インセンス

by 81 さん

「……またおまえか上田」
「よお、今日は遅かったじゃないか。洗濯物は取り込んどいてやったから安心しろ」
「……ソウデスカ」
「?なんだ、どうした?顔色が良くないぞ」
「別に。特にないです。ちょっと疲れてるんで……そこの引き出しからお香取ってもらえますか」
「ほう、youがインセンスを購入とは珍しいな。なんだそれはあれか、乳房を大きくする効果が
あるとかそういうやつか」
「違う!」
「ということは、まさか催淫効果があるんじゃないだろうな。おれを妙な気分にさせて誘うつもりか?
そうは簡単にいかな――」
「……そういえば私、上田さんに謝らないといけないなって思うことがあって」
「――まさか、ついに君も愛してしまったのか、俺を……ってなあ、この匂いどっかで嗅いだことないか」
「今まで馬鹿だ巨根だ童貞だ怖がりだ気絶しいだ、なんて事実ばっかりつい言ってましたけど、
それも上田さんの大事な個性なんですよね」
「おい!……やっぱりこのくらくらする感じには覚えがあるぞ。どこだった?思い出せ次郎……」
「というかそれをなくしちゃったら上田さんじゃないっていうか。事件を一人で解決出来ちゃったり
するような完璧な人なら、私、上田さんには出会えてなかった。……ですよね」
「調合を学んだグラースか?……うん?あ、ああ。まあ基本的には俺が謎をとべてすけてるがな」
「そしたら家賃がちょっと遅れちゃったりすることもあったかもしれないし……」
「ハルさんとジャーミー君の苦悩を少しは慮れ、この極貧家賃滞納常習者が!」
「多分もしかしたら他にも上田に助けてもらったりしたこともあったようなないような――ってやっぱりダメだあ!」
「な、なんだ、一体今日はどうしたんだyou。愛の告白がしたいならさっさとしろよ。聞いてやるから」
「天才マジシャンのこの腕をもってしても、自分だけは騙せない、か。お父さん、奈緒子はまだまだ未熟者です」
「君があらゆる面において未熟なことなんて誰でも見ればわかることだろう……だからなんなんだ」
「……上田さん、帝●大学物理学準教授の○川さんて人知ってますか」
「いや、知らない。おれのファンか?」
「違います。なんでも警察から依頼受けて物理学の知識でもって超常現象っぽく見える事件を
まるっと解決しちゃうらしいですよ。しかも福●雅治似で非常事態にも冷静に対処出来ちゃったり、
普段はまじめにまともな研究してたりするらしいです」
「ほう。志を同じくする学究の徒としては喜ばしいことだ。どん超効果がようやく現れてきたな」
「絶対に違う。おまえとの共通点は物理学者なとこと変人なとこと巨乳美女のツレがいることくらいだ!
あっちは学者先生がきちんと謎解きするらしいし。あ~あ、どうせ変人学者の知り合い出来るなら
あっちが良かった!巨根じゃないし!童貞でも変態でも傲慢でも自意識過剰でもないし!いいなあ、
あまりの羨ましさで本当にくらくらさせやがるぜ……柴崎香め」
「そのオチのためにわざわざ用意したのか、you……。というか、そもそもその湯○とかいう奴が
巨根でないとなぜわかる。100%非童貞の証拠があんのかよ!」
「え?○川が童貞……!?」
「可能性はあるだろう。放映前だからな、まだ設定が確定していないことも考えられる」
「福●似のインテリが巨根の童貞……」
「そうだ!それでもおまえは湯○ 準 教 授 派か?よく考えろ山田奈緒子、後者に関して言えば
日本科技大 教 授 であるおれはyouさえなんとかすればすぐにでも」
「そ」
「そうだろうそうだろう、さあこの胸へ飛び込んで来い!」
「それはそれで萌え~」
「もうええ!」
最終更新:2007年12月15日 00:02