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沖縄新報:昭和19(1944)年12月8日第2面

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沖縄新報:昭和19(1944)年12月8日第2面


昭和19年(1944年)12月8日大詔奉戴日の沖縄新報第2面の中心記事は<現地軍参謀長談>、すなわち、第32軍参謀長・長勇陸軍少将(当時)の公式談話です。
http://www.okinawatimes.co.jp/sengo60/senji/1944120802.pdf


私がこの紙面をまず解読する必要を痛感したのは、この紙面を歪曲して紹介したブログを発見したからです。
私も問題点をコメントとして指摘しました。コメント欄でのディスカッションを読めば、問題点が理解できると思います。

※ なお、上記ブログ主さんは議論の続行を望んでいらっしゃらないようなので、具体的建設的な御意見がある方は、当ブログの掲示板にて、書き込みをお願いします。



叡慮に応え奉らん
一人十殺の闘魂
布かう滅敵待機の陣

軍民一如
大東亜戦争四年、あの日の感激いま一億に新たなり、この秋わが戦略内戦不落の長城たる南西諸島は滅敵待機の鉄壁陣を布き闘魂愈々燃え熾(おこ)ってゐるが現地軍参謀長は必勝第四年突入に當り次の談話を発表、軍民一如総突撃に拍車をかけている

現地軍参謀長談
大東亜戦争の天王山と言われる比島戦局を初め大陸戦その他■■如に亙り活発な攻勢がとられしかも太平洋戦局に於ては敵はその補給路が伸び切ってポンと叩くと直ぐ殪(たお)れるところまで来てゐる。欧州戦■■反枢軸連合軍をマヂノ戦まで引き寄せ、ソ連に対しても国境線でこれを喰い止めて今独逸は縮少したこの体勢を利して頑張ってゐる、何れV3の新兵器が出動して最後の決戦に突っ込んでいくであらう。しかも英国は既に死線を彷徨している現状にある。

戦局の将来は全く神のみがこれを知ると云わねばねばならぬが大東亜戦争第四年こそその大勢を決する年である。日本は世界にどの国に比べても夫々余裕がある. 精鋭を誇る無疵な民力を幾らでも守って居り、しかも敵米が物量を恃んでも物量以上の戦争の要■である敢闘精神の真価は最近漸く敵の心臓を襲ひ、その計画を■さんとする方向に向かひつヽあるではないか、陸海空一体、民族的渾身の努力は実にこれから発揮されて行くのだ、

今日まで日本は敵をおびきだすために出すぎてゐた、従って戦局に凹面を措いたりしたのだがわが意図に乗って■れた敵は今や筐にはいって来たのである、その伸びて来たのを補給すればする程叩かれてゐるのが現在の戦局であり敵は泣くに泣けぬ■所に立って居る、恐らく英国の艦隊も合流して来るであらう、その時こそ一気にこれを叩きのめして反枢軸国家の制海権を世界から抹殺するのである、

■して我が南西諸島の持つ戦略的地位はいよいよ重大を加えてきたがこの要衡は文字通り不沈戦艦である、敵米一万の艦船を■へると雖も微動だにするものではない。■■の充実のみを以てしても此■で戦って勝たぬということは絶対にあり得ない、この布陣に立つわれら既に呑敵の士気■昂たるものがあり、折角のところ敵がやって来ぬではつまらぬとさえ思ってゐる、

敵米は今日まで小さい島の攻撃に自信をもって来たわけであるが流石にこの南西諸島へやって来ぬのは利口である、軍に斯る鐵桶の陣あり、同時に一般国民もすべて軍人であっていよいよ敵必殺、一人十殺の闘魂を沸上させてこの第四年目を勝ち抜いて貰いたい。



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