はじめてネタ by 名無しさん
2
奈緒子の精一杯の告白は、
上田の耳に届いてはいなかった。
上田は、奈緒子のその美しさに心を奪われ、言葉を失った。
今までに膨大な量の文献を紐解き、数々の女性像を学んできた上田であったが、
今目の前にいる奈緒子を、それらに分類することも言い表すこともできなかった。
ただ一言を除いては。
「美しい・・・・」
しばらくの沈黙の後、上田が言葉を続けた。
「まるで妖精のようだ。
・・・・・そう!!
1976年モントリオール五輪、五輪史上初めての10点満点を出し白い妖精と呼ばれたナディア・コマネチ!
しかしだな、彼女の祖国ルーマニアは当時、独裁者チャウシェスクが支配する自由のない国だったんだ。
国民的英雄であるはずの彼女も、日々秘密警察に睨まれる。ついに彼女は国を捨てアメリカに亡命してしまうのだ。
あぁ!何という悲劇だろう!!!」
こんな状況でも上田は相変わらずだ。
こうなるとお約束のツッコミしかない。
「上田!私を放っておくな!!」
現実に引き戻された上田は優秀な頭脳をフル回転し、
現状把握に務める。
「つまり、
YOUは優秀な物理学者である私を前々から敬愛し慕っていた。
その気持ちは、やがて愛へと発展した。
愛ゆえに男女の関係を持ちたいと・・・。
・・・・私とまぐわいたいと言うことか?」
アホな質問をする上田だが、奈緒子も同様だ。
「・・・・・・ハイ。」
「しかしだな・・
知っての通り、私は優秀な物理学者であり人格的にも完成していると言っていい。
無論、精神面だけでなく肉体的にも優れている。
つまりだな・・・、
私は全てにおいて日本人成人男性のアベレージを超えていると言う事だ。」
「なんだ 巨根を気にしてるのか?」
「YOU!!
私は巨根と言うわけではない!
ただ、アベレージな日本人より少しだけ上回っているだけだ。」
「大丈夫ですよ。
私、上田さんのためなら何だって我慢できますよ。
それに、いつかきっと慣れると思いますし・・・・」
「・・・・・・
「ボケがッ!」って言わないのか?」
「フフッ 言いませんよ。」
今度は上田が勇気を出す番である。
最終更新:2006年10月14日 22:37