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本当に同じ人?! あるアドバイザー(医師)の発言と論文

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本当に同じ人?! あるアドバイザー(医師)の発言と論文

武田邦彦さん(中部大学)のブログより
http://takedanet.com/2011/06/post_a564.html

  • (引用者注)多面人格を同時に泳ぎ抜くことができる山下俊一氏、ここでは、WHOの専門委員として語ったようです。

ある県のアドバイザーの先生は「1年100ミリまで大丈夫」、「放射線は健康に良い」と言われています。機会があって、その先生の論文(お医者さんの学会での講演をまとめたもの)を読みました。(タイトルは次の通り)


講演は患者が放射線の被曝を受けるCTスキャンなどを使うときにどのように考えれば良いかということが中心でした。そこでは、次のように書かれています.

 一方、人口あたりどのくらいの放射線発がんリスクがあるかというと、だいたい100人ががんで死ぬと、そのうちの1人は、欧米あるいは普通の国ではひょっとすると診療被曝のせいかもしれません。しかし、日本は線量が多いということから約3倍高いという報告がなされました 22)。3%と1%だから、あまり差がないではないかと思いがちですが、たとえば、がんで年間30万人死亡するとして、3%というと9000人という非常に大きな数になります。交通事故より多いのです。このようなリスクに対する認識が日本ではほとんど議論されてきませんでした。その結果、日本はCTを含めて医療被ばく天国となっています。アメリカでも実は同様のCT被ばく過剰な状況にあります 23)。

つまり、レントゲンとかCTスキャンなどで患者が被曝することが多く、特に日本ではあまりに気軽に診察で被曝させていると警告しています。ヨーロッパではガンになる人の1%が医療によるもので、被曝量の多い日本ではそれが3%になるとしています。

そして、この「3%」について、
「1%と3%で差がないと思いがちだが、3%というと日本人で9000人だから、交通事故よりも多い」と警告しています。

つまり、医療用に低い線量の被曝をしてもかなりのガンが発生しているとアドバイザーの先生は言っておられます。さらに、次の文章は、この先生のご講演などをお聞きになった福島の人は信じられないでしょう。

 長崎、広島のデータは、少なくとも、低線量率あるいは高線量率でも発がんのリスクがある一定の潜伏期をもって、そして線量依存性に、さらにいうと被ばく時の年齢依存性にがんリスクが高まるということが判明しています 26)。
 主として20歳未満の人たちで、過剰な放射線を被ばくすると、10~100mSvの間で発がんが起こりうるというリスクを否定できません。CT1回で10mSvと覚えると、年間被ばく線量を超えるということがわかります。子どもが急性虫垂炎の手術だからと簡単にCTを撮る、頭部のトラウマで何回も撮るということが行われています。

このところでは次の4つのことが書いてあります。

1)広島、長崎では低い被曝でもガンのリスクがある、
2)年齢が低いとガンの危険性が高い、
3)20才未満では、10ミリシーベルトで発がんが起こる、
4)だから年間被曝量を考えてCTなどをとるのは危険。

先生に特別の意図があったのかも知れませんが、医者を相手にした学会では、10ミリシーベルトで危険と言っておられます。

これは、「一般人で1年1ミリシーベルト、健康を管理していれば1年5.2ミリシーベルトにできる」という「日本の法律」に沿ったもので、これまでに長く言われてきたことと同じです。
10ミリで発がんの危険性があるのですから、一般的な基準値としては、レントゲンを撮ったりする人もいるので、その10分の1、健康管理していれば2分の1という値は適当なのです。

なぜ、このように同じ一人の医師が、少なくとも見かけ上は違うことをお話しになっているのでしょうか? 

おそらくは福島では
「政府が決めたのだから、ガンになっても仕方が無い。だから100ミリまで」
ということで、医師に対しては
「ガンの危険性があるから10ミリ以上は使わない方がよい」
と話されたのでしょう。

考えさせられる論文でした。

(注1)
論文の出所(日本臨床内科医学会)
日本臨床内科医会会誌 第23巻第5号 2009年(平成21)年3月
(注2)
私は個人を批判することはしないようにしていますが、この場合は子供の健康に関係があることと、政府の20ミリになんの根拠もないことを示すために具体的な論文を示しました。
(注3)
先日、このブログで秋田県の医師が心配しておられることを紹介していますが、日本の医師のほとんどの先生は慎重でよく考えておられます.

(平成23年6月1日 午前11時 執筆)



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