120609-1

一般的な言葉に翻訳したロジバン概説。
分からないものはどんどんスルーし、例文そのものから外形的に判断できる特徴のみを表記する。

音声

母音

a, i, o, e, u, yの6母音。
新生アルカと同一の構成である。

前舌 中舌 後舌
i[i] u[u]
e[e] y[ə] o[o]
a[a]

半母音

ia, iu, ie, io, ua ui, ue, uoなどはヤ ユ イェ ヨ ワ ウィ ウェ ウォなどと読むのがデフォルトである。
葵、東亜のように区切りたい場合は、/,/を挟む。
ao,i
tou,a

二重母音の回避

/'/つまり、無声声門摩擦音[h]は母音が連続するとき、母音がはっきり区切れて聞きやすくする目的でのみ使用される。
a'a

緩衝母音

二重子音が発音しにくい場合、デフォルトの6つの母音以外の母音を間に挟むことが許される。
デフォルト以外の母音は無視される。

子音

19子音。
アルカと比較すれば、y[j] c[r] r[ɹ], w[w], ts[t͡s], tx[ʧ]がなく、
r[ɾ]、.[ʔ]、x[x]が存在する点が異なる。
またf, vが歯唇音でなく、両唇摩擦音である点も違っている。

ただし、y, wは二重母音で存在し、ts, txも二重子音で存在するため、歯茎震え音と歯茎接近音のみ欠落し、
代わりに歯茎はじき音、無声声門破裂音、無声軟口蓋摩擦音があるとシンプルに定義することも可。
歯茎はじき音は、歯茎震え音の異音として存在するため、単純に無声声門破裂音と無声軟口蓋摩擦音さえ覚えれば、
アルカから入る人でも、適応は可能。

両唇 歯茎 後部歯茎 軟口蓋 声門
破裂音 p[p] b[b] t[t] d[d] - k[k] g[g] .[ʔ] -
鼻音 - m[m] - n[n]
はじき音 - r[ɾ]
摩擦音 f[ɸ] v[β] s[s] z[z] c[ʃ] j[ʒ] x[x] - '[h] -
側面接近音 - l[l]

そのほかに語の境界を表す " , " という文字が存在する。

連続子音

不可能な子音は「同じ子音によるもの」「同系統の子音(有声/無声の面以外で特徴が一致する子音)によるもの」である。
そして、以下の組み合わせのみ許容されている。

pl pr bl br
fl fr vl vr
cp cf ct ck cm cn cl cr
jb jv jd jg jm
sp sf st sk sm sn sl sr
zb zv zd zg zm
tc tr ts kl kr
sj dr dz gl gr
ml mr xl xr

tsはツァ行、tcがチャ行である。

撥音と調音

撥音は、t.tのように同じ文字の子音連続の間に、ピリオドを置いて表現する。
長音はaaのように二重母音によって表現する。

とっちゃん .tot.tcan.
どっかーん .dok.kaan.
どんだけ~ .dondakeen.
バケラッタメーン .bakerat.tameen.
うっきっきー .uk.kik.kiiin.

最後にnが付いたり、両端にピリオドが付くのは外来語だからである。

アクセント

自然言語に由来するものであるため不規則。
アクセントはその部分を大文字にするか、アクセント符号入れて表す。

文字

アスキー文字で表記するのが一般的である。
ただし、主流なだけであり、公式の表記法は存在しない。
基本的に小文字のみ持ちいられ、大文字は、アクセントを明示したい時や、強調したい時に用いられる。

句読点

英語や日本語のように句読点で文の終わりを明示するわけではなく、単語によって、文の終了を明示する。
カンマは単語の区切り、ピリオドは無声声門破裂音を表している。

語彙

多言語参照アポステリオリ言語。
参照言語は、アラビア語、英語、スペイン語、ロシア語、ヒンディー語、中国語、ラテン語、ギリシャ語、ログラン、ラーダン、トキポナなど。
ただしそのまま入れるのではなく、ロジバンの品詞の規則にみあった形に整形して取り入れているため、ヴォラピュクのように原形をとどめないものが多い。

