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産経【田母神氏招致・詳報】(5)(6)

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産経【田母神氏招致・詳報】(5)(6)



(5)「絶対に意見が言えないと…どこかの国と同じくなっちゃう」


 11日の参院外交防衛委員会での田母神俊雄・前航空幕僚長の参考人招致(5)は以下の通り。


【民主・犬塚直史氏の質問は続く】


 犬塚氏
「こういうやり方で政府は本当にいいのか、懲戒しなくていいのか」

 浜田靖一防衛相
「事の重要性というものを考えて、逆に言えば、われわれの判断に対して、今日この委員会において、参考人として田母神さんをお呼びをして、そしてわれわれの政府としての考え方をいっているわけですから、その意味では、国会の極めて正常な形で、今、やっているというふうに、私自身は思っているところであります」

 犬塚氏
「なぜ、懲戒の手続きに入らなかったのか。一つの大きな原因は、6000万円といわれる退職金の問題だと思うが、そういうことも勘案し、54日といわれているが、審理が54日であれば、1月の退職の前に終わるはずなのに、どうして途中で、止めてしまったのか、どうして懲戒手続きに入らなかったのか。もう一度うかがう」

 浜田防衛相
「われわれとすれば、なぜ入らなかったのかといわれれば、われわれとすれば、この懲戒手続きに入った際に、航空幕僚長から空将に格下げをした、その際に、定年の日数というのは、統合幕僚長(ママ)においては、定年の延長はできますけれども、空将の定年延長はできませんので、その意味では、1月の終わりに定年がくるということでありますので、その中で一番重要な一番厳しい措置をすべきだというふうに考えて、われわれとすれば、今回懲戒の手続きに入らずに、早期退職を求めたということでございます」

 犬塚氏
「それは田母神参考人に伺うが、もし審理に入ったら、ご自分の政治的な意見をそこで述べる気持ちがあったのか」

 田母神氏
「はい。審理に入れば、私は、まあ、村山談話というのは政治声明だと思いますから、われわれにも表現の自由やら、言論の自由は許されているはずだからというところは主張させていただくつもりでおりました」

 犬塚氏
「村山談話の話をされているが、この件は村山談話、あるいは一国の憲法解釈を超えた話だ。侵略の定義は安全保障にかかわる国会論議の中心的課題だ。こういうことは、行政府のことじゃない。こういう話は、立法府が徹底的に議論すべき話だ。このファクスの送信票を見ると、懸賞論文の募集について。送信元が航空幕僚監部人事教育部教育課。あて先が各責任者に向けてでている。内容は懸賞論文募集について。歴史に重点を置いた精神教育の趣旨に合致するものとして、紹介願いますということが上から来ている。田母神参考人は統合幕僚学校の校長先生としての経歴をお持ちだ。純真な自衛隊員が入ってくる。そういう人たちがこれから日本の専守防衛の自衛隊のこの立派な原則に基づいて行動する自衛隊員にたいして、政府見解と違い、こういうことを上から出すことに私は大きな危機感を持つが、田母神参考人は、そのような自覚はお持ちか」

 田母神氏
「あの、統幕学校の学生は、一等空佐であるので、とてももう純真とは言えません。40過ぎて。それから、私が、学校ではですね、国の方針とかいろいろありますけれども、それはまた、学校の中ではですね、いろんなことを議論、学校の中だけですから、例えば専守防衛という決められた枠からわれわれがはみ出て行動するとかいうことではわけですね。だから、それを、結局、議論をして、自由に議論をしましょうということですね、学校では。それも議論ができないというと、日本って本当に民主主義の国家ですかと。何か決められるとですね、絶対に意見が言えないと。政治将校がついていて、どこかの国と同じくなっちゃうんじゃないですか」


(6)「ワインの会に都合3回ほど出席した」


 11日の参院外交防衛委員会での田母神俊雄・前航空幕僚長の参考人招致の詳報(6)は以下の通り。


【自民・小池正勝氏の質問】


 小池氏
「日本を語るワインの会はご存じか」

 田母神氏
「しっております」

 小池氏
「この会が平成16年9月15日に開かれて、参考人は出席したか」

 田母神氏
「はい、私は都合3回ほど出席した」

 小池氏
「その平成16年9月15日のワインの会の出席者は参考人、鳩山由紀夫民主党幹事長ご夫妻、懸賞論文のアパグループ代表の元谷夫妻なのか」

 田母神氏
「はいその通りです」

 小池氏
「ありがとうございました。文民統制と再発防止という観点から質問します。自衛隊は国民の意思に基づいて運用されるのが文民統制で、この文民統制についてどのような考えをもっているか」

 浜田靖一防衛相
「文民統制とは軍事に対する政治の優先。軍事力に対する民主的な政治統制を意味する。軍事力は国民を守る力であると同時に、使い方を誤ると国民に対する脅威にもなる。軍を政治の統制下で活用するとともに、軍の政治介入を防ぐ文民統制を確保するための制度がつくられたと招致している。わが国の文民統制について具体的にいえば、国民に代表する国会が自衛官の定数、主要組織などを法律、予算の形で議決し自衛隊を民主的コントロールのもとに置いている」

