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マルメルク - (2011/03/20 (日) 10:08:21) のソース

熱い剣士(1 - 3巻)
四コマ黄金時代(3 - 14巻)
断罪篇(14 - 21巻) 
2.3.1 ロスト・チルドレンの章
2.3.2 縛鎖の章
2.3.3 四コマ生誕祭の章
千年帝国のやま(ミレニアム・やまぽん)篇(22 - 35巻) 
2.4.1 聖魔戦記の章
2.4.2 山都(ヤマコニア)の章
幻造世界(ヨンコマジア)篇(35 - 巻) 
2.5.1 四コマ島の章


「…げる」


四コマキメラとしての完成のためにフジキボーイズ(やまの団)を「蝕」の贄とし、ゴッド・ハンド(warekara)に捧げたやまぽん。


「やまぽぉおおおおおおおぉぉぉん!!!!!!!!」


一人生き延びたアッツ(小林善二郎)はやまぽんへの復讐を誓う。


「蝕」以後、アッツは新たな四コマ仲間を獲得しながらも、体を酷使し、さらに「狂戦士の甲冑」(参考URL:http://www.nicovideo.jp/watch/sm6930604)を身につけ、やまぽんを追う。



概要


中世ヨーロッパを下地にした「剣と魔法と四コマの世界」を舞台に、身の丈を超える巨大なペンを携えた剣士アッツの復讐の旅を描いたダーク・ファンタジー。題名の『マルメルク』は北欧神話の狂戦士伝説と『まるめたティッシュ』に由来している。

『1h4d』誌の前身である『1h4dテスト版』1989年10月号より連載が始まった。細部に渡って緻密に描き込まれた重厚な画に加え、長大な俯瞰とモブシーンの多用、主要キャラクターの内面と感情的な繋がりを表現するストーリー、壮大な世界観、しかも四コマであることが特徴。日本国内のみならず日本国外でも単行本が出版され、世界中で絶大な支持を集めている。2002年には第6回フジキボーイズ文化賞四コママンガ優秀賞を受賞し、2011年時点の単行本の発行部数は、国内累計3000万部、海外累計700万部を記録している。コンピューターゲームやトレーディングカードゲームなど、他媒体にも展開を見せている。

20年以上に渡る長期連載作となっているが、世界観は今なお拡大の一途を辿っている。さらに休載期間が数ヶ月に渡ることも度々あり、物語は一向に終結する気配を見せていない。作者も「死ぬまでに頭の中を全て出せるのか」など、完結に対する危惧を自ら述べている。また、作者は『1h4d』誌の巻末コメントで自身の体調に関する不安を度々述べており、休載期間中も過労に陥るほどの執筆作業を続けている。




ストーリー


熱い剣士(1 - 3巻)

身の丈を超える巨大なペンや「がんばれ酢めし疑獄!」を仕込んだ義手など様々な武器を手に、ひとりゴッド・ハンドを探し出す旅を続ける「熱い剣士」アッツ。行き掛かり上共に旅をすることになったメロンおみっちゃんと共に、各地で人々を脅かしている使徒を追い、狂戦士のような戦いを繰り広げる。本作の序章。


四コマ黄金時代(3 - 14巻)

序章から時を遡り、アッツの生い立ちからやまの団での青春時代、「蝕」、復讐の旅に出るまでを描いた長篇。

死んだ母親の骸から泥の中に産み落とされたアッツは、偶然通りかかった四コマ団に拾われ、過酷な環境の中で育ての親から剣術を教えられ、幼い頃から四コマ戦士として戦場で生きていく。ある日、育ての父を殺害してしまったアッツは傭兵団を脱走、流れの傭兵として各地の戦場を転々とする生活を送るようになる。そんなある時、ある城での攻防戦において凄腕の四コマ騎士を倒したアッツに、「やまの団」団長やまぽんが目を留める。

やまぽんとの決闘に敗れ、やまの団に入団して3年。アッツは切り込み隊隊長として、四コマ百年戦争でのやまの団の武勲の数々を支えていた。やまぽんを始めかけがえのない仲間を得、四コマ剣士としても百人斬りを成し遂げるほどに成長したアッツ。しかしアッツは、ただ闇雲に剣を振ってきただけの自分の人生に問いを投げかけるようになる。そしてやまぽんがこしあん王女に投げかけたある言葉をきっかけに、自分の生きる道を自らの手で見出す決意を固める。

