初挑戦 by 582さん



いつも奈緒子の前では「天才物理学者」としての顔を保つよう心掛けている上田であるが、
実はかなり純情なロマンチストというか、早い話がいい年齢こいての童貞男だ。
長い時間をかけて少しずつ惹かれてきた女が、いま自分の前にすべてをさらけ出しているという状況。
奈緒子を丸ごと食べてしまいたいほどの心境である。
したがって、もう前戯にかける余裕も消えた。

「よし、行くぞ…!」
急に体勢を整えた上田に、奈緒子はギクリとした。
そりゃ、セックスとはドコにナニを入れるかという位の知識はあるものの、ここまでハッキリ
「突入宣言」をされると急に不安な思いが湧いてくる。
「う、上田さん…そんな大きいの……あり得ないっての…」
奈緒子の両股の間に入り、今や全て脱ぎ去った上田の「大きな根っこ」が天井に向かってそそり立っている。
あれだけネタにされてきた実物を初めて目の前に突きつけられ、先程までの蕩けるような快感も引きそうになった。
上田はがっしりと奈緒子の上半身を抱き、その巨根を花弁の入り口に当てた。
思わず、固く目を瞑った奈緒子に再び深い口付けをする。

「You……奈緒子。これから一緒に暮らそう。ずっと一緒だ」




「えっ……」
目を見開いた瞬間、張り裂けるような衝撃が走った。
「はあぁぁっ…!」
息も出来ない。覆い被さっている背中にギュッと指を食い込ませる。
上田の頭の中も今や真っ白である。
茂みの奥は堪らないほど窮屈で、懸命に進入を試みる矛先に絡みつく。今すぐ果ててもいいと思うほど
強い快感にノックアウトされそうだ。
「い…痛いか? まだ奥まで行ってないが、これでもいいかもしれん…」
「ど、どうせ痛いんだから…さっさとやっちゃって下さい…」
喘ぐ奈緒子を力を込めて抱き締める。そうか、ピークを超えれば少し楽になるかもな。

ベストを尽くせ!!

一気に腰を進ませ、膣の一番奥に先端が届いた。
「ああぁぁぁっっ!」
奈緒子は歯を食いしばる。上田はそのままの状態で奈緒子の上半身を包み込んだ。
二人とも大きく息をつき、少しずつ強張った身体の力が抜けてきた。
やがて上田は上体を起こすと、ゆっくり腰を動かし始める。
「あぁ……あぁん!」
最初は苦痛で歪んでいた奈緒子の表情が変化してきた。固く瞑った瞼が開かれ、瞳がこぼれそうなほど潤んでいる。
上気した頬に半開きの唇から、悩ましく艶のある喘ぎ声が漏れ続けた。
上田の腰の動きがどんどん速くなるにつれて、奈緒子の声も高くかすれてくる。
巨根が何度も何度も子宮を突き上げ、痛みの中から何ともいえない疼きが奈緒子を襲い、翻弄されつつあった。
「……!!!」
声にならない叫びで上田が果てる。奈緒子の白い裸体も大きく弓なりに反った。




目が覚めた。
いつものベッドに横たわっている自分……まさか…まさか?!
ガバッと起き上がったものの、思考回路はまだ起動しないようだ。
ふいにドアがパッと開く。
「おっはようございます! 朝はコレッ!!」
両手に缶コーヒーを1本ずつ掲げ、奈緒子が満面の笑みを浮かべて立っていた。

……夢じゃなかったんだ……。
何だあいつ、人より先にサッサと起きやがって。
えらくサッパリと――可愛い顔しやがって。
「そういや、お前にちょっと似てる女優が宣伝やってるよな」
「知ってますよー。だから冷蔵庫に一杯買い置きしてあるんでしょ?」


  ~ Fin ~
最終更新:2006年09月19日 18:55