 「2番目として国の防衛に関する事務は内閣の行政権に属しており、内閣総理大臣および国務大臣は憲法上すべて文民でなければならないとされている。3番目として内閣総理大臣は自衛隊に対する最高の指揮監督権を有しており、内閣には国防に関する重要事項を審議する機関として安全保障会議が置かれている。4番目として防衛省では文民たる防衛大臣が国の防衛に関する事務を分担管理し、主任の大臣として自衛隊を管理し運営している。その際、副大臣と2人の政務官が政策と企画について防衛大臣を助けることとされている。以上のように国会、内閣、防衛大臣とさまざまなレベルで文民統制が担保されている」

 小池氏
「文民統制からして田母神論文は問題があったか」

 浜田防衛相
「その通りであります」

 小池氏
「懲戒手続きは時間がかかるから、定年退職の形にしてのか」

 浜田防衛相
「その通りでございます。そしてまた今回の自衛隊員のとりわけ幹部たるものについての自らの立場を踏まえて節度ある行動をとること、そして政治家が隊員の行動に最終的に責任をとるという信頼関係に基づいたシビリアンコントロールがあるべき姿と考えており、今回の航空自衛官の身分を保有したままで政府見解と異なる自らの意見を主張することがあれば自衛隊の内外に与える影響が大なものと思いまして、今回もシビリアンコントロールの観点からしても退職の措置は適切だった」

 小池氏
「現行の制度では最高の措置だったということか」

 浜田防衛相
「とりうるべき最善の処置だったと思います」

 小池氏
「懲戒したくても審理手続きなどがあるから時間かかってできないことについてどう考えるか」

 浜田防衛相
「できないといっているわけではなく、審理が定年でできなくなるということを申し上げている。われわれからすると、できないといっていない。そういうことを勘案したときに、手続きをするよりも早期退職をしていただいた方が同じ退職を選ぶことであるならば早期にやめてもらう方が重要だと考えた」

 小池氏
「審理の手続きに時間がかかるから懲戒手続きをしなかったのではないのか」

 浜田防衛相
「途中で審理が中断されて定年退職が施行されるということは、要するに懲戒処分の審理は現職なので、その時点で現職でなくなるということであれば当然そこで退職が決定し、審理がストップするので、われわれとしては断念した」

 小池氏
「審理の手続きが制度的な問題になっているとは思わないか」

 浜田防衛相
「審理手続きの認識は違っていて我々の自衛隊のやっている方の議論で、それを一般職に合わせてやった方がいいとの議論があると思っている」

 小池氏
「審理の制度的な問題が障害になって懲戒の手続きに入らなかったとの理解でいいのか」

 浜田防衛相
「私どもとすれば総合的にそういう判断を下したということ」

 小池氏
「わかりました。施行規則の72条2項には任命権者は規律違反の疑いのある隊員をみだりに退職させてはならないという規定がある。みだりには定年退職は入らないと私は考えるが、どうか」

 浜田防衛相
「依願を排除したものはそういうことになろうかと思います」

 小池氏
「定年退職はみだりに入らないのか」

 浜田防衛相
「そういうことです」

 小池氏
「すると、今回の措置は規定に違反していないということでいいのか」

 浜田防衛相
「その通りでございます」

 小池氏
「文民統制の観点から定年退職をとったと。もう一度答弁を」

 浜田防衛相
「われわれとして、とるべきことをしっかりと考えて決断をした。方法論としてはいろいろな指摘はありますが、今回の事案に関しては不適切、不適当な論文であったし、ご自分の立場というものも含めた中で、われわれとすると、問題があるという判断を下した。その中で最大の判断をして処分を決めた」

 小池氏
「こうした議論を聞いて感想は」

 田母神氏
「とくに感想はありません」

 小池氏
「再発防止に向けてどうするのか」

 浜田防衛相
「われわれとすると、基準の明確化、そしてそれに対する周知徹底、また隊員個人個人の自覚をしっかり指導しないといけない。まず指摘のあったことを踏まえて今後検討してまいりまいりたい」

 小池氏
「再発防止についてどう考えるか」

 河村官房長官
「まさに再び起きないようにするのが大事だし、国民も心配を抱いている。いま防衛大臣が述べられたように、まず省内において規律をきちんとすることが大事で、シビリアンコントロールの重要性はどういうものなのかということを防衛省には教育研修機能をもっているから、そこでもう一度きちんとおさらい、勉強することが大事。政府としてもきちんと検証しながら、一方で防衛省改革が進んでおり、そうした中できちんと考えることが重要と考える」

 小池氏
「防衛省改革は官邸でやっているが、その中でシビリアンコントロールを第一義に考えてやっていくということでいいのか」

 河村官房長官
「シビリアンコントロールは大前提で、ご指摘の通りです」


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