品詞

二重子音の有無や末尾が子音か母音かで見分ける方式。

brivla (xCCxV) 内容語のことであり、動詞・形容詞・副詞に相当する。いわゆる述語
  • gimvla(CVCCV, CCVCV) いわゆる基本語彙。5文字。自然言語から借用された語彙を整形して作った。gismuと呼ばれる。
  • jvovla いわゆる合成語のこと
  • fu'ivla ギスムに整形されなかった借用語のような物。
ma'ovla (V, VV, CV, CVV) 機能語。前置詞、接続詞、冠詞、助詞などに相当するところ。名詞とか動詞以外の細かい部分。
cmevla (xxxxC) いわゆる名詞。子音で終わる。
  • 外来系 末尾を子音にしたり、両端にピリオドを配置したりして作る。
  • 内来系 既にあるロジバンの用語を短縮をかけて新しい意味の単語にする手法らしい。

外来語

両端に/./を付け、末尾に-nを付けるなどして表現する。
外来語のh音は通常x, 無声硬口蓋摩擦音で表記される

洋太 .ioutan.
葵 .aoin.
松本人志 .matsumoton.xitocin.
東京 .tokion.

「la'o 言語記号. ~ .言語記号.」の組み合わせで文中にそのまま外来語を入れることも可。
プログラミング言語におけるテキスト表示枠的な。

la'o gy. Michael Jackson .gy.
la'o py. おりがみ .py.
la'o jy. 孔子 .jy.

「gy」「py」「jy」「ry」「xy」はそれぞれ「glico/英語」「ponjo/日本語」「jungo/中国語」「xrabo/アラビア語」「xindo/ヒンディー語」に由来

url用のコードもあるらしい。


面倒なら、全部"la'o zoi ~ zoi"でやっておけば間違いない。
la'o zoi おりがみ zoi
la'o zoi http://www.wikipedia.com zoi

試験的にla'oiという短縮系も
la'oi . おりがみ .
la'oi . http://www.youtube.com .

推定語彙数



文法

統語

SVO AN 任意で前置詞使用 膠着語が標準的な用法と思われる。

出現する名詞の順番で、格を決定するため、SOVまたはSVOまたは、VSOになりえる。
しかし、VSOの場合、「動詞 名詞 名詞」と配置された場合、動詞の前に主格が省略された形であると判断されるため、
「動詞 fa 名詞 名詞」になるため、SOVまたはSVOを用いることを暗に推奨しているものと思われる。

la .mikin. la .maikon. satre
ミキは マイコを 撫ぜる

ti do ckape
これは あなたに対して 危険である


二番目に出る名詞が自動的に目的格と決定されるため、SVOでも通じる。

la .mikin. satre la .maikon.
ミキは 撫ぜる マイコを

ti ckape do
これは 危険である あなたに対して

VSOの場合、動詞の後ろに主格があると誤解されやすいので、主格(x1)のfa, 対格(x2)のfeを用いる。

satre fa la .mikin. fe la. maikon
撫ぜる が ミキ を マイコ

ckape fa ti fe do
危険である が これ を あなた

名詞

配置順により格を表すため、格変化による語形変化は存在しない。


体言部分をbe ~be'oで括弧にして明示することがある。

ti melbi be fi lo ka smaji vi ce'u be'o slabu
これ 美しい ( 3格(の面で) 定冠詞 性質 静 近 ラムダ子 ) 古い
これは古い、そこに居ることの静けさがすばらしいという美しさとともに