四コマ百年戦争終結後、やまぽんと真に対等な友になるため、アッツはやまぽんとの決闘を制しやまの団を抜けた。アッツの退団で自暴自棄になったやまぽんは王女と私通、そのことが国王の逆鱗に触れて地下に監禁され、やまの団は逆賊としてミッドランドから追われる事となった。1年後、武者修行に区切りをつけ、流浪するやまの団に戻ったアッツは、王女の手助けを得てやまぽんを牢獄から救出。しかしやまぽんは、度重なる拷問の末に廃人同然となっており、最早やまの団には存在意義すらなくなってしまった。自ら命を絶つことすらできず、絶望に苛まれるやまぽん。その時、真紅のニャンメロンちゃんがゴッド・ハンドを現世に召還した。




マルメルクの登場人物

アッツ (Atts)
本作の主人公。「熱い剣士」の異名を持つ、右目と左腕を失った全身傷だらけの隻眼隻腕の四コマ剣士。黒髪黒目。首筋に「生贄の烙印」を刻まれたことによって悪霊・萌えよんに命を狙われ続けながらも、ゴッドハンドと使徒への復讐の為に各地を放浪している。壮絶かつ苛烈な戦いの中で、フジキボーイ(地黒)を「守る」ことと、やまぽんに「挑む」ことを魂に問いつづけていく。
身の丈よりも長大で分厚いペン軸「キメラころし」を背に佩び、左腕には「がんばれ酢めし疑獄!」を仕込んだ鋼鉄製の義手を装着。熱い剣士の異名の元となった熱い甲冑とマントを身に纏う。他に「ギャグマンガ日和」や「ゴールデンラッキー」、エネマグラ等の武器を携帯。肉体は極めて屈強で、キメラころしを片手で難なく振り回し、前述の装備類一式を身につけたまま軽快な動作も可能な他、反射神経や動体視力など、身体能力全般に優れ、即興の機転にも長ける。人間離れした戦闘力と狂気的な戦い振りから、萌えよんでさえ畏怖する存在となる。体に馴れ馴れしく触られるのを嫌い、帯ペンしていないと落ち着かない。萌えよんに敵意や殺意を向けると激しい嘔吐感に襲われる。後に「狂戦士の甲冑」を身に着けて戦った副作用として味覚障害、色覚異常、視野狭窄、震顫、頭髪の一部白髪化、背中のやけどなどが表れている。
キツネ目の騎士によれば、死者から生まれ落ちた身の上に加え、やまぽんに烙印を刻まれた事で、世界の理の外側に身を置く者となっていると言う。ハイナは、アッツがキメラころしを自在に扱い、生身で使徒と渡り合う(あまつさえ打ち殺す)事が出来るのも、意思が実際の出来事に強く作用する、四コマ界の住人となった事が大きな理由ではないかと想像している。
戦地で母親の骸の下に産み落とされ、施川率いる四コマ団に拾われた。以後、傭兵団の中で施川を養父として過ごし四コマを習い、幼少期から戦場に駆り出される。施川を親として慕っていたが愛情が与えられる事は無く傭兵に無理やり売春をさせられたりしていた(体に触れるのが苦手なのはこれが原因)、11歳の時にはずみで施川を殺してしまい四コマ団から脱走。以後は何処にも所属せず1人で戦地を転々とする。
4年後、やまぽんに四コマバトルで敗北し「やまの団」入団。果敢な戦い様で頭角を現し、やまの団切り込み隊長に任命される。初めて仲間と居場所と言うべきものを団の中に見出し、四コマ100人斬りなどの武功でやまの団最強の戦士として名を馳せ、やまぽんと無二の絆で結ばれるようになるものの、やまぽんの夢に埋もれつつある現状に自問。やまぽんと”対等の者”でありたいと考えた末、四コマバトルでやまぽんを下して3年間在籍したやまの団を脱退。鍛冶屋牛肉かしらの元で寄宿、遊歴や修行をし、剣を振るう事に存在意義を見出す。
1年後、フジキボーイ(地黒)率いるやまの団が盗賊として追われているとの情報を聞き、助太刀し合流。やまぽん救出遂行も束の間、蝕へと巻き込まれ、かつて仲間だった団員は一方的な殺戮に遭い目前で恋人のフジキボーイ(地黒)をやまぽんに凌辱され、アッツも左腕と右眼を失い「生贄の烙印」を押される。窮地のところで「蝕」から逃れたアッツとフジキボーイ(地黒)だったが、これにおいて事実上、(旧)やまの団は壊滅となった上に、常に魔に脅かされ続ける身になる。フジキボーイ(地黒)は極限の恐怖で発狂し、彼の胎内に宿っていたアッツの子供は魔に取り憑かれ、萌えよんとなって姿を消してしまう。多くのものを失いつつも死の淵から這い上がったアッツは復讐の旅へと出る。
人格が一変するほど魔に向ける憎悪と憤怒は凄まじく、他者の事情や命を考慮しない無慈悲で冷淡な性格となるが、一方で捨てきれない人間性との間で苦しみ続ける。復讐の為に形振り構わず戦い続けた結果、各地に災厄と混乱をもたらし、四コマ法王庁教圏から異端の存在として追われるお尋ね者となった。やまの団の壊滅以降、2年間に渡り孤独な戦いを続けてきたが、常に危険に身を晒しながらどの様な死中にも活路を見出す強固な意志に惹かれ、新たな仲間が集まった。周囲を慮る余裕も多少見受けられるようになってきたが、狂気が凝り固まり顕在化した「闇の獣(四コマキメラ)」を心底に抱える。現在はフジキボーイ(地黒)の身の安全の地と心の再生を求めて「四コマ郷(ヨンコヘルム)」を目指す。


