いつも、最初に雪に気づくのは結だった。
「雪の音がする。」
教室の窓をあけて、手のひらで雪を受け止めて笑った。
「ほら、見て」
雪がつもった帰り道、結はすごくはしゃいでいた。
寄り道しようよ。 と言って真っ白な公園にどんどんはいっていく。
手のひらにのるぐらいの、小さな雪だるまをつくってみたり
髪についた雪を舐めてみたり。
走ったり、
笑ったり
寒がったり。
ココアの缶で暖めた両手でほほを包むと、結は、「暖かい」といって微笑んだ。
「雪が降ると、あ、今年も神様からのご褒美が降ってくるって、思うんだよ。」
愛しい冬の日の記憶
最終更新:2006年08月27日 20:06