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それは、遠い昔のことだった
二人はその頃、親友であり、ライバルである存在だった
共に無名であり、どちらが早く名前が売れるほどの作家になれるか、いつも話していた
よい作品を作るために、二人は互いに競い合い、励ましあった
しかし、二人には大きな違いがあった
作業場のリーダーとして、みんなから慕われる伊知郎
一方、竜騎士は、伊知郎に比べると、全体的に見劣りしてしまっていた
なぜかは分からない
どこかに決定的な差があったわけでもなかった
ただ、一つ、竜騎士本人が理由としてこう言っていた
竜騎士「ファミコンを持っていなかったから友達が出来なかった。」
ファミコンの所有
それが、二人の差であったのかもしれない
それに嫌気が差し、竜騎士はそこを飛び出した
そして数年後
竜騎士も仮想現実「ひぐらしのなく頃に」を作り上げ、この世に名を知らしめた
そのことはもちろん、伊知郎も知っていた
さらに数年後
竜騎士にある事件が起こる
竜騎士の仕事に嫉妬したある集団が、竜騎士の作品を使った創作物を世に送り出そうとしていた
しかし、竜騎士の仕事も似たようなものであり、それにとやかく言うのは気が引けていた
この事件は後に、平成のダム抗争として語り継がれることになる
…時は過ぎ、都内某所…
竜騎士「いえ、『ひぐらし』に関する二次創作はこちらでは何も関与しない
ということになっておりますので…はい…失礼します。」
伊知郎「どうしたよ~?揉め事か~?」
竜騎士「いや、もう済んだんだ。もう少し早けりゃ見れたのにな。」
伊知郎「俺ァまた心配しちまったぜ?
またベソかいて泣いてんじゃねェかと思ってよ。」
竜騎士「前原、お前が目障りだったんだよ。ガキの頃から何をするにもお前が指図しやがる。
いつも子ども扱いだ…どこにでも出てきてボス面しやがるッ!」
伊知郎「おめぇもボスになったんだろ?この壁際の戦いでよぉ?」
竜騎士「前原ァァァァ!!」
伊知郎「さんをつけろよデコ助野郎ォ!!」
竜騎士「死ィィィィねェェェェェェェ!!」
現在では二人は親友と呼べる間柄ではなかった
しかし、こうして互いに高めあおうとする形は、未だ変わっていなかった
また、この業界ではこう言われている
?「竜騎士の仮想現実『ヴァーチャルリアリティ』を打ち破れるのは前原伊知郎だけだ」
と…