啓太に序列を決めてもらう為、薫のいぬかみたちが押しかけた時のお話

啓太とて自分の考えで序列を変えたところで揉めるのは必至、だからと
いって何もせずそのままが良いと言っても揉めることには変わりがない。
そこで……

一旦みんなを帰らせた後、せんだんだけを呼び出す。
「リーダーである、せんだんがダントツで一番であることを示し、その
せんだんが薫が決めた序列を変える必要はないと宣言させれば皆も納得
するだろう」
「啓太様、お言葉を返すようですが、単純な力(霊力)比べでは、たゆねに
勝てるはず有りません、それにおそらく参加しないとは思いますが、
なでしこも伊達にお父様より長く生きている訳では有りませんでしょうし」
「えっーなでしこちゃんってそんな年なの…、まあ、それは置いといて、
だからこういう物をだな……」
「たしかに、その力はわたくしにしか使えませんね」
用意する物を告げられた、せんだんは手配のため飛び立った 


数日後、啓太ハウスのある河川敷に再びいぬかみ達が集まった。

「やぁーみんな揃っているね」
「例によって、なでしこは欠席です」
せんだんの返事に少しがっかりした啓太に
「啓太様、序列は決まったんですよね」
「わたしは何番ですか?」
詰め寄るてんそう、フラノ、いまり&さよか達に
「序列は、いまからあれを使って決める」
指さす方向には大きな、大きく厚い鉄筋コンクリート製の板が並んでいた。

「あれを真っ二つに出来た者が一番、あとは一番になった者が決める
序列に従う、以上だ」

やる気満々なのは、たゆねただ一人、あとは啓太が決めたことでは
仕方がないという感じで、ともはね、いまり&さよかに至っては
完全に放棄している。 


序列が下位の者から挑戦する。
ともはね、いまり&さよか では表面が凹んだだけであったが、ごきょうや、
てんそう、フラノ ではクラックが入ったものの割れなかった。
たゆねは予想通りバラバラと言うより木っ端微塵にしてしまった。
いぐさは棄権し、せんだんの番である。
せんだんは板に線を描くように扇を撫で付けた後、気を溜め一気に
放った。
次の瞬間、大きな鉄筋コンクリート製の板は、鋏で断ち切られたかのように
真っ二つになっていた。
その、磨き上げられたように輝く美しいまでの断面は何の細工も無しに
せんだんの力による仕業であることを物語っていた。

せんだんは皆の方に向くと、
「序列は今まで通りとします、これはわたくしが一番であるからではなく
薫様が充分にお考えなさってお決めになった序列を私たちいぬかみが、
敢えて異を唱える必要のないことだと考えるからです、皆さんも
解りますね」

「序列のことは解りましたけど、今のはどんな力なのですか?」
たゆねの問いに啓太が
「せんだんにしか使えない力、剪断力だ」

剪断の力

糸冬


名無し|07/01/16
最終更新:2007年07月13日 17:34