入れ替わり not ラブラブ編 by 243さん



何度か押し問答が続き、奈緒子は諦めたように息をついた。

「わがままだな…しょうがない、今回は私がしてあげましょう」

奈緒子は上田を押し倒し、足の間に顔を埋めた。
薄い茂みを指でわけ、舌を滑り込ませる。

「えっ…うぁ、あっ…!」

突然の刺激に戸惑い、上田は奈緒子の髪を握り締めた。
何かに掴まっていないと、どこかへ飛ばされそうな気がする。

「痛いぞ上田!ぅ~…変な味」

奈緒子は再び舌を動かしはじめた。
くちゅくちゅと、唾液と愛液の入り交じった音が耳に届く。



「んっ…ふ…はうっ…
なんだこの感覚は…!すさまじいパワーだっ…」
「変なことゆーな。
 あ、これがクリトリスってやつか…?あむっ」

小さく膨らんだそこを、奈緒子は丹念に舐め回す。

「あぁっ!…はぅ…山田ぁ…あッ」
「そんな声出さないでくださいよ、こっちが恥ずかしい…。
 あ…もういいかも…つけますね」

これまでの行為で再び大きくなったそこに、
奈緒子はゴムをかぶせようと奮闘している。

ついにこの時が来たのか…。
上田は不安が頂点に達し、起き上がって思わずペニスをつかんだ。



「わ!?何ですか…」

意を決し、上田は震える唇を近付けた。
先端を口に含み、舌をちろちろと動かす。

「…ふ、ん…」
「ふぁっ!?っう、うえだ…」

苦い、まずい。
だが痛みよりましだ!
このまま何度も口と手でイかせてやれば、力尽きてくれるかもしれない。

「…ふっ、んんー…ぶぇふとをつくふぇ~!」
「ベ…ベストを尽くせ?」

上田は口の最奥までペニスを呑み込み、高速で頭を動かす。
体中に妙な感覚が走り、奈緒子は背中を仰け反らせた。

「っにゃ~!…ちょっと、上田さんっ…
 ストーーーップ!」
「おおぅっ!!」

奈緒子は思い切り上田を蹴り飛ばした。
うずくまって息を荒げる上田をじっと見る。

「…上田さん、入れられるのが怖いからって時間稼ぎしてません?」

しまった、ばれたか。
上田は口元を拭い、乱れた髪を耳にかけた。
笑顔を作りそろそろと奈緒子に近付く。



「いやいや、YOUに男性の快楽というものを味わわせてやりたいんだよ」
「じゃあ、もう入れていいですか?それが一番の快楽だと思います」

正論だ。

ふふん、と鼻で笑い、奈緒子は上田の髪を一房掴んだ。
もう逃げることはできない。

次の言い訳を考えているうちに、あることに気が付いた。

「YOU、物事には順序というものがある」
「濡れてる、立ってる、だから入れる。順序どおりだろ」

指折り数えながら、奈緒子はさも当然かのように言う。
大雑把なやつだ。

「…違う、キスがまだだ。キスをしよう山田」
「あぁ…忘れてました」

奈緒子は上田の髪を引いて顔を寄せ、ちゅっと一瞬口付ける。
あまりに幼すぎるキスに、上田は呆れて苦笑した。




「はい、キスした。…何笑ってるんですか」
「今のがキスか。YOUは子供だな」

奈緒子はむっとしてまた顔を近付けた。
子供と言われたのが悔しいのか、かなり真剣な目をしている。

「…いいんですか、本気でしても」
「ど~んと来い!」

どんなに頑張っても所詮は山田だろう。
まぁ一応努力だけは見てやろうじゃないか。

上田は静かに目を閉じた。



最終更新:2006年09月16日 11:43