まあいいでしょう。」 ゆっくりと夕凪を鞘に納めると坪八も立ち上がり刀を納める。 「へへっ。ありがとよ。アンタ強えーな。名前は何て言うんだ?」 「桜咲刹那です。」 「そうか・・・。どうだ刹那、おめぇ黒生家に来ね―か?」 「黒生家とは何ですか?」 「ここら一帯を治める武家だ。どうだ、一緒に来ね―か?」 (武家ということはやはり現代ではないようだ。しかしまだ情報が少なすぎる。ここを治めると言うことは  おそらく色々な情報が手に入るはずだ。) 「いいでしょう。行きましょう。」 それを聞いた坪八は嬉しそうだった。 「よ~し決まりだ!それじゃ後で屋敷に来い。じゃあな。」 そう言い残すと坪八はとっとと帰ってしまった
地下研究室に三人の影があった。 「では早速実験を始めるネ。」 「一つ確認するが本当に安全なんだろうな?」 「ワタシを誰だと思ってるネ。無事終了すれば現実に戻れるヨ。」 超の実験とはバーチャルトレーニング。仮想空間での戦闘シュミレーションの実験。 これが成功すればより実践に近い修行ができ戦闘力が大幅に上昇する。 「では刹那サン。このカプセルに…」 カプセルに入ると手や足、頭など体のあらゆる所にコードを取り付けられた。 すべて付け終えるとカプセルの蓋がゆっくりと閉じられた。 「準備OKネ。ハカセ、CD-ROMを。」 「えーとこれですね。」 ハカセは無造作に置かれているケースから一枚のCDを取り出しパソコンのトレイを開けた。 「…!!ハカセそれじゃないネ!!」 「えっ!?」 超が叫ぶも時既に遅し。CDはパソコンに吸い込まれていった。 「…な、何のCDだったんですか?」 ハカセが恐る恐る聞く。その質問に対し超は溜息を一つ吐くと口を開いた。 「…ゲームネ。」 「え?」 「とあるゲームネ。…まぁ刹那サンにとってはいい訓練になるはずだから結果オーライネ。」 「ここは…?」 刹那は山道に立っていた。気付いたらここにいた。 「服装も神鳴流のだし…取り敢えず実験は成功か…。」 だが刹那は腑に落ちない事があった。それは超から聞いた場所と違う事だ。 超が言うには市街地戦を想定した場所と聞いたのだが、見れば木ばかりである。 「考えても仕方ないし、取り敢えずあるこう。」 しばらく歩くと道が二手に分かれている。左は橋。下は綺麗な川が流れている。 真ん中は普通の道。遠くに微かに鳥居が見える。右には畑?らしき物。大根が植えてある。 どの道にしようか迷ってる時橋の方から悲鳴が聞こえた。見ると一人の女性が四人の男に追われていた。 (訓練でこんな事?でも一般人を守りながら戦うのもアリか…。しかし皆着物とは。やはり何かおかしい。) 「だ、誰かたすけてー!」 「へっ。逃げられねーよ。」 必死で逃げる『すず』という娘。女性が男四人から逃げるのは至難の業だ。ましてや動きづらい着物を着たらなおのこと。 「い、嫌っ!!」 「まったく。手間取らせやがって。」 追い詰められたすずをヒョイと担ぐ『坪八』という男。上半身裸で刺青だらけ。頭には一発と書いてある。明らかにソッチの人だ。 「まてっ!!」 「あ~ん?なんだテメェーは!?」 いかにも頭の悪そうな奴がチンピラの定番の台詞を吐く。 「その人を放してください。」 「なんだテメェ。正義の味方気取りかぁ!?」 「悪い事はやめてください。」 「うるせぇ!やっちまえ!!」 あくまで冷静に相手を刺激しないよう丁寧にお願いしたが所詮相手はチンピラ。そんなのが通用するはずがなかった。 お約束の逆ギレである。チンピラ三人が刀を抜き襲いかかって来た。 刹那は目を瞑り夕凪に手を掛ける。深く息を吐き目が見開かれる。同時にチンピラ達の動きが止まった。 そして力なく倒れていく。それは一瞬の出来事だった。そしてそのまま刹那は坪八を睨みつける。 「チッ。