代名詞

mi 私
do あなた

ta あれ あそこ
ti これ ここ

前置詞

動詞ごとに、文の中で出現する名詞の順番によって格を決定するため、余り出てこないようである。
しかし、場合によって第一格、第二格などを明示する前置詞を付けることにより語順を動かすことが可能である。
この仕様はアルカの普段は省略される主格や対格の格詞に近いものであろう。
その格標識の省略が与格や奪格にまで拡大されたものと考えれば分かりやすい。

x1 fa 主格
x2 fe 対格
x3 fi 与格
x4 fo
x5 fu

移動動詞では、「x1がx2に x3から行く」のようになるので、上の体系は一概には言えない。
mi ta ti cu klama
私はあそこにここから行く

辞書などで動詞ごとに格組を確認する必要がある。

前置詞でなく、動詞に修飾する副詞と思われるが第一格(主格)と第二格(対格)の位置を置換する"se"もある。

la .mikin. la .maikon. satre
ミキは マイコを 撫ぜる

la .maikon. la .mikin. se satre
マイコを ミキは 撫ぜる

動詞

繋辞

存在せず直結する。

la .mikin. la .maikon. mamta
ミキはマイコの母である。

ti kukte plise
これは おいしい リンゴである。

分離用のcuを使って表すこともある

lo plise cu kukte
リンゴ [分離記号] おいしい リンゴがおいしい。

否定

時制

受動態

使役態

敬語

形容詞

述語用法

日本語同様、形容詞単独で用言として使うことができる。

la .mikin. la .maikon. xendo
ミキは マイコに対して 優しい

限定用法

名詞に修飾する形容詞の限定用法では、前置修飾である。

kukte plise
おいしい りんご

tu plise tricu
これは リンゴの 木である

la .suzukin. barda gleki xendo stace nanmu
スズキは 巨大で 幸せで 親切で 正直な 男である

括弧構造など

括弧"("を意味するke、括弧閉じ")"を意味するke'e、右を向いた矢印"[ ]"を意味するboによって、
修飾関係を明示できる。
アルカの括弧のtie~tunの前置修飾版とみると分かりやすい。

xekri kerfa ke melbi ninmu verba
黒い 髪の ( 綺麗な 女の 子

xekri ke kerfa bo melbi ninmu ke'e verba
黒い ( [髪の → 綺麗な 女の]) 子

xekri kerfa melbi bo ninmu verba
黒い 髪の [綺麗な → 女の] 子

xekri kerfa melbi ninmu verba
黒い 髪の 綺麗な 女の 子

xekri ke kerfa melbi ninmu verba
黒い ( 髪の 綺麗な 女の 子

xekri kerfa ke melbi fetsi bo verba
黒い 髪の ( 綺麗な [女の → 子]

xekri ke kerfa melbi fetsi bo verba
黒い ( 髪の 綺麗な [女の → 子]

後置修飾前置詞co

形容詞の後置修飾には 左向きの矢印"←"を意味するcoを使うことで可能である。

ti melbi slabu
これは 美しい 古さである

ti slabu co melbi
これは 古さである ← 美しい

ti slabu co melbi fi lo ka smaji vi ce'u
これ 古い ← 美しい 三格(~の面が) 定冠詞 性質 静かな 近 ラムダ子
これは古い、そこに居ることの静けさがすばらしいという美しさとともに

副詞

接続詞

感嘆詞

関係詞

感嘆詞

文末純詞

数詞

完全十六進法。
ただし、制アルカ同様、完全十進法として用いることが多い。

十進法 十六進法 二進法
0 0 0000 no
1 1 0001 pa
2 2 0010 re
3 3 0011 ci
4 4 0100 vo
5 5 0101 mu
6 6 0110 xa
7 7 0111 ze
8 8 1000 bi
9 9 1001 so
10 A 1010 dau
11 B 1011 fei
12 C 1100 gai
13 D 1101 jau
14 E 1110 rei
15 F 1111 vai

後期制アルカ同様、そのまま列記する。

pa re ci vo mu xa ze bi so no
1,234,567,890 十二億三千四百五十六万七千八百九十

基数は前置で表す模様。

3 gerku .e 5 mlatu
三匹の犬と五匹の猫

citka re plise
リンゴを二つ食べる。

文化


最終更新:2012年06月09日 20:03