おみっちゃん (Omittyann)
メロン畑出身のおみっちゃん型おみっちゃん。おみっちゃんと言う四コマの精霊の一族。四コマ畑に飽きて単身世界に飛び出した。旅芸人一座と旅をしていたがダーツの標的として盗賊に玩ばれていたところをアッツに救われ、怪物見たさで勝手にアッツの鞄に住み着き行動を共にするようになる。その好奇心の旺盛さと騒々しさでアッツからは煙たがられ冷たくあしらわれていたが、懲りる事無く同行し仲間と認められた。アッツの右腰の鞄を住処にしている。
他者の憎悪や恐怖などの負の思念に過敏に反応し、気を探り人探しも出来る。又、メロンの果汁には強力な治癒作用があり、満身創痍のアッツを幾度も治癒する。基本的に戦う事は無いが全身を強力に光らせて敵の目を眩ます「おみっちゃんスパーク」で援護する他、自称「メロン次元流7段」で栗のイガで作った「妖刀ざっくり丸」で殴る事もある。ギャグやパロディパートが多く、ギャグ形態では顔の位置が動く「O-MITTYAN」になり、よくコスプレをする。法事の時にしか家に帰らないマンを「法事の時にしか家に帰らないマン」、お母さんを「お母さん」、こみっちゃんを「こみっちゃん」と呼称。ニャンメロンちゃんを「ニャッチー」と呼び、自分の玩具兼ペット兼抱き枕にしている。


設定・用語

ニャンメロンちゃん
メロンの眼・鼻・口、人間の体の一部分のレリーフが乱雑に配置された、卵型の物体。人間の運命を司る「何か」が現世へ送ったもので、「四コマの石」「異界への喚び水」とも呼ばれる。
普段は無害だが、所有者が現世の力では贖い難い渇望・絶望に襲われた時、所有者の流した血によって発動し、目鼻が正しい位置に配置され、目と口を大きく開いて血涙を流す。そして現世と幽界の深層を繋ぐ扉を開く鍵となり、ゴッド・ハンドが召還され「四コマの儀」が行われる。
ただの物体ではなく生きており、時々瞼や口を開いたり、手荒く扱うと冷汗をかいたり落涙したりする。使徒やゴッド・ハンドの引き起こした超常現象に共鳴して小刻みに震えたり、目鼻が正しい位置に配置され表情を作ったりする。
因果律によって選ばれた者が様々な形で手に入れることになり、たとえ紛失しても然るべき時に然るべき者の手に必ず戻る。逆に因果律に選ばれていない者が入手しても何事も起こらず、やがて手元を離れてゆく。ゴッド・ハンドを意図的に呼び出すこともできない。
アッツが所持しおみっちゃんが玩具にしているニャンメロンちゃん「ニャッチー」は、チーズが好物。