しょうがねーな。」 坪八は刀を抜くと一気に間合いを詰めてきた。 「オルラァァー!!!」 下段の構えからの変則的な突き。予想以上の突きのスピードに慌てて防御する刹那。 ガキィィッ! 攻撃は止めたもののかなりの衝撃だ。手にかなりの痺れが残った。 (凄いパワーだ!これは中途半端な防御はでき…) 冷静に分析していたが突如襲った腕の衝撃で中断された。坪八は突きの体勢から回し蹴りを放ったのだ。 坪八の蹴りは刹那の腕に当り構えが崩された。完全な無防備状態でさらに馬蹴りで上に飛ばされた。 「ぐっ!!」 下では坪八が既に切り上げる体勢を作っていた。 (空中では避けれない!いや、避ける事を考えるな!攻撃は最大の防御だ!) 刹那はそのまま一回転して坪八に切りかかった。重力、落下スピード、回転の勢いで凄まじい威力の攻撃。 「!!」 予想外の相手の対応に咄嗟に横っ飛びで避ける坪八。 「おめぇ中々やるじゃねーか。普通なら今のであの世行きだぜ?」 (たしかに今のは危なかった。さっきのチンピラとは全然格が違う。ここは本気でいかなくては・・・。) そう思い気を練り始める刹那。しかし・・・。 (気が練れない!?そういえば翼も出せない?何故だ!?) 「オラァ!」 「!!」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「・・・これを繋いで、よし!出来たネ!」 「うわぁ本当に刹那さん戦ってますね~。」 巨大なスクリーンに映されたのは刹那の戦闘場面だった。 「大分てこずってますね~?空飛んだり『○○剣!』みたな奥義使えば良いのに。」 「いや。それは無理ネ。このゲームに空飛んだり衝撃波みたいなシステムはないネ。」 どうやら超の作った機械は忠実にゲームを再現させようとしているらしい。 「という事は・・・。」 「気は使えないって事ネ。つまり今の刹那サンは女子中学生の身体レベルのそれネ。」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 辺りに金属音が響き渡る。 「くっ!」 「オラオラ!どうしたぁー!」 先程の重い攻撃とはうって変わって素早い連続攻撃。刹那は防戦一方だ。 (攻撃は軽いが一発でも喰らえば二発、三発と一気にやられ・・・ん?) 大分目が慣れてきていくらか余裕ができたのか、刹那はあることに気付いた。 (攻撃にパターンがある?) 試しに防御してみる。 「オラ!」 坪八は刹那を押し体勢を崩す。 (やっぱり!という事は次は突きか切り上げ。横に避ければ・・・!) 予想通り坪八は切り上げた。攻撃が分かれば避けるのは容易い。刹那は迷わず横に避けた。 「何!?」 刹那はそのまま坪八の喉下に刀を突き付ける。 「ま、参った!勘弁してくれ。」 「・・・まあいいでしょう。」 ゆっくりと夕凪を鞘に納めると坪八も立ち上がり刀を納める。 「へへっ。ありがとよ。アンタ強えーな。名前は何て言うんだ?」 「桜咲刹那です。」 「そうか・・・。どうだ刹那、おめぇ黒生家に来ね―か?」 「黒生家とは何ですか?」 「ここら一帯を治める武家だ。どうだ、一緒に来ね―か?」 (武家ということはやはり現代ではないようだ。しかしまだ情報が少なすぎる。ここを治めると言うことは  おそらく色々な情報が手に入るはずだ。) 「いいでしょう。行きましょう。」 それを聞いた坪八は嬉しそうだった。 「よ~し決まりだ!それじゃ後で屋敷に来い。じゃあな。」 そう言い残すと坪八はとっとと帰ってしまった [[第二話へ>http://www16.atwiki.jp/amaterasu/pages/15.html]]

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