きっかけ by 243さん


奈緒子は俯いたまま動かない。
上田はベッドに背を向けて、
自分の傷を消毒した。
今日の奈緒子は様子がおかしい。
消毒液が悪かったのだろうか?
上田は念入りに消毒液の成分表を確かめた。
ふと衣擦れの音に振り返ると、
奈緒子がベッドに突っ伏している。
「上田、そっち向いたまま聞けっ」
言われるがまま、上田は奈緒子の反対側を向いて待った。
声が震えているのは気のせいだろうか?
「…私は、お前と一緒にいたいのか?」
(いやいや、こっちが聞きたい…え?)
上田は驚いて振り返った。
「自分でも変だと思うけどな…!」
(…泣いてる?)
上田は気付かれないように奈緒子に歩み寄った。
震える背中に手を伸ばそうとしたとき、
奈緒子の一言が全身を揺るがせた。
「私、一人にされて悲しかったんだからな」



好きだ。
俺は彼女が好きで、
彼女も俺が好きで…

「…っ」
上田は奈緒子の背中に覆いかぶさった。
どうなってもいい。
触れていたい。
「うっ上田さん?重…」
奈緒子が身を捩ろうとした時、
上田が首筋を指先でなぞった。
「ひゃうっ!」
変な声を上げてしまい、奈緒子は顔を赤くした。
そっと髪を掻き分け、
首の後ろから右耳にかけてゆっくり舐め上げる。
奈緒子は不安と恐怖におびえながら、
心の奥で安らぎを感じていた。



「…はぁあん、ん」
奈緒子の耳元でぴちゃぴちゃと厭らしい音が響く。

俺は彼女を抱く。
今すぐに抱く。

「…えだ、さ…ん!」
上田は背中から両手を回し、奈緒子の胸をぎゅっと掴んだ。
大きいとは言えない、
今まで散々からかわれた奈緒子の胸。
右手は撫でるように、
左手は揉むように動かす。
「…俺は君を好きで、君も俺が好きだ。抱かせてほしい」
率直な気持ち。

「…はんっ、あっ…」



「やんっ、…えださん…私」
拒むのか?
止められるわけがないじゃないか。
上田は奈緒子の服を脱がせにかかったが、うつぶせのままではどうもやりづらい。
奈緒子の体を起こし、向かい合わせになるように座らせた。
ブラウスのボタンに手をかけるが、奈緒子は未だ俯いている。
「…こっちを向け。俺を見るんだ」
左手で奈緒子の顎を少し上げさせた。
目を合わせてはくれないが、紅潮した頬と濡れた瞳に目を奪われた。
ボタンをすべて外し、ブラジャーの隙間に右手を差し入れる。
「っ…」
奈緒子の表情が変わる。
軽く突起を摘むと、奈緒子の吐息は一層色気を増した。
「は…ぁん…」
奈緒子はスカートの裾をぎゅっと握り締めた。



微かに腰が動くのを、上田は見逃さなかった。
ブラウスを半ば強引に脱がせ、ブラのホックを外す。
露になった胸は小さいが形は良い。
思わず見とれていると、奈緒子は腕でそっと胸を隠した。
「…綺麗だよ」
腕を押し退け、上田は乳首をそっと口に含んだ。
「あぁ…っ!や…あ」
少し吸ってみると、体がびくんと跳ねた。
奈緒子が声をあげるたび、上田は舌を激しく動かした。
奈緒子は上田の頭を抱え込む。
ふと気付くと、奈緒子は太ももを擦り合わせるようにして腰を動かしていた。
…そろそろいいだろうか。
上田は顔をあげ、奈緒子をぎゅっと抱き締める。
奈緒子は上田の肩に頭を預けた。
高鳴る鼓動を押さえ、上田は恐る恐るスカートの中に手を伸ばす。
ももの辺りをゆっくりと撫で、少しずつ近付けていく。
奈緒子は上田のシャツを握った。
恐怖と期待の入り交じった鼓動が、上田にも伝わる。
そして上田はとうとう、その場所に触れた。



「はっ…あぁんっ!」
しっとりと濡れた下着の上から、人差し指と中指をつかってゆっくり撫でていく。
クリトリスらしきところを見つけ、上田は少し強めにソコを擦った。
「うあんっ、いたっ…」
「!!大丈夫か?」
慌てて手を離し、奈緒子を見る。
やっと目を合わせてくれた。
恥ずかしそうに時々目線を外しながら、奈緒子はぽつぽつと語りだす。
「あ、あの…。痛いってゆーか、だから…つまり…。き、き、気持ち良すぎてっ、
…痛く、感じたんだと…思う、わけで…。だから、その…」
やっと素直に語ってくれた。
上田は安堵の表情を浮かべ、奈緒子の体を優しく倒す。
「もっとしてもいい、ということだな?」



奈緒子は無言のまま、照れたように口を尖らせた。
上田は頷き、奈緒子の足を立てて少しずつ広げさせる。
水色の下着の一部がマリンブルーに染まっていた。
顔を埋め、下着の上からキスをする。
「や…恥ずかしいだろっ」
奈緒子は両腕で顔を覆った。
上田はクリトリスを吸い上げ、舌で突つく。
「っん、ああ!」
奈緒子は体を捩った。
舌で転がされ、甘噛みされるたび、頭の奥がぽおっと熱くなる。
奈緒子は上田の頭を抑えつけ、腰を少し上げた。
「んっん…上田さん、も少し…強く」
上田は奈緒子の下着を引きずり下ろした。
とろとろした愛液がねっとりと糸を引く。
奈緒子のソコは、思っていたよりずっと綺麗だった。
薄紅色に透明な愛液が絡まり、時折ぴくんと跳ねる。
「上田、早く…」
物欲しげな眼で見つめられ、上田は我に返った。
「…俺ももう限界だ」

最終更新:2006年09月07日 09:55