120806-1

アルカ的な文法論で分析したノシロ語

ノシロ語(NOXILO)とは、水田扇太郎(1948年~)によって、1989年に発案され、1996年に『ノシロ -- 日本で生まれた共生時代の簡易言語』(内外ケアー)で出版された国際補助語を目的とした人工言語のシリーズである。
実態はアジア主義・反欧米・反エスペラント国際協調の思想を体現するための思想型哲学的言語であり、工学言語に分類されるか、EUとAU(アジア連合)という架空の団体に統治された架空世界で使われるように設計された芸術言語の一種と推測される。
SOV型の一類(Mode I)、SVO型の二類(ModeII)、VSO型の三類などの方言をもつが、基本的にSOV型の一類において、運用効率が最大化するように作られている。
語彙構成は多言語参照アポステリオリであるが、特に英語と日本語の語彙の割合が高い。



名称の由来

ドイツ語のNEU(新しい)、中国語の世界(sai3 gaai3)、ギリシャ語のλόγος(言語)をカタカナ語にした、ノイ、シージェ、ロゴスの各々の第一音節を繋げてノシロとした。

音声

5母音22子音または5母音18子音。
厳密な設定はなく、ほとんどが類推を元にした記事である。

母音

日本語同様5母音
異音範囲が広く、正確な音声は不明である。
長短で意味の弁別がある

前舌 後舌
/i/ /u/(非円と思われる)
半狭&半広 /e/ /o/
/a/

半母音

y /y/[j] を用いる。
日本語同様ヤ行のみで、ワ行が半母音として活用されることはない。
yもまた子音文字同様、単独ではy[ju]と読む

子音

文字上では22音あることになっているが、
日本人は日本人の発音で十分と主張していることから、FとH、BとV、RとL、Nとnの間に音声上の弁別がなく、/h/ /b/ /4/(歯茎はじき)音 /n/で表すものと思われ、現実には18子音であるとおもわれる。

両唇 歯茎 後部歯茎 硬口蓋 軟口蓋 口蓋垂 声門
破裂音 /p/ /d/ /t/ /d/ /k/ /g/
鼻音 /m/ /n/ /\N/
破擦音 /ts/ /tS/
摩擦音 /f/ /v/ /s/ /z/ /S/ /Z/ /h/
接近音 /w/ /r/ /j/
流音 /l/

アクセント

規定なし。
自動的に母語に準拠するとなると、乙種アクセント、つまり東京式アクセントに準拠するものと思われる。

文字

ラテン文字またはノシロ文字を用いる。
子音文字は母音文字が付記されていない時は、母音uを続けて読むため、アルファベットのような表音素文字ではなく、正確にはアブギダに分類される文字であろう。
K/ku/ KA/ka/ KI/ki/ KE/ke/ KO/KO/

また、格助詞や接尾辞として用いるW/wa/, O/o/, L/li/ E/e/ Qは、特定の場所で読み方を変えるため、表語文字に分類される。

ラテン文字

A~Zまでの26の大文字とnとy二つの小文字を使用する。
外来語は基本的に小文字で書くので、実際には26の小文字全てを用いる。
地名、人名などの外来語の固有名詞は最初の一文字が大文字になると言う英語と同様の規則で表記される。

A I U E O H K G S Z C X J Q T
D N F V P B M L R Y W y n AI EI
AA II UU EE OO ya y yE yO
yAA yU yEE yOO -W -O -L -E -Q

nは日本語の「ん」に相当する。恐らくN単独でヌと読まないための対策であろう。
yは半母音/j/に相当するKyAなど他の子音について持ちいられ、ヤ行単独の時はYAなど大文字を用いる。

アブギダゆえに反切表で表記した方が理解が早かろう。
拗音を除き120音節存在する。事実上同じ発音であるF, V, L,を除けば105音節。
このことから、アルファベット表記よりも竜方仮名などの表音節文字を採用した方が合理的と言える作りである。

A/a/ I/i/ U/u/ E/e/ O/o/
AA/a:/ II/i*/ UU/u:/ EE/e:/ OO/o:/
HA/ha/ HI/hi/ H/hu/ HE/he/ HO/ho/
HyA/hja/ Hy/hju/ HyE/hje/ HyO/hjo/
KA/ka/ KI/ki/ K/ku/ KE/ke/ KO/ko/
GA/ga/ GI/gi/ G/gu/ GE/ge/ GO/go/
KyA/kja/ Ky/kju/ KyE/kje/ KyO/kjo/
GyA/gja/ Gy/gju/ GyE/gje/ GO/gjo/
SA/sa/ SI/si/ S/su/ SE/se/ SO/so/
ZA/za/ ZI/zi/ Z/zu/ ZE/ze/ ZO/zo/
CA/tsa/ CI/tsi/ C/tsu/ CE/tse/ CO/tso/
XA/Sa/ XI/Si/ X/Su/ XE/Se/ XO/So/
JA/Za/ JI/Zi/ J/Zu/ JE/Ze/ JO/Zo/
QA/tSa/ QI/tSi/ Q/tSu/ QE/tSe/ QO/tSo/
TA/ta/ TI/ti/ T/tu/ TE/te/ TO/to/
DA/da/ DI/di/ D/du/ DE/de/ DO/do/
TyA/tja/ Ty/tju/ TyE/tje/ TyO/tjo/
DyA/dja/ Dy/dju/ DyE/dje/ DuO/djo/
NA/na/ NI/ni/ N/nu/ NE/ne/ NO/no/
NyA/nja/ Ny/nju/ NyE/nje/ NyO/njo/
FA/fa/ FI/fi/ F/fu/ FE/fe/ FO/fo/
VA/va/ VI/vi/ V/vu/ VE/ve/ VO/vo/
VyA/vja/ Vy/vju/ VyE/vje/ VO/vjo/
PA/pa/ PI/pi/ P/pu/ PE/pe/ PO/po/
BA/ba/ BI/bi/ B/bu/ BE/be/ BO/bo/
PyA/ja/ Py/ju/ PyE/je/ PyO/jo/
ByA/bja/ By/bju/ ByE/bje/ ByO/bjo/
MA/ma/ MI/mi/ M/mu/ ME/me/ MO/mo/
MyA/mja/ My/mju/ MyE/mje/ MyO/mjo/
LA/la/ LI/li/ L/lu/ LE/le/ LO/lo/
LyA/lja/ Ly/lju/ LyE/lje/ LyO/ljo/
RA/ra/ RI/ri/ R/ru/ RE/re/ RO/ro/
RyA/rja/ Ry/rju/ RyE/rje/ RyO/rjo/
YA/ja/ Y/ju/ YE/je/ YO/jo/
WA/wa/ WI/wi/ W/wu/ WE/we/ WO/wo/
n/N/

/kui/と書きたい時はK'Iと書く。
KUIとかくと/ku:i/と長音になる。というよりKUのようにUが付くと長音になる。

日本語の促音(っ)に当たる音は子音字を重ねるHOTT /hoQtu/

nは口蓋垂鼻音/\N/が基本であるが[m] [n] [N]などの異音が許容される

ノシロ文字

使用実態はほとんどない。

語彙

推定語彙数

2012年7月現在で 13620語

文法

統語

一類はSOV AN 後置詞使用 節前置
二類はSVO AN 前置詞使用 節後置
三類は

名詞

格助詞と前置詞

動詞

コピュラ

否定

時制

受動態

使役

敬語

自動詞

仮定

動詞化

名詞化・連用形

形容詞化・連体形

終助詞

形容詞

叙述用法

比較

副詞

接続詞

文頭純詞

従属文、関係詞的表現

疑問文

YES/NO疑問文

YUP YES
NAI NO

その他疑問

反語

基数と序数

方言

SOV語順を基本とする一類、SVO語順を基本とする二類、VSO語順を基本とする三類の3つの方言が確認されている。
語順のほか、格助詞を使うか、前置詞を使うかの違いや、使用する挨拶語が異なるなどの差異が存在する。
二類には、理想英語、簡易英語、ノシリッシュ(NOXILish)という別名があるという。

挨拶

一類 二類 三類
こんにちは FIINA ALOO SALAM
さようなら KWAHELI
ありがとう KAMSA ASAnTE


辞書


構想

自分の母語の単語を内容語に用いて、ノシロを組み、それをコンピューターにより相手の母語の単語に置き換えることにより、意思疎通が図れるという。
しかしながら、構文の違いや語法範囲の違いを考えれば、通じないと言うことは、アシェットにおいて20年かけて得られたデータにより明らかであり、現実性を欠いた主張と言わざるを得ない。

実例


外部リンク

最終更新:2012年08月06日 20:05